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公開日:
2019.06.02
更新日:
2019.06.16

英文法勉強法|科学的トレーニング法8選と8つの基本的な注意点

英文法が嫌いな日本人は非常に多い。学生時代の英文法の勉強で嫌いになったに違いない。でも安心してほしい。コミュニケーション・ツールとしての英文法の勉強法は、学生時代のそれとは異なる。

このコラムでは、科学的にも証明された効率的な勉強法とトレーニング法、そして英文法を勉強する上で必ず注意すべき8つの点をご紹介する。

一方で、英語の文法を克服するにはある程度の時間が必要だ。一つの長期的なプロジェクトだと言える。そのプロジェクトを完遂するために役に立つ、英文法学習計画の立て方もご紹介しよう。

1. 英文法は勉強する必要あるの?

文法書

そもそも英文法を勉強する必要はあるのだろうか?そんな疑問を持っている方も少なくないだろう。そのような疑問を持ったままだと、英文法に真剣に取り組む気にもならないだろう。英文法の勉強法をご紹介する前に、まずはその疑問を払拭したい。

1.1. 子どもは文法を勉強しなくても言語は習得できる!?

確かに子どもは文法を勉強しなくても言語を習得できる。しかし、大人は文法を勉強した方が効率的に言語を習得できる。脳科学(神経科学)研究によると、子供と大人の脳の性質が異なることがその理由だ。大人が、子どものまねをして英文法を勉強せずに英語を習得しようすることは、非常に非効率であるというのが第二言語習得研究の立場だ。

子どもの頃は丸暗記の能力が非常に高い。例えば、絶対音感という能力は幼い頃の特殊なトレーニングで身につくそうだ。音程を丸暗記させるのだ。言語も同じで、文法のようなルールは簡単に丸暗記できてしまう。しかしその丸暗記の能力は年々衰えていくのだ。

その一方で、年とともに物事をよく理解してその理屈を覚える能力が高くなる。大人は文法を勉強する必要があり、その能力も高いということだ。

第二言語習得研究(Second Language Acquisition Research)とは、第二言語(≒外国語)を習得するメカニズムやプロセスの研究、もしくはその研究分野のこと。

1.2. 英語を正確に理解したければ語順≒文法

文法とは、簡単にいうと単語の並べ方(語順)のルールだ。英語の語順は日本語のそれとは全く異なる。だから英文法は日本人にとって難しいのだが、難しいからこそ理解する必要があるのだ。

英文法

第二言語習得研究では、英語は日本語に比べて語順が重要な言語だといわれている。英語は語順を理解しないと意味を正確に理解できないのだ。日本人は英文法の勉強が必要な2つ目の理由だ。

2. 英文法勉強法の大前提|「理解」「記憶」「自動化」

理解→記憶→自動化のプロセス

最新の脳科学と第二言語習得研究の知見を総合すると、最も効率的な英文法の勉強法は、理解したことを記憶し、その知識を無意識的に使えるよう「自動化」することだ。これが英文法勉強法の大前提となる。

2.1. 英文法勉強法の当り前:「理解」し「記憶」すること

理解

英文法は、まずはよく理解すること。すでにご紹介したように、大人の脳は深く理解するほど記憶に残る性質を持っているからだ。よほど難しい文法項目以外は、丸暗記で覚えようとはしないほうがいい。

2.2. 英文法勉強法の新常識:日本人は「自動化」が最重要課題

自動化

文法は理解して記憶するだけでは全く使いものにならない。コミュニケーションのツールとして英語を使いたいのであれば、その知識を無意識的に自動的に使えるようにする必要がある。第二言語習得研究では、そのことを「自動化」という。

我々日本人は、受験英語のおかげで英単語と英文法の知識はある。それにもかかわらず英語が使えないのは、この「自動化」ができていないからだ。重要なことなので例をあげて説明しよう。

2.3. 知識を「自動化」するための「自動化トレーニング」の重要性

“I don’t like movies that have unhappy endings.”

