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公開日:
2019.06.18
更新日:
2019.06.29

英語の単語数は2000語で80%|数より質で効率的に語彙力を鍛えよう!

「英単語が覚えられない…。一体いくつ覚えなければならないのだろう?」と呆然となっていないだろうか?このコラムは、覚えるべき英単語数についての漠然とした不安を解消したい人に読んで頂きたい。必要な英単語数はそれほど多くないことがわかるだろう。

最初にお伝えしておこう。語彙力は、「どれだけ覚えるか?」という「数」ではなく、「どれを覚えるか?」という「質」の方が重要だ。質を重視すれば、覚える英語の単語数を最小限に抑えられる。覚える英単語を取捨選択し、これから頻繁に出会う最重要英単語から覚えていくことが最も効率的な単語学習法だ。

1. 英語の単語数|理解するには最低80%知っている必要がある

英単語

獨協大学の教育工学准教授の堀江氏は、英語を適切に理解するには最低でも80%以上の単語数を知っている必要があると指摘している。知っている単語数が98%以上の場合は、リーディングを楽しむことができるという。

英語を最低限理解するための80%をカバーするためには、どれくらいの単語数が必要なのだろうか。

2. 英語の単語数|TOEICは最重要語2000語で89.5%をカバー

JACET8000英単語数カバー率

*英字新聞はニューヨーク・タイムズ紙、英語小説はD.H.ロレンス他
*「JACET8000英単語」(桐原書店)のデータを基にThe English Clubが作成

上のグラフは、大学英語教育学会の語彙表(JACET8000)に掲載されている英語の単語数8,000語のカバー率だ。TOEIC、英字新聞、そして英語小説に分けてカバー率を出している。8,000語は、使用頻度順に1,000語づつの8つのレベルに分けられ、それぞれのレベルのカバー率も知ることができる。

JACET8000では、TOEIC、英字新聞、そして英語小説の3つとも、英単語数2,000語で84%以上をカバーしている。この2,000語は、あなたがこれから最も頻繁に出会う「最重要語」だ。以下、TOEICに注目してみたいと思う。

JACET8000は、「ブリティッシュ・ナショナル・コーパス」(British National Corpus/BNC)というイギリス英語1億語のデータベースに、アメリカ英語や日本の各種英語試験などからの580万語を加えた膨大な言語データから、使用頻度等を基に選定した8,000語(レマ単位)を掲載している。レマ単位とは、文法ルールに則って変化する語(活用語)はまとめて一つの単語として数えるが、派生語は別の単語として数える方法。

2.1. TOEICは7000語で楽しめる?!

楽しみ

JACET8000の最重要語2,000語はTOEIC全体の89.5%をカバーしている。4,000語では95.5%だ。7,000語では98.0%なので、堀江氏によると、7,000語を覚えれば、TOEICを楽しむことができる。

一方で、明治学院大学と青山学院大学の教授が中心となって選定した英単語4,000語(レマ単位)で、TOEICの99%をカバーできるという発表もある。4,000語という限られた単語数で満点の990点を取ることも不可能ではないということだ。興味のある方は NGSL のサイトで確認して頂きたい。4,000語の語彙リストをダウンロードできる。全て英語のサイトだ。

2.2. TOEICは3000語で730点

英語教材の出版社であるピアソン(Pearson)によると、英語の単語数とTOEIC、TOEFL iBT、英検の関係は下記の通りだ。

ピアソンの英単語数対応表

*見出し語数は、グレード別リーディングテキストの「ピアソン・イングリッシュ・リーダーズ」による
*ピアソンのデータを基にThe English Clubが作成

ピアソンによると、英単語数2,300語(レマ単位)でTOEIC600点(英検2級から準1級)レベル。3,000語で730点(英検準1級)レベルとのこと。一般的に言われているTOEICに必要とされる単語数より少ないと感じるかもしれない。

しかし、JACET8000 によると、TOEICは3,000語で92.3%をカバーできる。TOEICのセクション7などはかなり難易度が高い単語が含まれるが、全ての単語を知らなくても正解できることを考えると、このピアソンが公表している英語の単語数は妥当な数字だと思われる。

ちなみに、筆者はかなり前(2003年)にTOEICで満点の990点を取ったことがある。この記事を書く際に調べてみたのだが、JACET8000のレベル7(6,000~7,000語)の1,000語のうち、知らない英単語の数が273個あった。990点取った後も継続的に英語に触れていたので、決して単語力が落ちたということではない。TOEICで満点取るのにJACET8000のレベル7および8の単語全てを覚える必要はないということだ。

3. 英語の単語数|米・英大学では最重要語2000語で80%をカバー

英米大学2000語カバー率

*英ビクトリア大学I.S.P. Nation (2001)「Learning Vocabulary in Another Language」 及び神戸大学・大学院准教授石川慎一郎(2012)「ベーシックコーパス言語学」書き言葉の数値 のデータ基にThe English Club が作成。

