「面接」は英語で「interview」(インタビュー)です。転職や就職時の面接のことを「job interview」(ジョブ・インタビュー)という場合もあります。
面接(interview)では、日本語の場合でも英語の場合でも、第一印象が非常に重要です。そして、その第一印象の良し悪しを決める重要な要素が「挨拶」です。第一印象は、面接の結果に直接影響することもあります。また、第一印象を悪くしてしまうと、それを挽回する必要が出てきます。第一印象でマイナス点をもらわないよう、英語でもきちんと挨拶できるようにしておきましょう。
会ったときの最初の挨拶に加え、面接が終わったときの挨拶や、オンライン面接での挨拶の注意点、面接前の待っているときの注意点もおさえておきましょう。
目次
1. 英語の面接対策【最初】の挨拶|鉄板フレーズと会話例
面接での最初の挨拶でよく使うフレーズを解説します。そして、一般的な流れを理解するために会話例を紹介します。
1.1. 鉄板フレーズ
一番最初の挨拶で言う鉄板フレーズ
“Hello! ”
(発音:ハロー!)
(意味:こんにちは/こんばんは)
※ 注意点!相手がカジュアルに “Hi!”(ハイ!)と言ってきても、”Hi!” と答えるのは避けましょう。”Hello!” です。
“How do you do? ”
(発音:ハウドゥユードゥ?)
(意味:(初めまして)お元気ですか?)
※ 注意点!初対面のときのみに使用されます。フォーマルかつ、若干古風なフレーズ。
“My name is <Taro Yamada>. ”
(発音:マイネイムイズ<タロウヤマダ>)
(意味:<山田太郎>と言います。)
※ 注意点!”My name is 〜” は使わないという人もいますが、そんなことはありません。面接では ”I’m 〜 ” よりも ”My name is 〜” の方が丁寧に聞こえます。
“(I am/I’m) pleased to meet you.”
(発音:(アイアム/アイム)プリーズドゥトゥミートゥユー)
(意味:お会いできてうれしいです。)
※ 注意点!初対面のときのみに “meet” を使います。”I am/I’m” をつけると丁寧になります。さらに、”I am” の方が丁寧です。英語は省略するとカジュアルになります。
“(I am/I’m) glad to meet you.”
(発音:(アイアム/アイム)グラッドゥトゥミートゥユー)
(意味:お会いできてうれしいです。)
※ 注意点!初対面のときのみに使用されます。”I am/I’m” をつけると丁寧になります。
“(It is/It’s a) pleasure to meet you.”
(発音:(イトゥイズア/イッツア)プレジャートゥミートゥユー)
(意味:お会いできてうれしいです。)
※ 注意点!初対面のときのみに使用されます。”It is/It’s a” をつけると丁寧になります。”I am/I’m” ではなく “It is/It’s” となることと、”a pleasure” と “a” をつけることに注意してください。
“(It is/It’s) nice to meet you.”
(発音:(イトゥイズア/イッツ)ナイストゥミートゥユー)
(意味:お会いできてうれしいです。)
※ 注意点!初対面のときのみに使用されます。”It is/It’s” をつけると丁寧になります。”I am/I’m” ではなく “It is/It’s” です。
“(It is/It’s) nice to see you (again).”
(発音:(イトゥイズア/イッツ)ナイストゥシーユー(アゲイン))
(意味:またお会いできてうれしいです。)
※ 注意点!初対面のときは “see” は使えません。以前あったことがある場合のみに使用されます。”It is/It’s” をつけると丁寧になります。
“How are you?”
(発音:ハウアーユー?)
(意味:お元気ですか?)
※ 注意点!初対面のときは使えません。以前あったことがある場合のみに使用されます。
挨拶の次に言う鉄板フレーズ
“Thank you for meeting with me today.”
(発音:サンキューフォーミーティングウィズミートゥデイ)
(意味:今日お会いいただきありがとうございます。)
※ 注意点!”meet” は初対面のときのみに使用されます。
“I was looking forward to this interview.”
(発音:アイワズルッキングフォーワードトゥジスインタビュー)
(意味:面接を楽しみにしておりました。)
※ 注意点!”was” と過去形になることに注意してください。
“I was looking forward to meeting with you to discuss the position.”