この英文を和訳すると下のようになる。日本語に訳すときは、主語の「私は」のあとは、一番後ろの「unhappy endings」から戻り訳している。このように後ろから戻し訳さなければならない理由は、日本語と英語の語順が全く異なるからだ。

「私は、ハッピーエンディングではない映画は好きじゃない。」

しかし、このように、日本語に正確に戻し訳せるようになることと、英語を使えるようになることとは全く違った能力だ。書かれた英文であれば戻り訳すことで理解できるが、聞いた英文は聞いたそばから消えていくので戻り訳せない。つまり理解できないということだ。

例えば、上の例文では「that」は関係代名詞で、「that」以下は先行詞「movies」を後ろから修飾しているという文法の知識があっても、それだけでは使いものにならない。そのことを理解し記憶した上で、無意識的・自動的に、英語の語順通りに理解し、使えるようにする必要があるのだ。それを可能にするのが「自動化トレーニング」だ。

2.4. 「自動化トレーニング」で「英語脳(英語回路)」の構築

トレーニング

英語を語順通りに理解し使えるようにするというのは、英語の語順の回路(英語回路)を作るということだ。「英語脳」ともいう。つまり「自動化トレーニング」とは「英語脳(英語回路)」を作るためのトレーニングなのだ。

3. 英文法勉強法|ぜったいの「自動化トレーニング法」8選

「理解」と「記憶」と「自動化」を促進し、英語脳(英語回路)を作るトレーニング方法をご紹介しよう。

英文法自動化トレーニング法1

英文法の学習におすすめのトレーニングは上の図のように8つある。それぞれ「目」「耳」「口」(「手」)と、使う部分によって分けてある。何かを記憶する際、いろいろな方向から脳を刺激した方が定着しやすくなる。

これらのトレーニングは、それぞれ効果が異なるのでいろいろと試してほしい。そして繰り返しやってほしい。それぞれ単独でも効果はあるが、下の図のように、例文音読理解から作文までの8つのトレーニングを順を追って行うとより効果的だ。やり方と効果を一つずつ説明しよう。

英文法自動化トレーニング法2

3.1. 例文音読理解(Reading aloud)

ステップ-1

最初に、学習する文法項目が含まれた例文を大きな声を出して読んでみよう。必ず意味を意識しながら読んでほしい。

文法の解説は読まずに、まずは例文を音読することだ。例文を読んでその文法項目が理解できない場合は解説を読もう。理解できるのであれば読む必要はない。

声を出して読むことには重要な意味がある。戻り訳さないようにすることだ。音読しながら意味を理解するには、英文を前から前から理解しなければならない。注意しなければならないのは、音読して理解できないからといって後ろから戻り訳して「解読」をしないことだ。一度音読して意味が頭に入ってこない場合は繰り返し音読してみよう。

3.2. スラッシュリーディング(Slash reading)

ステップ-2

後ろから戻り訳す癖から脱却するにはスラッシュリーディングが有効だ。スラッシュリーディングとは、英文を、意味のかたまりごとにスラッシュ(/)を入れながら読んでいくことだ。

“The woman / who I thought was her sister / was actually her mother.”

上の英文は次のような順番で理解してほしい。

「その女性は、私は彼女の姉妹だと思ったが、実は彼女の母親だった。」

決して、次のような順番で戻り訳して理解することはやめてほしい。

「私が、彼女の姉妹だと思った女性は、実は彼女の母親だった。」

このスラッシュリーディングを繰り返すことにより英文を前から前から理解できるようになる。つまり英語の語順の回路(英語脳)を作っていくことができるのだ。

3.3. リピーティング(開本)(Repeating)

ステップ-3

例文を目で追いながら(開本)、例文の音声を聴き、そのあとで音読してみよう。必ず意味を意識しながら行ってほしい。

例文の音声を聴き、すぐにリピートすることにより、英語を英語のまま理解できるようになっていく。日本語に訳して理解する暇がないからだ。意味を意識しながらリピートできるようになるまで繰り返し練習してほしい。

3.4. ルックアップ&セイ(Look-up & say)

