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宣言する。

最新の第二言語習得研究と脳科学(神経科学)研究の知見に基づいた
最も効率的な英語の学習方法を採用しています。
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The English Club
学習法

最も効率的な学習方法は、①「インプットとアウトプットの両方を重視」②「単語・文法・発音の基礎からの習得と定型表現の習得」③「理解 → 記憶 → 自動化のプロセスを重視」。

第二言語習得研究からは、インプットとアウトプットの両方が欠かせないこと、単語・文法などの知識の習得と自動化、そして定型表現の習得で補足することが第二言語を効率的に習得するために必要であると結論づけられます。脳科学研究からは、子どもと大人の脳の性質の違いを理解すること、エピソード記憶の手続き記憶化を考慮することが効率的な英語の習得につながることが示唆されます。

① インプットとアウトプットの両方を重視

第二言語習得研究から、英語を効率的に習得するには、多量の「インプット」に加え、「アウトプットの必要性」に置かれることが必要といわれています。

米ピッツバーグ大学言語学科の白井恭弘教授は、「インプットが言語習得の重要なメカニズムであるということは言語習得研究の世界で否定する研究者はいない。しかしながら言語習得に必要な最低条件は、「インプット」に加え「アウトプットの必要性3」であると指摘しています。

ここで注意したいのは、白井教授のいう「インプット」とは、単に「聞き流すだけ」ではありえません。「単語の意味や文の構造を理解しながら聞くこと、読むこと」を指しています。

「アウトプットの必要性」とは、実際にアウトプットすることが重要ではなく、アウトプットの必要性のある状況におかれることで、頭の中でリハーサルする事が重要ということです。白井教授の書籍に、インプットだけでは言語習得ができないということを示唆する興味深い事例が2つ紹介されていますので、以下に引用します4

「テレビからは言語習得ができない」こと、そして「受容的バイリンガル」という現象から、「アウトプットの必要性」が導き出されます。

一つ目はテレビからは言語習得ができないという事例です。両親が聴覚障害でことばが話せず、主にテレビから言語を習得した三歳九ヶ月の子どもがアメリカでケースワーカーに発見されたのですが、その子に話させると文法的にかなり不自然だったといいます。また、生後九ヶ月の英語習得中のアメリカ人の子どもに合計五時間中国語を聞かせたところ、生身の人間が聞かせた子どもは英語にはない中国語の音声を聞き分ける能力が身についたということを示したのですが、ビデオで聞かせた子どもは全く身につかなかったということです。これらが「テレビからは言語習得ができない」という一つ目の事例です。

そして二つ目は「受容的バイリンガル」と呼ばれるケースです。たとえば日系アメリカ人の場合で親が子どもに日本語で話すようにしても、子どもは学校等で英語が主要な言語になってしまい、日本語は聞いて理解できるけど話せない、つまり親は日本語で話しかけても子どもは英語で答えるという状況になります。この受容的バイリンガルや、一つ目の事例のテレビを見て育った子どもは、インプットを理解する必要はあっても、話す必要性がない。従って聞いてわかるための能力は身についたのですが、発話しないために話す能力が発達しなかったと言われています。

脳科学からもアウトプットが重要だということが発表されました。

科学雑誌「サイエンス」に発表された、米パデュー大学のカーピック博士の脳科学に関する研究論文5によると、「私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保持することができる」ことがわかったそうです。これは、インプットよりもアウトプットを繰り返す方が、脳回路への情報の定着を促進するということです。

英語の学習では、「読む・聞く」インプットを繰り返すよりも、「書く・話す」アウトプットを繰り返す方が効率的に記憶できるということです。また、参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できるということにもつながります。

初心者にはインプットを多くし、学習が進むにつれアウトプットを増やしていく。そして、少しずつでも毎日両方やることが重要です。

現状の日本人学習者はインプットの量が圧倒的に不足していると白井教授は指摘しています。英語のメッセージを理解する(いちいち日本語に訳さずに)、すなわちインプットによって、英語の音声、単語、文法の自然な習得が進みます。

一方でアウトプットについては、あまり基礎力がないうちからアウトプットを強制すると、「変な」英語が身についてしまうおそれがあるといいます。自分で苦労して生み出した「変な」英語が脳に定着しやすくなるためです。この現象は「化石化」と言われています。十分なインプットなしにアウトプットばかりに重点を置くことは効果的・効率的な英語習得方法とはいえません。特に学習初期の段階では、すでに学んだ表現だけでアウトプットできるようにするなど、インプットとアウトプットに費やす学習時間の配分を工夫する必要があります。

アウトプットをするには文法処理をせざるを得なくなるので、アウトプットは文法理解の促進にも非常に有効だといわれています。しかしながら、どの段階でどのように行うかについての十分な注意が必要になります。

② 単語・文法・発音の基礎からの習得と定型表現の習得

単語・文法・発音の知識を基礎から意識的に学習し、その知識を無意識的に使えるようにしていくことをメインとして、決まりきった言い回し (定型表現) の暗記で補足していくこと。

