英語の語源は決して難しくない。中学校で習う単語を総おさらいしたら、是非語源を意識して単語を覚えることをお薦めする。第二言語習得研究や脳科学(神経科学)研究からも、大人にとって効率的な英単語の学習方法だと言われているからだ。
まずは、あまり気負わずにこのコラムを流し読みしてほしい。「へ〜、面白そう。」と思えたらしめたもの。一方で、逆に苦痛に感じる方もいるだろう。その場合は、無理に覚えようとしなくていい。語源を知らなくても単語は覚えられる。
1. 英語の語源とは?
英単語は「接頭語」「語根」「接尾語」の3つのパーツから構成されている。それら3つのパーツの総称が「語源」だ。
英単語の根幹の意味を成す「語根」は、もともとラテン語やギリシャ語などから派生してきた。その「語根」の前後に、「接頭語」と「接尾語」と言われるパーツが付いて、様々な単語が生まれたのだ。
1.1. 語源を学習するメリット① ねずみ算式に単語が覚えられる!
語源を意識して学習すると、語彙数を一気に増やすことが可能だ。語根の中には、20以上の重要単語の根幹を成すものが少なくない。そして、接頭語や接尾語はそれ以上の数の単語の一部をなしている場合が多い。つまり、知っている語源の数が増えると、その何倍、何十倍の数の単語の意味を理解できるようになるのだ。
一方で、語源は無数にある。参考にさせて頂いた「語源中心英単語辞典」(南雲堂)という辞書には450以上の語源が掲載されている。しかし、それら全てを知る必要はない。何倍、何十倍の数の単語の意味が理解できるようになる重要な語源だけを知っておけばよいのだ。
このコラムでは、そのような最重要語源20(語根10・接頭語5・接尾語5)をご紹介する。この20の語源で合計256個の重要単語(派生語含む・重複除く)の意味が理解できるようになる。
1.2. 語源を学習するメリット② 知らない単語の意味を想像できる!
知らない単語でも、語源を知っていれば意味を想像できるようになる。つまり、「接頭語」「語根」「接尾語」の3つのパーツのそれぞれの意味を知っていれば、それを組み合わせたときの単語のニュアンスが理解できるようになるのだ。
1.3. 語源を学習するメリット③ 大人の脳にやさしい単語学習法!
丸暗記が苦手な大人の脳は、語源を意識すると英単語が覚えやすくなる。大人の脳は、ものごとを関連付けると記憶に定着する性質を持っているからだ。
子ども(臨界期前)の脳は丸暗記の能力が高いので、驚くべきスピードで単語を覚えていくことができるが、その丸暗記の能力は年齢とともに低下することがわかっている。一方で大人の脳は、事象と事象が連合されると普通より弱い刺激でシナプスが活性化する性質をもっている。シナプスが活性化すると記憶力が向上する。つまり、大人の脳は、他の知識と関連づけて物事をよく理解したときだけ、それをしっかり記憶するのだ。
語源を知っていれば、数十・数百の単語をお互いに関連づけて覚えることが可能だ。大人の脳にとってやさしい単語学習法といえるだろう。
さあ、それでは始めよう。まずは語根からご紹介する。
2. 初心者が最初に覚えるべき10の語根
2.1. 語根「port」= carry(運ぶ)
語根の「port」は、「運ぶ(carry)」という意味のラテン語「portare」が由来だ。
「import」は、「中に(in, into)」の意味の接頭語である「im = in」と「port」が結合して「輸入する」という意味になった。
上記「import」以外の、語根「port」を含む最重要語をご紹介する。重要な派生語も記載したのでまとめて覚えると効率的だ。
export /ikspɔ́ːrt/
ex- [接頭語:外に] + port[語根:運ぶ]
→ 外に運ぶ → (動) 輸出する(名)輸出
report /ripɔ́ːrt/
re- [接頭語:後ろへ] + port[語根:運ぶ]
→ 後ろへ運ぶ → 運び戻る → (動) 報告する
transport /trænspɔ́ːrt/
trans-[接頭語:〜の向こう]+ port[語根:運ぶ]
→ 向こうに運ぶ → (動) 輸送する
⇨ transportation /træ̀nspərtéiʃən/ (transport + -tion[名詞接尾語:こと]) → (名) 輸送
support /səpɔ́ːrt/
sup- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ port[語根:運ぶ]
→ 下から運び上げる → 支える → (動) 支援する
⇨ supporter /səpɔ́ːrtər/ (support + -er [名詞接尾語:人]) → (名) 支持者
sport /spɔ́ːrt/
s- = dis- [接頭語:離す] + port[語根:運ぶ]
→ 運び離す → 人を仕事から運び離すもの → (名) スポーツ
passport /pǽspɔːrt/
pass- [接頭語:通る] + port[単語:港]
→ 港を通る時に必要なもの → (名) パスポート
port /pɔ́ːrt/
port[語根:運ぶ]
→ 運ぶところ → (名) 港
portal /pɔ́ːrtl/
port[語根:運ぶ]
→ 運ぶところ → (名) 玄関
portable /pɔ́ːrtəbl/
port[語根:運ぶ]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 運ぶことができる → (形) 運べる
porter /pɔ́ːrtər/
port[語根:運ぶ]+ -er[名詞接尾語:人]
→ 運ぶ人 → (名) 荷物運搬人
2.2. 語根「form」= form(形づくる)
語根の「form」は、「形づくる(form)」という意味のラテン語「formare」が由来だ。
「reform」は、「再び(again)」の意味の接頭語である「re-」と「form」が結合して「改良する」という意味になった。
inform /infɔ́ːrm/
in-[接頭:中に]+ form[語根:形づくる]
→ (人の中に) 形づくる → (動) 知らせる
⇨ information /ìnfərméiʃən/ (inform + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾語:もの]) → (名) 情報
perform /pərfɔ́ːrm/
per-[接頭語:完全に]+ form[語根:形づくる]
→ 完全に形づくる → (動) 実行する
⇨ performance /pərfɔ́ːrməns/ (perform + -ance[名詞接尾語:こと]) → (名) 業績
conform /kənfɔ́ːrm/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ form[語根:形づくる]
→ 共に形づくる → (動) 一致する
transform /trænsfɔ́ːrm/
trans-[接頭語:〜の向こう]+ form[語根:形づくる]
→ 向こうに形づくる → 形を移す → (動) 〜の形を変える
⇨ transformation /træ̀nsfərméiʃən/ (transform + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 変化
uniform /júːnəfɔ̀ːrm/
uni-[接頭語:一つ]+ form[語根:形づくる]
→ 一つに形づくる → (形) 同じ形の(名)ユニフォーム
form /fɔ́ːrm/
form[語根:形づくる]
→ 形づくったもの → (名) 形
formal /fɔ́ːrməl/
form[語根:形づくる]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 形に関する → (形) 型にはまった
⇨ informal /infɔ́ːrməl/(in-[接頭語:否定]+ formal)→ (形) 形式ばらない
formation /fɔːrméiʃən/
form[語根:形づくる]+ -tion[名詞接尾語:こと]
→ 形づくること → (名) 形成
2.3. 語根「vis」= see(見る)
語根の「vis」は、「見る(see)」という意味のラテン語「videre」が由来だ。
「televison」は、「遠く(far)」の意味の接頭語である「tele-」と「vis」、そして「もの」を意味する名詞接尾語である「-ion」が結合して「テレビ(放送)」という意味になった。