ステップ-4

英文を目で追いながら、例文の音声を聴き、その後英文から目を離し(ルックアップ)暗唱(セイ)してみよう。音声を聴かずに、例文を黙読後に暗唱してもいい。意味を意識することを忘れないでほしい。

リピーティング(開本)までは英文を見で追いながら読んでいたが、いよいよ英文から目を離すことになる。目を離すことでその文法項目の理解が深まる。頭の中で文章を作る能力を向上させることでスピーキング力の向上にもつながるのだ。

3.5. リピーティング(閉本)(Repeating)

ステップ-5

再度リピートしてみよう。今度は英文を見ない(閉本)。例文の音声を聴き、そのあとで暗唱してみよう。ルックアップ&セイの効果を更に向上させるトレーニングだ。しつこいが、必ず意味を意識しながら行うこと。

意味を意識しながらスムーズにリピートできるようになったら発音も意識してみよう。音声をそっくりまねてリピートすることだ。意味を意識しながら、発音も同時に意識して暗唱することはできないだろう。どちらかに意識を集中して繰り返し練習しよう。

3.6. 書き写し(Transcribing)

ステップ-6

例文を黙読し、書き写してみよう。1センテンス全てを一気に書き写すようにしてほしい。途中で何度もチラチラ例文を見ないようにしよう。

今後は手を使うトレーニングだ。リピーティング(閉本)までは、「目」「耳」「口」を使ってトレーニングしてきたが、「手」も使うことにより脳をあらゆる方向から刺激することになる。記憶をより定着しやすくなるのだ。

リピーティングの場合は、意味を意識しなくても音だけまねてリピートすることも可能だが、1文全てを一気に書き写す場合は意味を意識しないとできない。リピーティングを補完するトレーニングだ。

3.7. 暗唱(Reciting)

ステップ-7

さあ、仕上げのトレーニングだ。英文を見ずに、音声も聴かずに、例文を大きな声を出して暗唱してみよう。いうまでもないが、意味を意識しながら、そして発音を意識しながら、何度も繰り返しやってみよう。

理解できる英文法から使える英文法にするためにも、例文に含まれている文法項目を自分で使うことを強く意識しながらこのトレーニングを行なってほしい。

3.8. 作文(Composing)

ステップ-8

最後にアウトプット・トレーニングだ。今までトレーニングしてきた文法項目を使って自分で自由に作文してみよう。例文の単語を変えてみることから始めてもいい。最初は書きながら作文し、できたら暗唱を繰り返そう。慣れてきたら書かずに頭の中で作文してみるといい。

8つのトレーニング法をご紹介した。これらは英文法を理解し記憶することに加え、文章を前から理解する能力、英語を英語のまま理解する能力、そして頭の中で文章を作る能力を向上することができる。つまり自動化できるということだ。そして音声を使うことで、発音矯正およびリスニング力向上にも効果がある。是非この英文法勉強法をあなたの学習に取り入れてほしい。

4. 英文法勉強法|必ず結果を出すための8つの注意点

第二言語習得研究と脳科学研究の知見から、英文法を効率的に学習するために注意しておきたい8つのことをご紹介しよう。

4.1. まずは基本英文法を一通り理解すること!

注意点-1

英文法の勉強は、始めは細かいことや応用的なことは気にせず、基本文法 (中学レベル) をおおまかに理解することに注力しよう。すでに理解しているところ、理解したところは徐々に記憶していくと同時に、使えるようにしていく。その後、少しずつ難易度の高いところへと知識を広げていこう。

脳科学研究では、人間の脳は、学習の手順をきちんと踏めば、より早く覚えられるという性質を持つといわれている。いきなり高度なことに手を出さずに、基礎を身につけてから少しずつ難易度を上げていくこと、はじめは細部を気にせず大局を理解し、細かいことはその後少しずつ覚えていくことが結果的には早く習得することにつながるのだ。

4.2. 難解な英文法は無視しよう!