一般的な英会話学校や、市販の英語教材、テレビやラジオの英語講座や、ネットのオンライン講座では、例えばビジネス英語を学習する一般的な方法は、電話やミーティング、プレゼンテーションなどでよく使われる表現を覚えさせるというものです。これを「トップダウン・アプローチ」と呼ぶことにします。

確かに、このように、想定される状況別によく使われるフレーズ、表現方法を覚えることはとても有効です。即効性も期待できるでしょう。第二言語習得研究の白石教授は、「自然な表現を身につけるために、よく使う表現や、例文、ダイアローグなどを暗記することも効果的」と指摘しています 。実際に英語の日常会話は、2分の1から3分の1を何らかの定型表現が占めるといわれているからです。

また、トゥルク大学(フィンランド)のマイク・ネルソン言語センター長は、「ビジネス英語のように特定の集団内で使われる言葉には、日常会話以上に定型表現が多い」と指摘しています6。したがって定型表現を暗記することは効率的な学習と言えるでしょう。但し、丸暗記ではなく、単語や文法構造を完璧に理解してから覚えることが重要です。

しかしながら、この方法だけで自分の意見とその根拠を自由に表現できるようになれるでしょうか。ビジネスや日常で想定される状況は無限にあります。その状況で想定される自分の意見とその根拠を表現するためのフレーズを全て覚えるには一生あっても時間が足りません。白石教授も、あくまで「補足として」と表現しています。

自分の意見とその根拠を自由に表現できるようになるためには、単語と文法の組み合わせで無限の文を作れるようになることが理想です。

そのためには、単語や文法、発音などを基礎から習得していくこと、そして「読む・聞く・書く・話す」ことが流暢にできるように練習することが必要不可欠です。これを「ボトムアップ・アプローチ」と呼ぶことにします。

多くの英会話学校や英会話の教材は、このような、言語を習得するための基礎的なプロセスを無視して、よく使われる表現を丸暗記させることだけに注力させ、それは簡単にできると吹聴しているものが少なくありません。

第二言語習得研究を持ち出すまでもなく、「ボトムアップ・アプローチ」は、自分の意見とその根拠を自由に表現できるようになるために必要不可欠なプロセスです。英語を習得する最も効率的な方法は、単語や文法などを基礎から学習し、流暢さを向上させていくことをメインとし、あくまで補足として、ビジネスや日常の様々な状況でよく使われる定型表現の習得を進めるという両方からアプローチすることです。

基礎から学習することは、脳科学的にも理にかなった英語の学習法です。

脳科学研究からは、段階を分けて覚えれば学習効率がよくなるといわれています。東京大学大学院薬学系研究科の准教授である池谷裕二氏は、「学習の手順をきちんと踏めば、より早く覚えられるという脳の性質も重要。学習手順には慎重に気を配った方が賢明。」と指摘しています。「いきなり高度なことに手を出すよりも、基礎を身につけてから少しずつ難易度を上げていった方が、結果的には早く習得できる。」といいます。基礎的な単語や文法項目の学習をせずに、難しいこと、単語も文法構造も理解せずに例文を丸暗記していく方法がいかに非効率かということが理解できると思います。

③「理解 → 記憶 → 自動化」のプロセスを重視

「理解」し「記憶」したことを「自動化」するプロセスは、第二言語習得研究と脳科学研究から導き出された、大人が英語を習得するための最も効率的なプロセスです。

臨界期7を迎える前の子どもは、無意識的に言語を習得します。一方で大人は、理解して、その理屈を覚え、その学習した知識を何度も繰り返すことによって注意を払わなくても無意識的にできるように「自動化」する必要があります。このプロセスが大人の言語の習得には欠かせないというのが第二言語習得研究の一つの有力な立場です。

日本人は、受験勉強のおかげで、単語と文法の知識はありますが、話せない人が多くいます。それは、知識が「自動化」されていないからです。「自動化」は日本人にとって最も重要な課題なのです。

この「理解 → 記憶 → 自動化」のプロセスは、脳科学研究の立場からも効率的であることがわかっています。その理由説明するために、まずはそもそも大人になってからでも英語の習得が可能なのかということから、脳科学の立場で見てみようと思います。

人間の脳の記憶の容量は歳とともに大きくなるので、年齢に関係なく英語は習得できます。

よく大人になると記憶力が落ちるといわれますが、それは本当でしょうか?確かに、一般的に脳の神経細胞(ニューロン)の総数は歳をとるにつれて減少することがわかっています。1日に数万個単位のスピードで神経細胞は死んでいくそうです。一方で、脳の数百億個のニューロンをつなぐ役割をになう神経回路(シナプス)は歳をとるにつれて増加することがわかっています。

つまり、シナプスは年齢を重ねるにしたがって増加し、記憶の容量が大きくなる。記憶力は年齢とともに低下するどころか、向上するという事です!ではなぜ、歳をとると記憶力が落ちたと感じるのでしょうか?主な原因は2つあります。