vision /víʒən/
vis[語根:見る]+ -ion[名詞接尾語:こと]
→ 見ること → (名) 視覚
provision /prəvíʒən/
pro-[接頭語:前へ]+ vis[語根:見る]+ -ion[名詞接尾語:こと]
→ 前もって見ておくこと → (名) 用意
⇨ provide /prəváid/ (動) 提供する
visual /víʒuəl/
vis[語根:見る]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 見る事に関する → (形) 視覚の
⇨ visualize /víʒuəlàiz/ (visual + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) (視覚化する) → 思い浮かべる
visible /vízəbl/
vis[語根:見る]+ -ible (= -able)[形容詞接尾語:〜できる]
→ 見ることができる → (形) 目に見える
⇨ invisible /invízəbl/ (in-[接頭語:否定]+ visible) → (形) 目に見えない
visit /vízət/
vis[語根:見る]+ it[語根:行く]
→ 見に行く → (動) 訪問する
⇨ visitor /vízətər/ (visit + -or[名詞接尾語:人]) → (名) 訪問者
advise /ədváiz/
ad-[接頭語:〜へ]+ vis[語根:見る]
→ 〜の方を見る → (動) 助言する
⇨ adviser /ədváizər/ (advise + -er[名詞接尾語:人]) → (名) アドバイザー
⇨ advice /ədváis/ (名) アドバイス
revise /riváiz/
re-[接頭語:再び]+ vis[語根:見る]
→ 再び見る → (動) 改定する
⇨ revision /rivíʒən/ (revise + -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 改正
supervise /súːpərvàiz/
super-[接頭語:上に]+ vis[語根:見る]
→ 上から見る → (動) 監視する
⇨ supervisor /súːpərvàizər/ (supervise + -or[名詞接尾語:人]) →(名) 監督者
evidence /évid(e)ns/
e- (=ex-)[接頭語:外に]+ vid (= vis)[語根:見る]+ -ence[名詞接尾語:こと]
→ 外から見えること → 明らかなこと → (名) 証拠
⇨ evident /évidənt/ (e-[接頭語:外に]+ vid[語根:見る]+ -ent[形容詞接尾語:〜な]) → (形) 明白な
2.4. 語根「sta, st」= stand(立つ)
語根の「sta, st」は、「立つ(stand)」という意味のラテン語「stare」が由来だ。
「stable」は、「sta」と「〜できる」の意味の接尾語である「-able」が結合して「立つことができる → 安定した」という意味になった。
⇨ stability /stəbíləti/ (stable + -ity[名詞接尾語:こと]) → (名) 安定性
⇨ stabilize /stéibəlàiz/ (stable + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) 安定させる
⇨ stabilization /stèibələzéiʃən/ (stabilize + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 安定させること
stand /stǽnd/
sta[語根:立つ]
→ 立つ → (動) 立つ
distant /dístənt/
di- (= dis-)[接頭語:離れて]+ sta[語根:立つ]+ -ant[形容詞接尾語]
→ 離れて立っている → (形) 離れた
⇨ distance /dístəns/ (di-[接頭語:離れて]+ sta[語根:立つ]+ -ance[名詞接尾語:こと]→ (名) 距離
constant /kɑ́nstənt/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ sta[語根:立つ]+ -ant[形容詞接尾語]
→ 共に(しっかり)立っている → (形) 持続する
instant /ínstənt/
in-[接頭語:中に]+ sta[語根:立つ]+ -ant[形容詞接尾語]
→ 中に立っている → (形) 即時の
substance /sʌ́bstəns/
sub-[接頭語:〜の下]+ sta[語根:立つ]+ -ance[名詞接尾語:こと]
→ 下に立つもの → 根底に立つもの → (名) 物質
circumstance /sə́ːrkəmstæ̀ns/
circ-[語根:環]+ sta[語根:立つ]+ -ance[名詞接尾語:こと]
→ 環(周囲)に立っているもの → (名) 状況
obstacle /ɑ́bstəkl/
ob-[接頭語:〜に反対して]+ sta[語根:立つ]+ -cle[名詞接尾語:個体]
→ 反対に立っているもの → (名) 障害
install /instɔ́ːl/
in-[接頭語:中に]+ sta[語根:立つ]
→ 中に立てる → (動) 導入する
⇨ installation /ìnstəléiʃən/ (install + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 導入
establish /istǽbliʃ/
e- (=ex-)[接頭語:外に]+ sta[語根:立つ]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]+ -ish[動詞接尾語:〜にする]
→ 外に立つようにする → 外に安定化する → (動) 設立する
⇨ establishment /istǽbliʃmənt/ (establish + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) 設立
2.5. 語根「ject」= throw(投げる)
語根の「ject」は、「投げる(throw)」という意味のラテン語「jacere」が由来だ。
「project」は、「前へ(forward)」の意味の接頭語である「pro-」と「ject」が結合して「前へ投げる → 計画」という意味になった。
⇨ projection /prədʒékʃən/ (project + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 予測
⇨ projector /prədʒéktər/ (project + -or[名詞接尾語:人]) → (名) 投影機
eject /idʒékt/
e- (= ex-)[接頭語:外に]+ ject[語根:投げる]
→ 外に投げる → (動) 放出する
⇨ ejection /idʒékʃən/ (eject + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 放出
inject /indʒékt/
in-[接頭語:中に]+ ject[語根:投げる]
→ 中に投げる → 投げ入れる → (動) 注入する
⇨ injection /indʒékʃən/ (inject + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 注入
object1 /ɑ́bdʒikt/
ob-[接頭語:前に]+ ject[語根:投げる]
→ 前に投げられたもの → (名) 物体
⇨ objective /əbdʒéktiv/ (object + -ive[名詞接尾語:もの]) → (前に投げられたもの) → (名) 目的
object2 /əbdʒékt/
ob-[接頭語:〜に反対して]+ ject[語根:投げる]
→ 反対に投げる → (動) 反対する
⇨ objection /əbdʒéktʃən / (object + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 反対すること
reject /ridʒékt/