注意点-2

文法書の説明を読んでも理解できないような難しい文法については無視してかまわない。それらは例文を記憶することでカバーした方がよいと指摘するのは、第二言語習得研究の第一人者である白井恭弘氏だ。

英文法は本来、その英語の習得を手助けするためのものだ。しかし、その目的から逸脱した難解であまり役に立たない文法があることも事実だ。それらを時間と労力をかけて理解しようとすることは、忙しい皆さまにとって時間の無駄になる可能性が高い。

4.3. 文章を前から理解すること!

注意点-3

ナチュラルスピードの英語を聞いて理解したり、流暢に話せるようになるためには、英語を英語の語順のまま、前から理解できるようにする必要がある。

英語の語順は日本語のそれとは全く異なる。今までの中学・高校での英語の学習は、自然な日本語に訳して理解するために、英文を後ろから戻り訳すようなことをやってきた。つまり、英語の語順を日本語の語順に置き換えて理解してきたのだ。それは、日本語の語順の脳回路で英語を理解しようとしているということ。これでは英語を使えるようになるはずがない。

英語を流暢に使えるようになるためには、英語の語順の脳回路(英語回路)を作る必要がある。最新の第二言語習得研究でも指摘されていることだ。

実は、英語脳は科学的な研究でその存在が証明されている。大人になってから英語を勉強してバイリンガルになった日本人の脳波を調べた結果、日本語を話すときと英語を話すときとでは脳の活性化する場所は違ったそうだ。

なお、英語脳についての詳細は「英語脳の作り方|8つの自動化トレーニングで英語回路を構築しよう!」を参考にしてほしい。

4.4. 例文を聞いて理解すること!

注意点-4

学習する文法項目が含まれた例文を聞くことは、英語を英語の語順のまま理解するための英語回路の基礎を作り、記憶を促進させる。効率的な英文法の勉強法には欠かせないことだ。

意味を意識しながら例文を聞くことは、戻り訳しができないので文章を前から理解することにつながる。英語回路の基礎を作り上げてくれるのだ。英語の発音も同時に覚えられることはいうまでもない。

人間は進化の過程で目よりも耳をよく活用してきたので、耳の記憶は目の記憶よりも強く心に残ると脳科学研究ではいわれている。読むよりも聞く方が記憶しやすいということだ。

4.5. 例文の音読・リピーティング・ルックアップ&セイ・書き写し・暗唱を繰り返すこと!

注意点-5

音読・リピーティング・ルックアップ&セイ・書き写し・暗唱の5つは、英文法の理解・記憶・自動化に最も適した代表的なトレーニング方法だ。やり方はすでに説明した。ここではそれらのトレーニングの効果を確認しておこう。

  • 意味を意識しながら音読とリピーティングを繰り返すことにより、文章を前から理解する能力、そして英語を英語のまま理解する能力が向上する。
  • ルックアップ&セイと暗唱を繰り返すこと、および1文を覚えて書き写すことは、文章を前から理解する能力に加えて頭の中で文章を作る能力の向上にもつながる。
  • 音源をまねながら音読・リピーティング・ルックアップ&セイすることは、発音矯正、およびリスニング力向上に効果がある。

4.6. 使える英文法と理解できる英文法を区別すること!

注意点-6

理解できる英文法を全て使えるようにする必要はない。使える英文法の範囲は理解できる英文法の範囲よりも狭くていいのだ。

使える英文法と理解できる英文法

ビジネスパーソンの方であれば「自分のいいたいことを自由に表現できる英語力」を目指す必要がある。それには幅広い文法知識が必要だと思うかもしれないが、実はそれほど広くない。第二言語習得研究の第一人者である白井恭弘氏は、中学から高校1年程度の基本の英文法をアウトプット(話すこと・書くこと)できる(要するに「使える」)程度までマスターしておくとよいと指摘している。

一方で、ネイティブ・スピーカーは高校1年までの英文法で話しかけてきてはくれない。理解できる英文法は、高校1年程度よりも高度なレベルが必要だ。しかしそれらは理解さえできればよい。使えるようにする必要はないのだ。英文法を勉強する際は、理解できる英文法と使える英文法を区別すれば効率化できる。

4.7. 自分で使ってみること!