(発音:アイワズルッキングフォーワードトゥミーティングウィズユートゥディスカスザポジション)
(意味:あなたにお会いし、職務についてお話しさせていただくことを楽しみにしておりました。)
※ 注意点!”meet” は初対面のときのみに使用されます。過去形になります。
“I’d (I would) like to learn more about the company.”
(発音:アイドゥ(アイウッド)ライクトゥラーンモアアバウトザカンパニー)
(意味:貴社についてより多くを学びたいと思っています。)
※ 注意点!面接では、”I want to 〜” ではなく、”I would like to 〜” を使うようにしましょう。 “I want to 〜” は子供っぽく感じる場合があります。
“I was really excited to learn more about the position and the company.”
(発音:アイワズリアリーエクサイテッドトゥラーンモアアバウトザポジションアンドザカンパニー)
(意味:貴社と職務について多くを学べることにワクワクしております。)
※ 注意点!過去形になります。これをすらっと言えたらバシッと決まります。
1.2. 会話例
面接官:
You must be Taro Tanaka. How do you do? I’m Paul Jones. I’ll be interviewing you today.
(田中太郎さんですね。お元気ですか?ポール ジョーンズです。今日あなたの面接を担当します。)
あなた:
How do you do, Mr. Jones? Thank you for meeting with me today.
(お元気ですか?ジョーンズさん。今日はお会いいただき感謝します。)
※注意❶:相手が “How do you do?” と言ったら、”How do you do?” で返しましょう。間違っても、”I’m fine, thanks.” などと返答しないようにしてください。
※注意❷:相手の名前(この例では “Mr. Jones”)を言って挨拶しましょう。”Mr. Paul” と言わないように。”Mr.(男性)/Ms.(女性)” あとはラストネームです。
面接官:
Hello. It’s Taro Tanaka, isn’t it? Hi, Taro. I’m Paul Jones. I’ll be interviewing you today.
(こんにちは。田中太郎さんですよね。ハイ、太郎さん、ポール ジョーンズです。今日あなたの面接を担当します。)
あなた:
Hello. I’m pleased to meet you, Mr. Jones. I was looking forward to this interview.
(こんにちは。お会いできてうれしいです。ジョーンズさん。面接を楽しみにしておりました。)
※注意❶: ”How do you do?” とは言わないようにしましょう。相手が “How do you do?” と言った場合のみ、”How do you do?” で返しましょう。
※注意❷: 相手がカジュアルに、”Hi!” や、ファーストネームで話しかけてきても、こちらからは “Hello!”、”Mr./Ms. ラストネーム” で返しましょう。相手から、”Please call me ファーストネーム.” など、ファーストネームで呼ぶように言われた場合は別です。
2. 英語の面接対策【最初】の挨拶|気を付けてほしいこと!
あなたの名前が呼ばれたら、微笑みを浮かべ、立ち上がり、スマートにカバンを持ちます。微笑みをキープしながら、自信に満ちた様子で呼ばれた方に歩いていきましょう。面接官に対面したら、目を見て自己紹介します。そして、固い握手をしながら挨拶を交わします。相手の手を握るときは、強すぎず、弱すぎず握ることです。そして、挨拶のときには、面接官の名前を、Mr. or Ms. をつけて、ラストネームで呼びましょう。
2.1.【注意点①】挨拶は面接官に合わせること!
- 挨拶の言葉使いは基本フォーマルにすべきですが、面接官がカジュアルに接してきた場合で、かつ、”You can call me ファーストネーム.” などと言われた場合は、相手に合わせることが無難です。
- 挨拶のときのフレーズも面接官に合わせます。相手のフレーズに対する返答の仕方は以下の通りです。
面接官からの挨拶 | あなたからの返答 |
How do you do? | How do you do? (× I’m fine, thanks.) |
Pleased to meet you. | I’m pleased/glad to meet you. It’s a pleasure to meet you. (× How do you do?) |
Hi/Hello | Hello (× Hi) |
How are you? (前に会ったことがある場合) |
Fine, thanks. Very well, thank you. |
- 挨拶の流れも面接官のリードについていきましょう。例えば、挨拶のときに面接官がスモールトーク(雑談)を始めたら、それに付き合いましょう。すぐにインタビューに入る場合は、それについていきましょう。
2.2. 【注意点②】プロフェッショナルな振る舞いと言葉使い!