re-[接頭語:後ろへ]+ ject[語根:投げる]
→ 投げ返す → (動) 拒絶する
⇨ rejection /ridʒékʃən/ (reject + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 拒絶
subject /sʌ́bdʒikt/
sub-[接頭語:〜の下]+ ject[語根:投げる]
→ 下に投げられたもの → (名) 主題
adjective /ǽdʒiktiv/
a- (=ad) [接頭語:〜へ] + ject[語根:投げる]+ -ive[名詞接尾語:もの]
→ (名詞)に投げられたもの → (名) 形容詞
2.6. 語根「spect」= look(見る)
語根の「spect」は、「見る(look)」という意味のラテン語「specere」が由来だ。
「suspect」は、「〜の下(under)」の意味の接頭語である「sus- = sub-」と「spect」が結合して「下から見る → 疑う」という意味になった。
⇨ suspicion /səspíʃn/ (suspect (spect = spic) + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 疑い
⇨ suspicious /səspíʃəs/ (suspect (spect = spic) + -ous[形容詞接尾語:〜に満ちている]) → (形) 疑わしい
aspect /ǽspekt/
a- (=ad) [接頭語:〜へ] + spect[語根:見る]
→ 〜に対して見たこと → (名) 見解
expect /ikspékt/
ex-[接頭語:外に]+ (s)pect[語根:見る]
→ 外を見て待つ → (動) 期待する
⇨ expectation /èkspektéiʃən/ (expect + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 期待
inspect /inspékt/
in-[接頭語:中に]+ (s)pect[語根:見る]
→ 中を見る → (動) 調査する
⇨ inspection /inspékʃən/ (inspect + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 調査
⇨ inspector /inspéktər/ (inspect + -or[名詞接尾語:人]) → (名) 調査官
prospect /prɔ́spekt/
pro-[接頭語:前へ]+ spect[語根:見る]
→ 前を見る → (名) 見込み
⇨ prospective /prəspéktiv/ (prospect + -ive[形容詞接尾語:〜な]) → (形) 将来の
respect /rispékt/
re-[接頭語:後ろへ]+ spect[語根:見る]
→ 〜の後ろを見る → (動) 尊敬する
⇨ respectable /rispéktəbl/ (respect + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 尊敬すべき
⇨ respectful /rispékt/ (respect + -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]) → (形) 敬意を表す
retrospect /rétrəspèkt/
retro-[接頭語:後ろへ]+ spect[語根:見る]
→ 過去を見る → (動) 回顧する
perspective /pərspéktiv/
per-[接頭語:完全に]+ spect[語根:見る]+ -ive[名詞接尾語:こと]
→ 完全にみること → (名) 見通し
spectacle /spéktəkl/
spect[語根:見る]+ -cle[名詞接尾語:個体]
→ 見えるもの → (名) 光景
spectator /spékteitər/
spect[語根:見る]+ -ate[動詞接尾語]+ -or[名詞接尾語:人]
→ 見る人 → (名) 見物人
2.7. 語根「mit」= send(送る)
語根の「mit」は、「送る(send)」という意味のラテン語「mittere」が由来だ。
「transmit」は、「〜の向こうに(across)」の意味の接頭語である「trans-」と「mit」が結合して「向こうに送る → 伝える」という意味になった。
⇨ transmission /trænsmíʃən/ (transmit + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 送信
admit /ədmít/
ad-[接頭語:〜へ]+ mit[語根:送る]
→ 〜へ送る → (動) ~に入ることを許す、~を認める
⇨ admission /ədmíʃən/ (admit + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 入場
commit /kəmít/
com-[接頭語:共に]+ mit[語根:送る]
→ 共に送る → 委ねる → (動) (罪などを)犯す、委ねる、~に全てを捧げる
⇨ commitment /kəmítmənt/ (commit + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) 傾倒
⇨ committee /kəmíti/ (commit + – ee[名詞接尾語:〜される人]) → 委ねられる人 → (名) 委員会
omit /oumít/
ob-[接頭語:〜に反対して]+ mit[語根:送る]
→ 送ることに反対する → (動) 省略する
⇨ omission /oumíʃən/ (omit + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 省略
permit /pərmít/
per-[接頭語:完全に]+ mit[語根:送る]
→ 完全に送る → (動) 許す
⇨ permission /pərmíʃən/ (permit + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 許可
submit /səbmít /
sub-[接頭語:〜の下]+ mit[語根:送る]
→ 下から送る → (動) 提出する、服従する
mission /míʃən/
mis (= mit)[語根:送る]+ -ion[名詞接尾辞:こと]
→ 送ること → (名) 使命、派遣団
promise /prɑ́məs/
pro-[接頭語:前に]+ mis (= mit)[語根:送る]
→ 前もって送る → (動) 約束する
compromise /kɑ́mprəmàiz/
com-[接頭語:共に]+ promise)[単語:約束する]
→ 共に約束する → (動) 妥協する
2.8. 語根「tain」= hold(保つ)
語根の「tain」は、「保つ(hold)」という意味のラテン語「tenere」が由来だ。
「contain」は、「共に(together)」の意味の接頭語である「con- = com-」と「tain」が結合して「共に保つ → 含む」という意味になった。
⇨ container /kəntéinər/ (contain + -er[名詞接尾語:人]) → (名) 入れ物, コンテナ
entertain /èntərtéin/
enter- (= inter-)[接頭語:間に]+ tain[語根:保つ]
→ 間を保つ → (動) 楽しませる
⇨ entertainment /èntərtéinmənt/ (entertain + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) もてなし
⇨ entertainer /éntərtèinər/ (entertain + -er[名詞接尾語:人]) → (名) エンターテイナー
maintain /meintéin/
main- (= manu-)[接頭語:手]+ tain[語根:保つ]
→ 手に保つ → (動) 持続する
⇨ maintenance /méintənəns/ (maintain + -ance[名詞接尾語:こと]) → (名) 維持
obtain /əbtéin/
ob-[接頭語:前に]+ tain[語根:保つ]