注意点-7

英文法は、文法書を読む「インプット」するだけの勉強法では非効率だ。「アウトプット」(話す・書く)も取り入れて脳への定着を促そう。それは使える英文法にすることにもつながる。

人間の脳は、情報を何度も入れ込む(インプット/読む・聞く)よりも、その情報を何度も使ってみる、想起する(アウトプット/話す・書く)方が長期間安定して記憶することができる。米パデュー大学のカーピック博士が雑誌「サイエンス」に発表した研究結果だ。

覚えようとしている文法項目を使って文を繰り返しつくること、その文を口に出したり、書いたりすること、文法問題集を繰り返し解くことだ。

4.8. やさしい英文を多く読み聞くこと!

注意点-8

やさしい英文を多く読んだり(多読)、聞いたり(多聴)することは、文法項目を無意識的に理解する「自動化」と、文章を前から理解する「自動化」を促進する。加えて、英語の音を無意識的に聞き分ける「自動化」も促進するのだ。

関西大学の言語学教授の門田氏は、知らない単語・文法が本全体の2〜3%程度含まれた本を多読することは、文脈をもとにした類推により、新たな単語や文法に関する知識を習得する効果が期待できると指摘している。

また、岐阜聖徳学園大学教育学部の大石教授は、左脳の言語野の血流量を測定する実験の結果、実力より少しだけ難易度の高い教材を読んだとき、脳の血流状態を新たな知識を最も効率的に取り込める状態(選択的活性状態)にできると指摘している。同じテーマや文体のものばかりを集中的に読む「ナロー・リーディング」も、脳内を選択的活性状態にする効果があったという。

5. 英文法勉強法|続けるために必要な学習計画の立て方

英文法を克服するには、きちんとした学習計画を立てることをおすすめする。

英文法はどうしても時間がかかる。ただなんとなく始めると途中で続かなる可能性が高くなる。そして、いつの間にか目的とは別の方向に向かう可能性もある。英文法の勉強は一つの長期的なプロジェクトだと考えて計画的に進めよう。

英文法勉強計画作成フロー

上の図のように、学習計画を立てるには、現状のレベル確認から勉強スケジュールの決定まで5つのステップがある。

5.1. 現状の英文法レベルの確認

ステップ-1

まずは、自分の現状の英文法の知識がどの程度なのかを確認しよう。下記のどのレベルに属するか自分で検証してみるといい。この時点では、おおよその自分の感覚でよい。教材を検討する際に再度考えることになるからだ。

  1. 中学レベルの文法もあやしい
  2. 中学レベルは大丈夫だが、高校レベルがあやしい
  3. 高校1年程度は大丈夫だが、それ以上があやしい
  4. 中学・高校レベルは大丈夫

5.2. 目標の英文法レベルの設定

ステップ-2

目標とする英文法のレベルを設定しよう。例えばTOEICで900点程度を取れるレベル、仕事で自由に話せるレベル、英検1級のレベル、海外旅行で会話を楽しめるレベルなどだ。目標によって必要とされる教材やその組み合わせが変わってくる。

5.3. 使用する英文法教材の検討

ステップ-3

自分の大体の文法レベルと目標が決まったら教材を決めよう。The English Clubがおすすめする教材のいくつかをご紹介する。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。[学研]¥2,300+税
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく

中学レベルからもう一度おさらいした方向け。音声も付属。海外旅行で会話を楽しみたいレベルを目指すのであれば、本書で十分だ。ただし、全て、理解できるだけではなく、使えるようにする必要がある。

総合英語エバーグリーン Evergreen[いいずな書店]¥1,520+税
総合英語エバーグリーン Evergreen

定番文法書だった「総合英語フォレスト」の内容をほぼそのままに、出版社を変更して発売されたもの。中学レベルを卒業した方におすすめ。文法項目の説明を充実させ、理解して覚える形。音声も付属。

English Grammar in Use Fifth Edition[Cambridge University Press]¥4,000程度
English Grammar in Use