上のグラフは、米・英・日の言語学者3名が調べた、英単語2,000語がカバーする割合だ。3つの研究全てにおいて、2,000語で80%前後をカバーしている。なお、2,000語というのは、英単語全ての使用回数を調べ、その回数が多い順(使用頻度順)に並べた最初の最重要語2,000語だ。

3.1. 米ブラウン大学と英ビクトリア大学で使用される英語の単語数

大学

米ブラウン大学では最重要語2,000語で82.5%をカバーしている。同大学は、アイビー・リーグの一校という優秀な学生が集う大学である。その大学の膨大な英語のデータベース(コーパス)を調べた結果だ。優秀な大学でも、難しい単語を多く使用しているということでなない。

英ビクトリア大学の場合は、総単語数295,294語の英語の経済学のテキストを調べた結果だが、最重要語2,000語で79.7%を占めていた。経済学の専門用語を含めた2,213語では全体の91%以上を占めていたのだ。最重要語2,000語と専門用語が理解できれば、大学の経済学のテキストのような難解そうな本でも、その内容の大部分は理解できることになる。

3.2. イギリス英語の単語数

イギリス

イギリス英語全体では、最重要語2,000語で86%をカバーできる。これは「インターナショナル・コーパス・オブ・イングリッシュ」(International Corpus of English)というイギリス英語の膨大なデータベースを調べた結果だ。アメリカ英語に比べて難しい印象のあるイギリス英語ですら、最重要語2,000語をいう限られた単語数でも適切に理解できるといっていい。

*英ビクトリア大学の単語数はワードファミリー、その他の2つはレマ単位で数えられている。ワードファミリーとは、活用語と派生語も一つの単語として数える。活用語のみ1つの単語とするレマ単位で数えた方が、ワード・ファミリーで数えるより単語数が多くなる。

4. 英語の単語数|日本の中学・高校では最低3100語を学んでいる

学校

日本の学習指導要領では、中学で1,100語、高校で2,000語のトータルで3,100語の英単語を6年間で学習することになっている。それだけで、英語を適切に理解するために必要な単語数の80%はゆうに超えることになるのだ。

学習指導要領は最低限の数字だ。実際に使われている中学・高校の英語の教科書を調べると3,100語以上が掲載されている。大学受験を経験した方であれば、5,000~6,000語もの単語を学習しているという統計もある。英単語の数だけをみた場合、我々日本人は十分に学習してきたといってもいいだろう。

ただし、正しい単語を学習したと仮定した場合だ。筆者は、大学受験の時に必死に覚えた単語のうち、今ではすっかり忘れてしまった英単語が非常に多い。25年以上英語を使って仕事をしてきたが、その間めったに出会わない単語は忘れてしまうのだ。しかし、そもそもめったに出会わない単語を覚える必要があるのだろうか?せっかく一生懸命覚えても、めったに出会わなかったり使わないのであれば全くの無駄になる。

5. 英語の単語数|語彙力は「数」ではなく「質」だ!

英語の単語を覚える際に「数」ばかり気にしていると、筆者のように無駄が多くなる。自分の周りで頻繁に使われる単語かどうか、自分にとって必要な単語かどうかの「質」を見極めて覚えていこう。そうすれば、結果的に覚える英語の単語数を最小限にできる。

5.1. TOEICは2001語目から8000語目の6000語でたったの9%

JACET8000のTOEIC英単語数カバー率

*「JACET8000英単語」(桐原書店)のデータを基にThe English Clubが作成

JACET8000のTOEIC英単語のカバー率をもう一度見てみると、最重要語の2,000語で89.5%をカバーしているのに対し、2,001語目から8,000語の6,000語では、たった9%(98.5% − 89.5%)しかカバーしていないのだ。覚える単語の選択が非常に重要だということが理解できるだろう。

5.2. 現状の英単語力はJACET8000英単語でチェックしよう

JACET8000英単語

英単語を学習する際、自分の周りで頻繁に使われる単語かどうか、自分にとって必要な単語かどうかの「質」を見極めるには「JACET8000英単語」(桐原書店)が役に立つ。使用頻度順に1,000語づつの8つのレベルに分けられているので、自分の単語力をチェックする際にも役立つ。残念ながら音源が付いていないので単語を覚えるための単語集としては使えない。

ただし、JACET8000英単語をあまり鵜呑みにしないほうがいいかもしれない。覚えるべき単語かどうかは、あくまでご自分で判断していただきたい。

例えば、レベル7は6,000語目から7,000語目の1,000語が含まれており、「英語専攻の大学生や仕事で英語を使いビジネスマンの到達目標」とある。しかし、その中には「granite(花崗岩)」や「mahogany(暗赤褐色)」のような単語も含まれている。このような単語を覚える必要がある人がどの程度いるのかは疑問だ。

5.3. 英単語の教材を選ぶ際は掲載基準に注意!