→ 前に保つ → (動) 手に入れる
⇨ obtainable /əbtéinəbl/ (obtain + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 入手出来る
retain /ritéin/
re-[接頭語:後ろへ]+ tain[語根:保つ]
→ 後ろに保つ → (動) 持ち続ける
sustain /səstéin/
sus- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ tain[語根:保つ]
→ 下で保つ → (動) 維持する
⇨ sustainable /səstéinəbl/ (sustain + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 持続可能な
2.9. 語根「press」= press(押す)
語根の「press」は、「押す(press)」という意味のラテン語「pressare」が由来だ。
「express」は、「外に(out)」の意味の接頭語である「ex-」と「press」が結合して「外に押し出す → 表現する」という意味になった。
⇨ expression /ikspréʃən/ (express + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 表現
impress /imprés/
im- (=im)[接頭語:中に]+ press[語根:押す]
→ (人の心の)中に押し付ける → (動) 印象づける
⇨ impression /impréʃən/ (impress + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 印象
⇨ impressive /imprésiv/ (impress + -ive[形容詞接尾辞:〜な]) → (形) 印象的な
depress /diprés/
de-[接頭語:下に]+ press[語根:押す]
→ 下に押す → (動) 落胆させる
⇨ depression /dipréʃən/ (depress + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 不況
compress /kəmprés/
com-[接頭語:共に]+ press[語根:押す]
→ 共に押す → (動) 圧縮する
⇨ compression /kəmpréʃən/ (compress + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 圧縮
⇨ compressor /kəmprésər/ (compress + -or[名詞接尾辞:人・もの]) →(名) 圧縮器
suppress /səprés/
sup- (=sub-) [接頭語:〜の下] + press[語根:押す]
→ 下に押さえつける → (動) 鎮圧する
pressure /préʃər/
press[語根:押す]+ -ure[名詞接尾辞:こと]
→ 押すこと → (名) 圧力
2.10. 語根「duct」= lead(導く)
語根の「duct」は、「導く(lead)」という意味のラテン語「ducere」が由来だ。
「introduction」は、「中に(inward)」の意味の接頭語である「intro-」と「duct」、そして「こと」を意味する名詞接尾語である「-ion」が結合して「中に導くこと → 紹介」という意味になった。
⇨ introduce /intrədjúːs/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 紹介する
production /prədʌ́kʃən/
pro-[接頭語:前に]+ duct[語根:導く]+ -ion[名詞接尾辞:こと]
→ 前に導くこと→ 作り出すこと → (名) 生産
⇨ produce /prədjúːs/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 生産する
⇨ producer /prədjúːsər/ (produce + -er [名詞接尾辞:人]) → (名) プロデューサー
⇨ product /prɑ́dəkt/ (名) 製品
⇨ productive /prədʌ́ktiv/ (product + -ive [形容詞接尾語]) → (形) 生産力のある
⇨ productivity /pròudʌktívəti/ (productive + -ity [名詞接尾語]) → (名) 生産性
reduction /ridʌ́kʃən/
re-[接頭語:後ろへ]+ duct[語根:導く]+ -ion[名詞接尾辞:こと]
→ 後ろへ導くこと → (名) 縮小
⇨ reduce /rid júːs/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 少なくする
deduction /didʌ́kʃən/
de-[接頭語:下に]+ duct[語根:導く]+ -ion[名詞接尾辞:こと]
→ 下に導くこと → (名) 控除
⇨ deduct /didʌ́kt/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 差し引く
conduct /kɑ́ndʌkt/
con- (= com-)[接頭:共に]+ duct[語根:導く]
→ 共に導く → (動) 行なう
⇨ conductor /kəndʌ́ktər/ (conduct + -or[名詞接尾辞:人]) → (名) 指揮者
educate /édʒukèit/
e- (= ex-)[接頭語:外に]+ duc (= duct)[語根:導く]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ (能力を) 外に導き出す → (名) 教育する
⇨ education /èdʒukéiʃən/(educate + -ion[名詞接尾辞:こと])→ (名) 教育
3. 初心者が最初に覚えるべき5の接頭語
「接頭語」は、「語根」の前に付き、補足的な意味を加える役割を担う部分だ。「接頭辞」ともいう。ここでは、初心者がまず覚えて頂きたい最重要接頭語5個をご紹介する。
3.1. 接頭語「com-」= together(共に)
接頭語の「com-」は、「共に(together)」という意味を表す。
「complete」は、「com-」に、「満たす(fill)」を意味する語根である「ple」が結合して「共に満たす → 完了する」という意味になった。
⇨ completion /kəmplíːʃən/ (complete + -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 完了
compress /kəmprés/
com-[接頭語:共に]+ press[語根:押す]
→ 共に押す → (動) 圧縮する
⇨ compression /kəmpréʃən/ (compress + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 圧縮
⇨ compressor /kəmprésər/ (compress + -or[名詞接尾辞:人・もの]) →(名) 圧縮器
conduct /kɑ́ndʌkt/
con- (= com-)[接頭:共に]+ duct[語根:導く]
→ 共に導く → (動) 行なう
⇨ conductor /kəndʌ́ktər/ (conduct + -or[名詞接尾辞:人]) → (名) 指揮者
conform /kənfɔ́ːrm/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ form[語根:形づくる]
→ 共に形づくる → (動) 一致する
constant /kɑ́nstənt/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ sta[語根:立つ]+ -ant[形容詞接尾語]
→ 共に(しっかり)立っている → (形) 持続する
contain /kəntéin/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ tain[語根:保つ]
→ 共に保つ → (動) 含む