大人になると記憶力が落ちたと錯覚するのは、好奇心や探究心が薄れてしまうことが主な原因の1つです。

こちらは余談ですが、スウェーデンの神経生理学者のブリスとレモは、θ波は、シナプスの活動を活性化することを発見しました8。これは脳内にθ波を発生させれば記憶力が向上するということです。θ波を発生させられるもっとも効果的な方法は、覚えたいものに興味を持つ事。何にでも興味を持つ「好奇心」と「探究心」こそが、記憶にとって非常に重要であると池谷准教授は指摘しています。大人になって記憶力が落ちたと感じる原因の一つは、何事に対しても興味が薄れていくためだといいます。英語を学習する上で、英語自体に「好奇心」と「探究心」を持つことができれば一番効果的だと思います。

例えば単語を覚える際、語源を理解しながら覚えることは非常に面白く、探究心をかき立てられる方も多いのでお勧めの方法です。英語自体に好奇心を持つことはなかなか難しいという方は、興味がある題材を通して英語を学習することを考えましょう。

大人になると脳の性質が変化し、得意とする記憶の種類が変化することが、記憶力が落ちたと錯覚するもう一つの原因です。

こちらが本題です。言語を覚える能力は6歳ぐらいまでの幼少期に特に高く、その「臨界期」以降は学習のスピードが格段に遅くなります。「幼少期は、意味の無い文字や絵や音(絶対音感など)に対して絶大な記憶力を発揮するのに対し、歳とともに論理だった記憶能力がよく発達する。つまり、物事をよく理解して、その理屈を覚える能力が高くなる。そしてそのように記憶したことは忘れにくくなる。」と池谷準教授はいいます。

つまり、大人になってから第二言語を習得するには、幼少期に言語を習得する課程・プロセスをまねて学習しても効果はあがらないということです。大人は、物事をよく理解して、その理屈や理論を覚えることが重要なのです。そのように覚えたことは応用範囲が広くなるので幼少期の記憶よりも有用性が高いといわれます。決まりきった言い回し(定型表現)を覚えることも効率的であると説明しましたが、その際にも、ただ単に丸暗記するのではなく、単語や文法構造を完璧に理解して上で覚えた方が頭に定着しやすくなります。

子どもは丸暗記を得意とする「意味記憶」の能力が発達していますが、大人になるとその能力は衰退します。しかしその代わりに、よく理解して理屈を覚えることが得意な「エピソード記憶」が完成します。

脳科学研究の用語を使用して説明します。人間の記憶は大きく分けて長期記憶と短期記憶に分かれており、言語習得に深く関係する長期記憶は更に4つに分かれているそうです。その4つの記憶のうち、掛け算の九九などの頭に詰め込む(丸暗記の)記憶である「意味記憶」と、理論や理屈による記憶である「エピソード記憶」があります。

子どもの頃は、意味の無い文字や音などに対して絶大な記憶力(意味記憶)を発揮し、それ以降は論理だった記憶力(エピソード記憶)が発達してきます。歳をとると、丸暗記する「意味記憶」能力が低下する事によって記憶力が落ちたと感じるのですが、一方で理解して覚えるという「エピソード記憶」が発達するので、記憶力が落ちたのではなく、記憶の種類が変わっただけだということです。

意味記憶もしくはエピソード記憶として脳に保管された情報を無意識的に使えるようにするには、それらの記憶を「手続き記憶化」する必要があります。

人間の4つの長期記憶のうち、意味記憶とエピソード記憶の他に「手続き記憶」という記憶があります。この記憶は、普段なにげなく行っていることをするための記憶です。例えば、自転車の乗り方や泳ぎ方の記憶、母国語で会話するための記憶などです。

英語の学習においても、単語や文法など、エピソード記憶(もしくは意味記憶)として脳に保管された情報(知識)を、無意識的に使えるようにするには、それらの記憶を手続き記憶化する必要があるのです。エピソード記憶(もしくは意味記憶)を手続き記憶化するには、脳は繰り返しを要求します。

この、エピソード記憶(もしくは意味記憶)を手続き記憶化することが、第二言語習得研究でいう「自動化」です。第二言語習得研究の一つの有力な立場、つまり「理解」し「記憶」したことを「自動化」するプロセスの重要性は、脳科学研究からも裏づけられるのです。

 

1「第二言語習得研究」とは、第二言語(≒外国語)を習得するメカニズムやプロセスの研究、もしくはその研究分野のことです。
2「脳科学」という表現が一般的に使用されていますが、正式には「神経科学」です。ここでは、以降「脳科学」といいます。
3 白井恭弘(2008)「外国語学習の科学〜第二言語習得論とは何か」
4 南カリフォルニア大学のスティーブン・クラシェンは、「言語習得は、母語も外国語も言語内容を理解することによってのみおこる」という、言語学の世界では有名な「インプット仮説」を提唱している。
5「サイエンス」(2008215日号)
6 ニューズウィーク日本版編集部(2011)「英語超入門 仕事で本当に使える英語を身につける!」
7 母語および第二言語(外国語)の習得において、臨界期とよばれる年齢を過ぎると言語の習得が不可能になるという仮説に基づく。
8 池谷裕二(2009)「記憶力を強くする〜最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」

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