- 挨拶のときは面接官と目を合わせましょう。それによって、熱意を表現することができます。逆に、目を見ないで挨拶すると、自信がない、内気、臆病のように思われます。
- 挨拶のときは、面接官の名前を呼びましょう。ラストネームの前に、男性の場合は “Mr.”(ミスター)、女性の場合は ”Ms.”(ミズ)を付けます。”Mr./Ms. ファーストネーム“ は言ってはいけません。また、最近は ”Mrs.”(ミセス)は使用されません。
- プロフェッショナルとしての適切な言葉使いで話しましょう。フォーマルな言葉使いが原則です。”Hey!” や “Hi!” も避けた方が無難です。面接官の名前をいきなりファーストネームで呼ぶことも避けるべきです。一方で、面接官がファーストネームで呼ぶように言われても、頑なに “Mr./Ms.ラストネーム” で呼び続けることも避けましょう。
- フレンドリーな笑顔を忘れずに。日本の社会では笑顔はそれほど重要ではありませんが、英語圏では重要です。英語圏では、基本笑顔は「私はあなたの敵ではありません。」という意味を表現します。日本人の男性は笑顔が苦手の人も多いと思います。鏡を見て練習しましょう!
- 固い握手も忘れずに。面接官が手を差し伸べてきたら、それに応じます。あなたが先に手を差し伸べることは避けた方が無難です。また、握手のときには右手で、相手の目を見ることが基本です。両手での握手はやめときましょう。あまり強く握る必要はありませんが、弱々しい握手は相手に与える印象も弱々しくなってしまいます(なお、女性に対しては「軽く」が原則です)。
- 面接では、プロフェッショナルとして「自信」を表現することが重要です。歩いたり、椅子に座ったり、立ったりなど、あらゆる所作において、焦らず、堂々と、粗相をしないように振る舞いましょう。コソコソしたり、慌てふためいた様子を出さないように心がけましょう。
3. 英語の面接対策【最後】の挨拶|鉄板フレーズと最後の売り込み例文
面接終了後の最後の挨拶でよく使うフレーズを解説します。そして、挨拶を兼ねた、最後に自分を売り込むための例文を紹介します。
3.1. 鉄板フレーズ
“Thank you for your time today.”
(発音:サンキューフォーユアタイムトゥデイ)
(意味:今日はお時間を取っていただきありがとうございました。)
“Thank you for making time to interview me today. ”
(発音:サンキューフォーメイキングタイムトゥインタビューミートゥデイ)
(意味:今日は面接のためにお時間をお取りいただきありがとうございました。)
“I enjoyed learning more about the position. ”
(発音:アイエンジョイドラーニングアバウトザポジション)
(意味:職務についてより多く学べてよかったです。)
“I believe my skills and experience would be a great asset to your team. ”
(発音:アイビリーブマイスキルズアンドエクスペリエンスウッドビーアグレイトアセットトゥユアティーム)
(意味:私のスキルと経験は、あなたたちのチームの良い資産になると信じています。)
※ 注意点!最後の売り込みのフレーズです。
“I think my experience and accomplishments can provide value to the organization. ”
(発音:アイシンクマイエクスペリエンスアンドアカンプリッシュメンツキャンプロバイドヴァリュートゥザオーガニゼーション)
(意味:私の経験と実績は会社に価値をもたらすことができると思っています。)
※ 注意点!最後の売り込みのフレーズです。
“I’m excited to get started. ”
(発音:アイムエクサイテッドトゥゲットスターテッド)
(意味:職務を開始することが楽しみです。)
※ 注意点!最後に意気込みを伝えるフレーズです。
“I look forward to hearing from you. ”
(発音:アイルックフォーワードとぅヒアリングフロムユー)
(意味:ご連絡をお待ちしております。)
“(It was) nice meeting you.”
(発音:(イトゥワズ)ナイスミーティングユー)
(意味:お会いできてうれしかったです。)
※ 注意点!初対面の人と別れるときは “meeting” と「-ing形」にします。初対面の人と会ったときは “to meet” と「to不定詞」にします。
※ 注意点!相手から先に言われたときは、最後に “too” をつけて言い返しましょう。
※ 注意点!最後の握手をしながらいうフレーズです。
“(It was) nice seeing you again.”