⇨ container /kəntéinər/ (contain + -er[名詞接尾語:人]) → (名) 入れ物, コンテナ
commit /kəmít/
com-[接頭語:共に]+ mit[語根:送る]
→ 共に送る → 委ねる → (動) (罪などを)犯す、委ねる、~に全てを捧げる
⇨ commitment /kəmítmənt/ (commit + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) 傾倒
⇨ committee /kəmíti/ (commit + – ee[名詞接尾語:〜される人]) → 委ねられる人 → (名) 委員会
contract /kəntrǽkt/
com-[接頭語:共に]+ tract[語根:引く]
→ 共に(両方から)引き合う → (動) 契約する、収縮する
confuse /kənfjúːz/
com-[接頭語:共に]+ fuse[語根:注ぐ]
→ 共に注ぐ → (動) 混乱させる
⇨ confusion /kənfjúːʒən/ (confuse + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 混乱
compose /kəmpóuz/
com-[接頭語:共に]+ pose[語根:置く]
→ 共に置く → (動) 構成する
⇨ composer /kəmpóuzər/ (compose + -er[名詞接尾辞:人]) →(名) 作曲家
3.2. 接頭語「re-」= back(戻す)・again(再び)
接頭語の「re-」は、「戻す・再び(back, again)」という意味を表す。
「reply」は、「re-」に、「折り重ねる(fold)」を意味する語根である「ply」が結合して「重ね戻す → 返答する」という意味になった。
report /ripɔ́ːrt/
re- [接頭語:後ろへ] + port[語根:運ぶ]
→ 後ろへ運ぶ → 運び戻る → (動) 報告する
reform /rifɔ́ːrm/
re- [接頭語:後ろへ] + form[語根:形づくる]
→ 再び形づくる → (動) 改良する (名)改良
reject /ridʒékt/
re-[接頭語:後ろへ]+ ject[語根:投げる]
→ 投げ返す → (動) 拒絶する
⇨ rejection /ridʒékʃən/ (reject + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 拒絶
respect /rispékt/
re-[接頭語:後ろへ]+ spect[語根:見る]
→ 〜の後ろを見る → (動) 尊敬する
⇨ respectable /rispéktəbl/ (respect + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 尊敬すべき
⇨ respectful /rispékt/ (respect + -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]) → (形) 敬意を表す
retain /ritéin/
re-[接頭語:後ろへ]+ tain[語根:保つ]
→ 後ろに保つ → (動) 持ち続ける
reduction /ridʌ́kʃən/
re-[接頭語:後ろへ]+ duct[語根:導く]+ -ion[名詞接尾辞:こと]
→ 後ろへ導くこと → (名) 縮小
⇨ reduce /rid júːs/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 少なくする
revise /riváiz/
re-[接頭語:再び]+ vis[語根:見る]
→ 再び見る → (動) 改定する
⇨ revision /rivíʒən/ (revise + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 改正
receive /risíːv/
re-[接頭語:再び]+ ceive (cept)[語根:取る]
→ 取り戻す → (動) 受け取る
⇨ receipt /risíːt/ (名) 領収書
⇨ reception /risépʃən/ (receive + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 受け取り
⇨ receivable /risíːvəbl/ (receive + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 受け取れる
refuse /rifjúːz/
re-[接頭語:再び]+ fuse[語根:注ぐ]
→ 注ぎ戻す → (動) 拒絶する
⇨ refusal /rifjúːzl/ (refuse + -al[名詞接尾語:こと]) → (名) 拒絶
3.3. 接頭語「in-」= in, into(中に)
接頭語の「in -」は、「中に(in, into)」という意味を表す。
「instruct」は、「in-」に、「築く(build)」を意味する語根である「struct」が結合して「心の中に築く → 指導する」という意味になった。
⇨ instruction /instrʌ́kʃən/ (instruct + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 指導
⇨ instructor /instrʌ́ktər/ (instruct + -or[名詞接尾辞:人]) → (名) 指導者
import /ikspɔ́ːrt/
im- (= in-)[接頭語:中に] + port[語根:運ぶ]
→ 中に運ぶ → (動) 輸入する(名)輸入
inform /infɔ́ːrm/
in-[接頭:中に]+ form[語根:形づくる]
→ (人の中に) 形づくる → (動) 知らせる
⇨ information /ìnfərméiʃən/ (inform + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾語:もの]) → (名) 情報
inject /indʒékt/
in-[接頭語:中に]+ ject[語根:投げる]
→ 中に投げる → 投げ入れる → (動) 注入する
⇨ injection /indʒékʃən/ (inject + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 注入
impress /imprés/
im- (=im)[接頭語:中に]+ press[語根:押す]
→ (人の心の)中に押し付ける → (動) 印象づける
⇨ impression /impréʃən/ (impress + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 印象
⇨ impressive /imprésiv/ (impress + -ive[形容詞接尾辞:〜な]) → (形) 印象的な
inspect /inspékt/
in-[接頭語:中に]+ (s)pect[語根:見る]
→ 中を見る → (動) 調査する
⇨ inspection /inspékʃən/ (inspect + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 調査
⇨ inspector /inspéktər/ (inspect + -or[名詞接尾語:人]) → (名) 調査官
install /instɔ́ːl/
in-[接頭語:中に]+ sta[語根:立つ]
→ 中に立てる → (動) 導入する
⇨ installation /ìnstəléiʃən/ (install + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 導入
include /inklúːd/
in-[接頭語:中に]+ clude[語根:閉じる]
→ 中に入れて閉じる → (動) ~を含める
⇨ exclude /iksklúːd/ (ex-[接頭語:外に]+ clude[語根:閉じる]) → (動) 〜を除く
insist /insíst/
in-[接頭語:中に]+ sist[語根:立つ]
→ 〜の中に立つ → (動) 主張する
involve /invɑ́lv/
