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公開日:
2019.06.12
更新日:
2020.01.02

世界の英語人口15億|日本も急増中!英語を習得すべき8つの理由

日本では英語人口が急増している。そして世界に目を向けると、英語は世界共通語、ビジネスにおける国際語といわれている。でも英語は本当に習得すべき言語なのだろうか?

世界の英語人口を調べて見ると、英語が世界共通語といわれている理由がよくわかる。そして、今の英語の地位は今後も変わらないであろうことも理解できるはずだ。たしかに最近の中国の経済的な台頭は目覚しいものがある。しかし、世界共通語として中国語が英語に取って代わることはないであろうこともわかるはずだ。

あなたは英語の波に乗り遅れる勇気はありますか?

1. 世界の英語人口は15億人

世界の英語人口

*文部科学省、国連、U.S. Visa Talk および Crystal D.「A History of the English Language」のデータ基にThe English Club が作成。

世界には英語を実用レベルで使用している人(英語人口)が15億人もいる。世界の総人口は推定73億人だ。英語を習得すれば世界中の5人に1人と意思疎通できるということだ。

一方で、驚くことに世界の英語人口15億人のうち、ネイティブ・スピーカーはたった1/4(25%)の3.8億人しかいない。残りの3/4(75%)の11.2億人は、第二言語/外国語として英語を習得した非ネイティブ・スピーカーなのだ。

第二言語/外国語として英語を使用している人口がこれほど多いという事実が、英語が世界共通語である理由の一つといえるだろう。

1.1. 英語を第二言語/外国語として使用している人口は11億2千万人

英語を第二言語として使用している人口

*文部科学省、国連、U.S. Visa Talk および Crystal D.「A History of the English Language」のデータ基にThe English Club が作成。

第二言語/外国語として英語を使用している11億2,000万人を国別で見てみると、インドがトップで1億2,600万人だ。以下、フィリピン、ナイジェリア、ドイツ、フランス、そしてイタリアと続くが、これらトップ6カ国の占める割合はたった34%程度なのだ。

ちなみに、トップ3カ国は旧植民地だ。インドとナイジェリアはイギリスの旧植民地。フィリピンはアメリカの旧植民地だ。また、インドの総人口は13.2億人だが英語人口はその1割弱しかいない。

一方で、ヨーロッパの現状は下記の通りだ。

  • ドイツ:総人口8,000万人。約60%の4,700万人が英語人口
  • フランス:総人口6,200万人。約40%の2,300万人が英語人口
  • イタリア:総人口6,000万人。約30%の1,700万人が英語人口
  • 北欧の国々や、その他の多くのEU諸国(図中の「その他」に含まれる)では、総人口のかなりの割合が英語人口である。
  • EU(欧州連合)では、英語は、フランス語、ドイツ語と並ぶEUの主要な言語。

例えば、ヨーロッパ各国にまたがって仕事をする必要がある場合、習得すべき言語の第一候補は英語であることは納得できるはずだ。

上の図の中の「その他」は66%を占めているが、そこには日本を含めた世界中の多くの国々が含まれている。世界各国で広く使用されているからこそ英語は世界共通語なのだ。

1.2. 英語のネイティブ・スピーカー人口は3.8億人

地球と衛星

ネイティブ・スピーカー3.8億人の内訳は以下の通りだ。なお、カッコ内は3.8億人(英語のネイティブ・スピーカーの総人口)に対する割合を示している。

  • アメリカ: 2億5,200万人(66%)
  • イギリス: 6,000万人(16%)
  • カナダ: 2,600万人(7%)
  • オーストラリア: 1,800万人(5%)
  • その他: 2,400万人(6%)

ちなにみ、アメリカの総人口は3.2億人だが、英語を使用しない人は除外している。その他の国も同様だ。

2. 英語を公用語・準公用語としている国の総人口は21億人

2.1. 世界54カ国で英語が公用語・準公用語

英語を公用語とする国

*英語を準公用語とする国、及び、英語が第一言語であっても公用語としていない国(アメリカ合衆国、バルバドス等)も含む
*文部科学省のデータ基にThe English Club が作成。