話すための文法書。このシリーズはレベルと言語で7種類あるため、どのレベルの方でも最適なものが選べる。仕事で英語が必要な全ての方におすすめだ。音声はeBookで聴けるが、残念ながらあまり使えない。

1冊だけでは目標に到達しない方もいるだろう。その場合は適切な組み合わせを考えることも重要だ。例えば、中学レベルからおさらいする方で、仕事で使える英語を目指す場合は、「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」と「Grammar in Use」シリーズの「マーフィーのケンブリッジ英文法」の組み合わせがよいだろう。

なお、「English Grammar in Use Fifth Edition」の内容や使い方についての詳細は「Grammar in Use|文法教材としての内容・やり方・効果を徹底検証」を参考にしてほしい。

5.4. 目標達成までの勉強時間の確定

ステップ-4

選定した文法書を仕上げるために必要な時間を計算しよう。例えば、Grammar in Useは全145ユニットある。1ユニットを1時間で仕上げとして全145時間だ。余裕を持って時間を見積もった方がよい。複数冊必要な場合は、すべての学習時間を見積もろう。

英文法の場合は、復習の時間を見積もる必要はない。確かに1回通して勉強したところで全てを覚えられるはずがない。しかし文法の場合はそれでよい。「あれ、どうだっけ?」と思った時、その都度その部分を復習すればよい。

5.5. 英文法勉強スケジュールの決定

ステップ-5

最後のステップは勉強スケジュールの作成だ。そのためには、いつまでに目標を達成したいのかを決める必要がある。そして1日に必要な学習時間に落とし込む。1日の学習時間ではなく、目標達成時期を最初に決めるのは、毎日必ず決められた時間をやり抜くという覚悟を決めるためだ。

次に、長期的な予定を管理するためのガントチャートと、1日の時間配分を決める円グラフを作成する。

英語学習ガントチャート
英語学習デイリースケジュール

文法だけでは英語は習得できない、単語や自動化トレーニングなど色々やることがある。それらをいつやるのかをガントチャート(左図)で管理してほしい。

毎日の勉強を習慣化するには、1日のうちでいつ、何を勉強するかを決めることだ。右図のような円グラフを作り、どの時間に何を、どのように勉強するかを決めてほしい。

ここまできたら、あなたはこのプロジェクトを絶対に完遂するという覚悟ができているはずだ。

5.6. PDCAサイクルを回して効率的に学習しよう

ステップ-6

学習計画は定期的に見直そう。勉強がスケジュール通りに進んでいない時はもちろん、順調に進んでいるような場合もだ。そうすることでモーティベーションを維持しやすくなる。

PDCAサイクル

学習レベルは自分に合っているか、学習の量は適切か、学習法は大丈夫かなど。学習状況を振り返ってみて、改善できるところを貪欲に探そう(Check)。そして学習計画を改善(Action)、修正(Plan)し、また実行(Do)だ。

このような学習計画を立てることは面倒だと思うかもしれない。必要ないと思うかもしれない。しかし考えてほしい。英語の習得は時間がかかる。大学卒業以来全く英語に触れていない場合で、仕事で使える英語を目標とした場合、最低でも1年半はかかる。時間や労力を費用換算すればコストも膨大になる。このような壮大なプロジェクトを計画も立てずに始めることは無謀ではないだろうか。

6. 英文法勉強法|まとめ

  • 第二言語習得研究の知見を総合すると、大人になってから英語を習得したいのであれば英文法の勉強は必須だ。
  • 最も効率的な英文法の勉強法は、理解したことを記憶し、その知識を無意識的に使えるよう「自動化」することだ。
  • 英文法の知識を「自動化」するためのお薦め「自動化トレーニング」は8つある。是非、順番に、そして繰り返し行ってほしい。
  • 第二言語習得研究と脳科学研究の知見を活かせば英文法の勉強は効率化できる。ご紹介した8つのポイントを是非あなたの英文法勉強法に取り入れてほしい。
  • 学習計画を立てよう。英語の習得は時間がかかる。その時間や労力を費用換算すればコストも膨大だ。このような壮大なプロジェクトを計画も立てずに始めることは無謀だ。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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