in-[接頭語:中に]+ volve[語根:回る]
→ 中に回り込む →(動) 巻き込む
⇨ involvement /invɑ́lvmənt/ (involve + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) 含まれること
3.4. 接頭語「ex-」= out(外に)
接頭語の「ex-」は、「外に(out)」という意味を表す。
「exclude」は、「ex-」に、「閉じる(shut)」を意味する語根である「clude」が結合して「外に出して閉じる → 〜を除く」という意味になった。
⇨ include /inklúːd/ (in-[接頭語:中に]+ clude[語根:閉じる]) → (動) ~を含める
export /ikspɔ́ːrt/
ex-[接頭語:外に]+ port[語根:運ぶ]
→ 外に運ぶ → (動) 輸出する(名)輸出
express /iksprés/
ex-[接頭語:外に]+ press[語根:押す]
→ (考えを)外に押し出す) → (動) 表現する
⇨ expression /ikspréʃən/ (express + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 表現
expect /ikspékt/
ex-[接頭語:外に]+ (s)pect[語根:見る]
→ 外を見て待つ → (動) 期待する
⇨ expectation /èkspektéiʃən/ (expect + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 期待
exceed /iksíːd/
ex-[接頭語:外に]+ ceed[語根:行く]
→ 外に行く → (動) 超える
except /iksépt/
ex-[接頭語:外に]+ cept (ceive)[語根:取る]
→ 取り出す → (前) 〜は除いて
⇨ exception /iksépʃən/ (except + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 除外
⇨ exceptional /iksépʃənl/ (exception + -al[形容詞接尾語:〜に関する]) → (形) 例外の
exit /égzit/
ex-[接頭語:外に]+ it[語根:行く]
→ 外に行く → (名) 出口
exist /igzíst/
ex-[接頭語:外に]+ ist (= sist)[語根:立つ]
→ 外に立つ → (動) 存在する ⇨ existence /igzístns/ (exist + -ence[名詞接尾語:こと]) → (名) 存在
extend /iksténd/
ex-[接頭語:外に]+ tend[語根:伸ばす]
→ 外にのばす → (動) 伸ばす、広げる
⇨ extension /iksténʃən/ (extend + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 拡張
establish /istǽbliʃ/
e- (= ex-)[接頭語:外に]+ sta[語根:立つ]+ -abl (= -able)[形容詞接尾語:〜できる]+ -ish[動詞接尾語:〜にする]
→ 外に立てるようにする → 外に安定化する → (動) 設立する
⇨ establishment /istǽbliʃmənt/ (establish + -ment[名詞接尾語:こと]) → (名) 設立
3.5. 接頭語「sub-」= under(〜の下)
接頭語の「sub-」は、「〜の下(under)」という意味を表す。
「subscribe」は、「sub-」に、「書く(write)」を意味する語根である「scribe」が結合して「下に書く → 署名する → 定期購読する」という意味になった。
⇨ subscription /səbskrípʃən/ (subscribe (scribe = script) + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 定期購読
⇨ subscriber /səbskráibər/ (subscribe + -er [名詞接尾語:人]) → (名) 定期購読者
support /səpɔ́ːrt/
sup- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ port[語根:運ぶ]
→ 下から運び上げる → 支える → (動) 支援する
⇨ supporter /səpɔ́ːrtər/ (support + -er [名詞接尾語:人]) → (名) 支持者
subject /sʌ́bdʒikt/
sub-[接頭語:〜の下]+ ject[語根:投げる]
→ 下に投げられたもの → (名) 主題
submit /səbmít/
sub-[接頭語:〜の下]+ mit[語根:送る]
→ 下から送る → (動) 提出する、服従する
substance /sʌ́bstəns/
sub-[接頭語:〜の下]+ sta[語根:立つ]+ -ance[名詞接尾語:こと]
→ 下に立つもの → 根底に立つもの → (名) 物質
suppress /səprés/
sup- (=sub-) [接頭語:〜の下] + press[語根:押す]
→ 下に押さえつける → (動) 鎮圧する
suspect /səspékt/
sus- (=sub-) [接頭語:〜の下] + pect[語根:見る]
→ 下から見る → (動) 疑う
⇨ suspicion /səspíʃn/ (suspect (spect = spic) + -ion[名詞接尾語:こと]) → (名) 疑い
⇨ suspicious /səspíʃəs/ (suspect (spect = spic) + -ous[形容詞接尾語:〜に満ちている]) → (形) 疑わしい
sustain /səstéin/
sus- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ tain[語根:保つ]
→ 下で保つ → (動) 維持する
⇨ sustainable /səstéinəbl/ (sustain + -able[形容詞接尾語:〜できる]) → (形) 持続可能な
suppose /səpóuz/
sup- (=sub-) [接頭語:〜の下] + pose[語根:置く]
→ 下に置く → (動) 仮定する、想像する
suspend /səspénd/
sus- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ pend[語根:ぶら下がる]
→ 下にぶら下げる → (動) 一時停止する
4. 初心者が最初に覚えるべき5の接尾語
「接尾語」は、「語根」の後に付き、補足的な意味を加える役割を担う部分だ。品詞(名詞・動詞・形容詞など)を決める役割も持つ。「接尾辞」ともいう。ここでは、初心者がまず覚えて頂きたい最重要接尾語5個をご紹介する。
4.1. 接尾語「-able」= able(〜できる)
接尾語の「-able」は、「〜できる(able)」という意味を表す形容詞接尾語。
「capable」は、「つかむ(take)」を意味する語根である「cap」に「-able」が結合して「つかむことができる → 能力がある」という意味になった。
⇨ capability /kèipəbíləti/ (cabable + -ity[名詞接尾語:こと]) → (名) 能力
⇨ incapable /inkéipəbl/ (in-[接頭語:否定]+ cabable) → (形) 能力がない
portable /pɔ́ːrtəbl/
port[語根:運ぶ]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 運ぶことができる → (形) 運べる
stable /stéibl/
sta[語根:立つ]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 立つことができる → (形) 安定した
⇨ stability /stəbíləti/ (stable + -ity[名詞接尾語:こと]) → (名) 安定性
⇨ stabilize /stéibəlàiz/ (stable + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) 安定させる