単語集

英単語の教材を選ぶ際は、数だけではなく、掲載してある単語の選択基準に気を配ってほしい。ある単語集は、「筆者の何十年にもおよぶ確かな経験から選択した単語を掲載しているので安心してほしい。」などと記載しているものもある。ビッグデータの時代にこれでは安心できない。このような単語集には要注意だ。

例えば、「DUO 3.0」(株式会社アイシーピー)には、単語の選定について、「Longman(約2,000語)、Oxford(約3,000語)の基本語から、中学基本語や文法用語を除いた語彙とほぼ一致しています。」との文言が記載されている。このような単語集は信用に値するのではないだろうか。

6. 英語の単語数|最重要語2000語を深く学ぼう!

英語は、一定数以上の英単語を覚えたら、その後は重要語を深く学ぶ方が効率がよいと主張する言語学者も少なくない。語彙力と読解力の関係を調べた実験では、知っている英単語の「数」以上に、語についての知識の「深さ」が読解力/理解力と強い相関関係にあったそうだ。

6.1. 最重要語の色んな訳語と色んな熟語を意識しよう

興味

最重要語はこれから何度も出会うことになる。しかし、毎回同じ意味や使われ方では出てこない。英語の最重要語は、数は多くないが色々な意味を表現する場合が多いので、それらを「深く」理解する必要があるのだ。

例えば「take」は「~を持っていく」と覚えている人は多いと思うが、文脈によっては「~を使う」「~を受ける」「~を要する」のような意味にもなる。「~を持っていく」という意味だけ覚えても全く役に立たないのだ。また、「take off」「take in」「take over」「take to」など、副詞や前置詞が付くと様々な意味に派生するのが最重要語の特徴だ。最重要語は「深さ」を意識して学習しよう。

6.2. 最重要語は意味や訳語ではなくニュアンスを獲得しろ!

気づき

1つの英単語で複数の意味や訳語がある場合は、すべてに共通する中核的なニュアンスを意識すべきだと指摘するのは、語彙習得の第一人者であるビクトリア大学(ニュージーランド)のポール・ネーション教授だ。

例えば、「base」には「土台」「根拠」「中心地」「基地」「野球の塁」などの訳語があるが、「基軸となる場所」という共通するニュアンスを持つことができれば、それらの訳語を全部覚える必要はなくなる。ニュアンスを理解していれば、文脈から訳語を想像できるようになるからだ。それこそがネイティブ・スピーカーの持つ、その単語に対する感覚なのだ。

英単語の効率的な学習方法については、「英単語の覚え方|みんな実践中!7つの基本トレーニングと19のコツ」で詳しく紹介しているので参考にして欲しい。

7. 英語の単語数|「使える英単語」と「理解できる英単語」

気づき

単語は覚えたが、話そうとした時にその単語が出てこないという経験は誰にでもあるだろう。それは、その単語が、あなたにとって「理解できる英単語」(認識語彙/Passive Vocabulary)なのだが、「使える英単語」(運用語彙/Active Vocabulary)になっていないということだ。これらの「認識語彙」と「運用語彙」を意識することで単語学習を効率化することが可能だ。

「使える英単語」(運用語彙)の数は「理解できる英単語」(認識語彙)の数より少なくていい。例えば、日本人として読めるけど書けない漢字は誰にでもある。つまり、認識語彙ではあるが、運用語彙ではないということだ。これは人間が言語活動をする上でいたって当然のことなのだ。日本語でも当然なのだから英語でも当然のことなのだ。

我々の目標は、自分の言いたいことを自由に表現できるようになることだ。そのために必要な単語のみを使えるようにすればよい。自分自身を自由に表現するために必要な英語の単語数は、最低2,000~3,000語が必要だとする言語学者が多い。まずは最重要語2,000語を認識語彙から運用語彙にしていきつつ、自分に必要な認識語彙を徐々に増やしていけばよい。認識語彙のままで十分な単語を、運用語彙にしようという無駄な努力は避けたい。

8. 英語の単語数|まとめ

祝福
  • 英語を適切に理解するには最低80%の単語を知っている必要がある。その80%をカバーする単語数は2,000語だ。最重要語2,000語でTOEICに出てくる単語の5%をカバーすることができる。
  • 我々は中学・高校の6年間で少なくても3,100語の英単語を学習している。単語数としては英語を適切に理解するには十分な数だ。しかし、正しい単語が含まれているかどうかが問題。あまり出会わない単語を覚えても時間の無駄だ。
  • 効率的に単語力を伸ばすには覚える英単語の選択に気を配った方がいい。単に「数」ではなく、自分にとって本当に必要な単語かどうかの「質」を見極めることが重要だ。
  • 英単語は最重要語を深く学ぶ方が効率的だ。最重要語の色々な訳語・意味、熟語に注目して「深く」学習した方が、単語の「数」を追うより理解力は向上する。
  • 使える英語の単語数は、理解できる単語数より少なくていい。最重要語2,000語で自分の言いたいことは自由に表現できる。最重要語2,000語は使える単語にする必要があるが、その他は理解できる単語でいい。そう割り切ることで単語学習を効率化しよう。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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