世界では現在196の国が存在しているが、国の数だけをみた場合、1/4以上(27.6%)の54カ国が英語を公用語もしくは準公用語にしている。

イギリスの旧植民地の国々が多いということもあるが、これほど広く公用語・準公用語として使用されている言語は他にはない。

2.2. 英語を公用語・準公用語としている国の総人口は21億人

本と5つの外国語

英語を公用語・準公用語としている54カ国の総人口は21億人にものぼる。この数値は英語の今後のポテンシャルを物語っている。

英語を公用語・準公用語としている国でも、その国の人口全てが英語人口というわけでない。例えば、すでに述べたインドが良い例だ。しかし、今の世界の潮流であるグローバル化が更に進展すれば、世界共通語とされている英語を習得しようとする気運が高まる。英語を公用語・準公用語としている国々であればなおさらだ。

したがってこれらの国々では、経済発展とともに英語人口が総人口に近づいていくことになるであろう。これらの国々の全てにおいて総人口=英語人口 となれば、現在の英語人口15億人に10億人以上が上乗せされることになる。

3. インターネット上の英語人口は10億5千万人

インターネット上の使用言語

*Internet World Stats のデータ基にThe English Club が作成。

2017年の統計では、世界のインターネット総人口41億6,000万人のうち、1/4強(26%)が英語人口であり、他の言語を圧倒している。このことは、インターネット上では「知」が英語で集まりやすいことを意味する。一度その地位を築けば、更に増加することはあっても減少する可能性は低い。

中国語の台頭がめざましいが、英語と中国語の違いは、第二言語/外国語としてその言語を使用している人の数である。英語は、その使用人口約10億人のうち、少なく見積もっても75%は第二言語/外国語として英語を使用している人たちである。一方で中国語は、8億人のほぼ全てが中国語のネイティブ・スピーカーであり、第二言語/外国語として中国語を使用している人は極めて少ないことが推測される。

どちらの言語に世界中からの「知」が集まりやすいかは明白だ。世界中の人と情報を共有したい場合の選択肢は英語しかない。このことは、このインターネット使用人口の統計で中国語が英語を抜いて一番になったとしても変わりはない。第二言語/外国語として中国語を使用する人が急増することは考えにくいからだ。

4. 学術・研究の分野では英語が共通語

化学用のフラスコ

科学や医学などの分野では、世界的に業績を認められるためには、論文は英語が執筆するしかない。国際的な学会での発表もしかりだ。様々な学術・研究分野において「知」は英語で集約・集積され、他言語に翻訳されていくことになる。情報は時間の経過とともに価値が低下していく。最新情報を得るためには英語で情報収集する必要があるのだ。英語人口が増え続けることになる。

ビジネスに直結する情報の場合は情報収集の遅れは致命傷になり得る。製薬(バイオ・テクノロジー)やICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)などのテクノロジー系の業界で最先端の仕事をしたいならば英語は必須だ。

5. グローバル・ビジネスでも英語が共通語

3人のビジネスパーソン

ビジネスにおいては共通の言語がない場合は英語が使用されることが多い。ヨーロッパのみならず、アジアや南米などでも同様だ。英語がビジネスにおける国際語といわれる理由である。

世界のビジネススクールのトップスクールでは、世界中のエリート予備軍が集い、日々英語で議論を戦わせている。このように、ビジネスの世界においても「知」は英語で集積されており、そして今後もそうあり続ける。そしてエリート予備軍は各々の国に帰国し、英語はビジネスにおける国際語という地盤が更に固められ、英語人口は更に増えるのだ。

6. スポーツでも英語が共通語

サッカーする少年

スポーツの世界でも英語が広く使用されている。オリンピックの公用語は英語とフランス語だ。テレビの延べ視聴者数がオリンピックの5倍の300億人であるサッカーW杯の審判の公式言語は英語のみである。スポーツはグローバル化し続ける。そして英語人口も増え続けるのだ。

7. 英語は今後も世界共通語であり続ける

英語のクラス

英語の言語としての世界的な地位は、グローバル化による英語人口のさらなる増加によって今後更に向上することはあっても下落することはないであろう。つまり英語は今後も世界共通語であり続けるということだ。