⇨ stabilization /stèibələzéiʃən/ (stabilize + -ate[動詞接尾語]+ -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 安定させること
visible /vízəbl/
vis[語根:見る]+ -ible (= -able)[形容詞接尾語:〜できる]
→ 見ることができる → (形) 目に見える
⇨ invisible /invízəbl/ (in-[接頭語:否定]+ visible) → (形) 目に見えない
respectable /rispéktəbl/
re-[接頭語:後ろへ]+ spect[語根:見る]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 〜の後ろを見ることができる → (形) 尊敬すべき
⇨ respect /rispékt/ → (動) 尊敬する
sustainable /səstéinəbl/
sus- (= sub-)[接頭語:〜の下]+ tain[語根:保つ]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 下で保つことができる → (形) 持続可能な
⇨ sustain /səstéin/ (動) 維持する
credible /krédəbl/
cred[語根:信じる]+ -ible (= -able)[形容詞接尾語:〜できる]
→ 信じることができる → (形) 信じられる
⇨ credibility /krèdəbíləti/ (credible + -ity[名詞接尾語:こと]) → (名) 信頼性
⇨ incredible /inkrédəbl/ (in-[接頭語:否定]+ credible) → (形) 信じられない
sensible /sénsəbl/
sens[語根:感じる]+ -ible (= -able)[形容詞接尾語:〜できる]
→ 感じることができる → (形) 思慮のある
⇨ sense /séns/ (sens [語根:感じる]) → (名) 感覚
curable /kjúərəbl/
cur (= cure)[語根:注意する]+ -able[形容詞接尾語:〜できる]
→ 注意できる → (形) 治癒できる
⇨ cure /kjúər/ (cure [語根:注意する]) → (名) 治療する
⇨ incurable /inkjúərəbl/ (in-[接頭語:否定]+ curable) → (形) 治療不能の
4.2. 接尾語「-ful」= full(〜に満ちた)
接尾語の「-ful」は、「〜に満ちた(full)」という意味を表す形容詞接尾語。
「careful」は、「care(注意)」を意味する単語に「-ful」が結合して「注意に満ちた → 注意深い」という意味になった。
⇨ carefully /kέərfəli/ (careful + -ly[副詞接尾語:〜のように]) → (副) 注意深く
⇨ careless /kέərləs/ (care + -less[形容詞接尾語:〜がない]) → (形) 不注意な
respectful /rispékt/
respect + -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]
→ 尊敬に満ちた → (形) 尊敬の念を持った
⇨ respect /rispékt/ (re-[接頭語:後ろへ]+ spect[語根:見る]) → 〜の後ろを見る → (動) 尊敬する
helpful /hélpfl/
help[単語:助け]+ -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]
→ 助けに満ちた → (形) 役立つ
⇨ helpless /hélpləs/ (help+ -less[形容詞接尾語:〜がない]) → (形) 無力な
fruitful /frúːtfl/
fruit[単語:果実]+ -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]
→ 果実に満ちた → (形) 豊かな
⇨ fruitless /frúːtlis/ (fruit + -less[形容詞接尾語:〜がない]) → (形) 無益な
shameful /ʃéimfl/
shame[単語:恥]+ -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]
→ 恥に満ちた → (形) 恥ずべき
⇨ shameless /ʃéimlis/ (shame + -less[形容詞接尾語:〜がない]) → (形) 恥知らずな
thoughtful /θɔ́ːtfl/
thought[単語:考え]+ -ful[形容詞接尾語:〜に満ちた]
→ 考えに満ちた → (形) 思慮深い
⇨ thoughtless /θɔ́ːtlis/ (thought + -less[形容詞接尾語:〜がない]) → (形) 不注意な
4.3. 接尾語「-al」= 形容詞接尾語(〜に関する)
接尾語の「-al」は、「〜に関する」という意味を表す形容詞接尾語。
「manual」は、「手(hand)」を意味する語根である「manu」に「-al」が結合して「手に関する → 手の」という意味になった。
formal /fɔ́ːrməl/
form[語根:形づくる]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 形に関する → (形) 型にはまった
⇨ informal /infɔ́ːrməl/(in-[接頭語:否定]+ formal)→ (形) 形式ばらない
visual /víʒuəl/
vis[語根:見る]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 見る事に関する → (形) 視覚の
⇨ visualize /víʒuəlàiz/ (visual + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) (視覚化する) → 思い浮かべる
annual /ǽnjuəl/
ann[語根:年]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 年に関する → (形) 毎年の
⇨ semiannual /sémiǽnjuəl/ (semi-[接頭語:半分の]+ annual) → (形) 半年毎の
final /fáinl/
fin[語根:年]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 終わりに関する → (形) 最後の (名) 決勝
⇨ finally /fáinəl/ (final + -ly[副詞接尾語:〜に]) → (副) 結局
⇨ finalize /sfáinəlàiz/ (final + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) 仕上げる
⇨ semifinal /sèmifáinəl/ (semi-[接頭語:半分の]+ final) → (名) 準決勝
local /lóukəl/
loc[語根:場所]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 場所に関する → (形) その地域の
⇨ locally /lóukəli/ (local + -ly[副詞接尾語:〜で]) → (副) その地域で
signal /sígnəl/
sign[語根:しるし]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ しるしに関すること → (名) 合図
vocal /vóukəl/
voc[語根:声]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 声に関する → (名) 声
⇨ vocalist /vóukəlist/ (vocal + -ist[名詞接尾語:人]) → (名) 歌手
international /ìntərnǽʃənl/