(発音:(イトゥワズ)ナイスシーイングユーアゲイン)
(意味:またお会いできてうれしかったです。)
※ 注意点!以前会ったことがある人と別れるときの表現です。この場合は、“to see” と「to不定詞」にすることもできます。
※ 注意点!相手から先に言われたときは、最後に “too” をつけて言い返しましょう。
※ 注意点!最後の握手をしながらいうフレーズです。
3.2. 挨拶を兼ねた最後に自分を売り込む例文
”I am grateful for interviewing with you today. You have given me a clear overview of the position. I think my experience and accomplishments can provide value to the organization. Is there anything else you need to confirm if I am the right candidate for this position?”
(今日は面接していただきありがとうございました。職務についての明確なご説明をしていただきました。私の経験と実績は会社に価値をもたらすことができると思っています。職務に私が適任であるかどうかを最終判断するために、何か他に必要なものはありますか?)
”Thank you for making time to interview me for the open role. I am thrilled about the prospect of working in this position and being a part of a highly reputable team.”
(面接のためにお時間をお取りいただきありがとうございました。この職務に就き働くことや、非常に有名なチームの一員になることにワクワクしています。)
4. 英語の面接対策【オンライン】インタビュー|挨拶の注意点
最近はZoomなどを使用したオンラインでの面接も増えてきました。その際の注意点を説明します。
- 予定の時間の前にログインしておくこと!予定の時間の5〜10分前にはログインし、機器やソフトウェアが問題なく動作するかどうかを確認しておきましょう。特に、カメラ、マイク、ライトなどが万全かをチェックしておきます。
- カメラ映りを確認しておくこと!フレンドリーな笑顔、そしてプロフェッショナルとしての自信に満ちた座り方になっているかを確認しましょう。なお、堅くなりすぎるのも避けましょう。あくまで自然に!
- 機器やソフトウェアに不安があるときは、下記のフレーズで確認しましょう。
“Before we start, can you hear and see me okay?”
(発音:ビフォーウイスタート, キャンユーヒアミーアンドシーミーオーケー?)
(意味:始める前に、私に画像と音声は届いていますか?)
- カメラを見ましょう!カメラを見ることによってアイコンタクトできます。それにより、熱意と自信を表現することができます。
5. 英語の面接対策【対面】インタビュー|挨拶前の注意点
面接前の、受付(reception)での注意点と、面接官が来るまで待っている間の注意点を説明します。
5.1. 受付(reception)での注意点
面接を受ける会社の全ての人に対して丁寧に対応することを心に留めておいてください。面接官は当たり前ですが、掃除をしている人や、受付の人に対しても同様です。
会社に入ったら、受付の方に挨拶し、自分が誰かを名乗り、何時に誰と何の目的で約束をしているかを伝えてください。
例文
”Hello, my name is Taro Tanaka. I have an appointment with Ms. Winters at 2 p.m.”
(発音:ハロー、マイネイムイズタロータナカ. アイハブアンアポイントメントウィズミズウィンターズアットトゥピーエム)
(意味:こんにちは。田中太郎と申します。2時にウィンターズさんと約束しているのですが。)
5.2. 面接官を待っている間の注意点
待っている間の態度も非常に重要です。誰が見ているかわかりません。もしかしたら、面接官がとなりで待っていたかもしれません。座って待っている間も、黙っていながら周囲に挨拶しているという意識が重要です。自然かつプロフェッショナルとしての自信に満ちた態度で待ちましょう。
- 携帯電話の電源を切っているか確認しましょう。
- 両足を並行に床に置くか、もしくはくるぶしのところでクロスしても構いません。(足を組むことはしないようにしましょう。)
- ジャケット着ている場合は、座って待っているときは前のボタンを外しておきましょう。あなたが何も隠していないことを表現することができます。ジャケットのボタンは通常立ったときに留めます。
- カバンは椅子の横に置きます。その他に書類の入ったファイルなどを持っている場合も、横においておきましょう。胸に抱えておくことは避けましょう。
- 座っている間、両手は膝の上か、肘掛けに置いておきましょう。
- 座って待っている間は、静かにじっとしていましょう。そわそわせわしなく動いていたり、携帯電話をいじるようなことは避けましょう。
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