英語が今の世界共通語の地位を獲得できたのは、大英帝国時代のイギリスの国力、および、その後のアメリカの国力があったからだ。

GDPの規模で比較した場合、現時点ではアメリカがトップだ。しかし、様々な研究機関が、近い将来、中国がアメリカを抜きトップになることを予想している。ではそうなった場合、中国語が今の英語の立場に取って代わることになるのであろうか?以下の理由によりそうなる可能性は非常に低いと思われる。

  • 第二言語/外国語として中国語を使用する人口が英語並みに急激に増える可能性は低い。つまり中国以外の地域で、中国人以外の人同士が中国語で意思疎通するようになる可能性は非常に低い。
  • 中国の経済は人口が多いため規模は大きいが、未だ模倣で成り立っている部分が多く、新しいものを作り出すための十分な知識は集積されていないと思われる。(例えば、自然科学分野でのノーベル賞受賞者は中国では1人のみ。ちなみに日本は21人、アメリカは251人。)したがって中国語で「知」が集約・集積されるようになるとは考えにくい。

8. 日本の英語人口は急増中!

日本の英語人口の統計は見つけられなかったが、英語を学習している人数の概算は政府が出している。英語の学習者数がわかれば実用レベルで使用している英語人口も想像できる。英語を実用レベルで使用し続けるためには、ある程度使えるようになった後も継続して学習する必要があるからだ。

8.1. 日本の英語学習者数は804万人

日本の英語学習者数

*日本政府による、2006年及び2016年社会生活基本調査のデータを基にThe English Club が作成。

日本の英語学習者の数はこの10年で急増している。2016年には25歳以上の804万人が英語を学習しており、10年前の2006年から30%以上増加しているのだ。この10年間の25歳以上の総人口は1.8%(170万人)しか増えていないにもかかわらずだ。

ちなみに、2016年の25歳以上の総人口は9,570万人(2016年)である。英語学習者804万人は8.4%に相当する。

2017年、2018年は2016年に比べても更に英語学習者が増えていることは容易に想像できる。2020年の東京オリンピックがその理由だ。The English Clubの受講生の中にも、勤める会社のオリンピック関連のプロジェクトメンバーに選ばれるために必死に英語を学習している方が少なくない。

英語を学習する人が増加すれば英語を使用できる人も増える。日本では英語人口が急増しているということだ。

英語を始めようと思ったあなた。効率的に学習するために、まずは「英語勉強の順番|社会人の初心者が4技能を効率的に習得する方法」を参考にして欲しい。

8.2. 日本の英語人口増加の流れは誰にも止められない

グラフ

英語学習者数と英語人口の関係は下記の式が成り立つと考えられる。

英語人口 < 英語学習者数

したがって、2016年日本の英語人口は総人口(25歳以上)の8.4%以下だと考えられる。これは、日本が貿易立国であること、および日本はGDPの規模が世界第3位であることを考えるとかなり低い数値だといえる。しかし、我々日本人は皆、今後は誰しも英語が必要になることくらい気づいている。だからこそ英語学習者が急激に増加しているのだ。この日本の英語人口増加の流れはもう誰にも止められないであろう。

補足だが、なぜ英語人口の方が英語学習者数より少なくなるのか。前提条件はこうだ。英語学習者数から英語人口(英語を実用レベルで使用している人)を算出するためには下記のような計算が必要である。

英語学習者数
− 英語学習者のうち、英語を実用レベルで使用していない/できない人数 (1)
+ 英語を実用レベルで使用しているが、英語は学習していない人数 (2)
= 英語人口

第二言語/外国語を実用レベルで使用し続けようとするためには、ある程度使えるようになった後も継続して学習する必要がある。したがって (2) の人数はそれほど多くないと思われる。少なくとも、(1) 英語は学習しているが実用レベルで使用していない/できない人数よりは少ないということが前提だ。

9. まとめ

祝福
  • 英語は、世界の共通語、ビジネスや学術・研究、スポーツの世界での国際語、そしてインターネット上での「知」が集積する第一言語である。英語人口が増え続ける理由だ。
  • 中国の経済発展にともない中国語が台頭するが、英語の現状の確固たる地位は更に向上することはあっても低下することはない。
  • 日本人の英語人口は現状多くはないが、日本人は英語の重要性には既に気づいており、だからこそ英語人口が急増している現状がある。
  • 日本の英語人口増加の流れはもう誰にも止められない。あなたはその流れに乗り遅れる勇気はありますか?
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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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