inter-[接頭語:〜の間に]+ nation[単語:国家]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 国家間に関する → (形) 国際的な
⇨ internationalize /ìntərnǽʃənəlàiz/ (international + -ize[動詞接尾語:〜化する]) → (動) 国際化する
⇨ internationally /ìntərnǽʃənəli/ (international + -ly[副詞接尾語:〜に]) → (副) 国際的に
pedal /pédl/
ped[語根:足]+ -al[形容詞接尾語:〜に関する]
→ 足に関すること → (形) 足の (名) ペダル
4.4. 接尾語「-fy」=(〜化する)
接尾語の「-fy」は、「〜化する」という意味を表す動詞接尾語。
「justify」は、「正義(right)」を意味する語根である「just」に「-fy」が結合して「正義化する → 正当化する」という意味になった。
unify /júːnəfài/
uni-[接頭語:一つ]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 一つにする → (動) 統一する
magnify /mǽgnəfài/
magn[語根:大きい]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 大きくする → (動) 拡大する
modify /mɑ́dəfài/
mod[語根:様式]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 様式化する → (動) 修正する
notify /nóutəfài/
not[語根:記す]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ しるし化する → (動) 通知する
simplify /símpləfài/
sim-[接頭語:一つ]+ pli[語根:折り重ねる]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 一つに重ねる → 簡単にする → (動) 単純にする
classify /klǽsəfài/
class[単語:階級]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 階級化する → (動) ~を分類する
qualify /kwɑ́ləfài/
quality[単語:質]+ -fy[動詞接尾語:〜化する]
→ 質化する → (動) ~に資格を与える
4.5. 接尾語「-ate」=(〜にする)
接尾語の「-ate」は、「〜にする」という意味を表す動詞接尾語。
「renovate」は、「再び(again)」を意味する接頭語である「re-」と「新しい(new)」を意味する語根である「nov」に「-ate」が結合して「再び新しくする → 修理する」という意味になった。
⇨ renovation /rènəvéiʃən/(renovate + -ion[名詞接尾辞:こと])→ (名) 修復、刷新
educate /édʒukèit/
e- (= ex-)[接頭語:外に]+ duc (= duct)[語根:導く]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ (能力を) 外に導き出す → (名) 教育する
⇨ education /èdʒukéiʃən/(educate + -ion[名詞接尾辞:こと])→ (名) 教育
create /kriéit/
cre[語根:作る]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 作ることをする → (動) 創造する
⇨ creation /kriéiʃən/ (create + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 創造
⇨ creative /kriéitiv/ (create + -ive[形容詞接尾語:〜な]) → (形) 創造力がある
⇨ creator /kriéitər/ (create + -or[名詞接尾語:人]) → (名) 創造者
generate /dʒénərèit/
gen[語根:生む]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 生み出す → (動) ~を生む
⇨ generation /dʒènəréiʃən/ (generate + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 発生、世代
innovate /ínəvèit/
in[接頭語:中に]+ nov[語根:新しい]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 中を新しくする → (動) 革新する
⇨ innovation /ìnəvéiʃən/ (innovate + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 革新
concentrate /kɑ́nsəntrèit/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ centr[語根:中心]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 共に中心にする → (動) 集中させる
⇨ concentration /kɑ̀nsəntréiʃən/ (concentrate + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 集中
complicate /kɑ́mpləkèit/
con- (= com-)[接頭語:共に]+ pli[語根:折り重ねる]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 共に折り重ねる → (動) ~を複雑にする
⇨ complication /kɑ̀mpləkéiʃən/ (complicate + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 複雑にすること
collaborate /kəlǽbərèit/
col- (= com-)[接頭語:共に]+ labor[語根:労働]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 共に仕事をする → (動) 協力する
⇨ collaboration /kəlæ̀bəréiʃən/ (collaborate + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 協力
immediate /imíːdiət/
im- (= in-)[接頭語:否定]+ medi[語根:中間]+ -ate[動詞接尾辞:〜にする]
→ 中間をなくした → (形) 即時の
⇨ immediately /imíːdiətli/ (immediate + -ly[副詞接尾語:〜に]) → (副) すぐに
5. 英語の語源|まとめ
最重要語源20個をご紹介したが、興味を持って頂けただろうか?
このコラムでは、語源ごとに、例として重要単語のみを掲載したが、これら20の語源を含む単語はまだまだ沢山ある。加えて、例としてご紹介した重要単語には、ここで取り上げなかった語根も多く含まれていることに気づいたはずだ。それらを学習していけば、理解できる単語が数珠つなぎに増えていくことになる。
また、ここでご紹介した最重要語源20個をマスターした後に覚えるべき語源については、「接頭語」については「英語の接頭語|ステップアップ13選!大人の英単語は語源で効率的に。」、「接尾語」については「英語の接尾語|ステップアップ10選!大人は語源で効率的に語彙増強」、「語根」については「英語の語幹(語根)|英単語は暗記より語源!ステップアップ20選」を参考にして頂きたい。
『語源で覚える必須英単語集』
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- Chapter 1: 【語根】超基本29選
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