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公開日:
2019.05.24
更新日:
2019.07.04

日本人の英語力|アジア最低の理由と根本的な5つの対策はこれだ!

日本人の英語力はアジアで最低レベルだ。TOEFL iBTテストの国別平均の事実を突きつけられれば、日本の悲惨な状況が理解できるだろう。

この悲惨な状況を打開するには、まずは日本人の英語力が低い理由を突きとめる必要がある。理由がわかれば対策は必ずある。

日本人の英語力が低い理由は驚くほど単純だが根本的なことだ。ここでご紹介する理由と対策は、あなたの英語学習にも必ず役に立つと確信している。

1. 事実:日本人の英語力は中国・韓国・台湾・ベトナム国民より低い

TOEFL国別ランキング

*ETS 2017「Test and Score Data Summary for TOEFL iBT Tests」のデータ基にThe English Club が作成。

上の表は、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)iBTと呼ばれるテストのアジアにおける国別平均点だ。

TOEFL iBTとは、主にアメリカとイギリスを中心とする大学や大学院に入学する際に必要となる英語能力判定テストだ。高等教育機関で学習する際に必要となるリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの英語スキルを判定する。4つのスキルの満点はそれぞれ30点でトータルで120点満点のテストだ。

1.1. 日本人の英語力はアジア29の国と地域の中で26番目

落ちる人

ご覧の通り、日本人の英語力はアジアの29の国と地域の中で下から3番目という悲惨な状況だ。

1位のシンガポールから7位のバングラディシュまでは英語が公用語もしくは準公用語の国なので日本人より英語力が高いのは理解できる。しかし、インドネシアや韓国、台湾、ベトナム、ミャンマー、中国、タイ、モンゴル、カンボジアよりも日本が低いという事実は残念というよりも驚きではないか。

特にスピーキングに関しては、アジアの29の国と地域の中で単独最下位の17点だ。リスニング、リーディング、ライティングも総じて低い。かつては「日本人はスピーキングとリスニングは苦手だが、受験英語のおかげで読み書きはできる。」と言われたこともあったが、それも神話・幻想であったことがわかる。

1.2. 英語力国別ランキングの注意点

一方で、このTOEFL iBTのような国別の英語力ランキングを見る際には注意が必要だ。国民の経済力が高い国の平均点が低くなる傾向があるからだ。

例えば北朝鮮が良い例だ。北朝鮮の平均点は83点であり、日本の71点と比べてもかなり高い。しかし、これが北朝鮮の国民全体の英語力の平均ではありえない。

TOEFL iBTの受験料は235ドル(約25,000円)だが、北朝鮮でこのような高額なテストを受験できるのは英語教育をしっかりと受けた朝鮮労働党の幹部もしくはその子息くらいだろう。平均点が高くなるのも当然なのだ。中国も同じことが言える。農村部の貧困層は受験できるはずはなく、受験者は英語教育をしっかり受けたであろう富裕層に限られる。

一方で日本では、あまり準備はしていなくても試しに受けたという人も多いだろう。その結果、受験者数は多くなり、平均点も低くなる傾向があるのだ。

1.3. 日本人の英語力向上の必要性は変わらない

それにしても…、日本人の英語力をなんとかしなければならない状況に変わりはない。では、中学高校で6年間も勉強してきたにもかかわらず、なぜ日本人の英語力は低いのか?日本人の英語力が低い理由がわかれば対策はあるはずだ。考えられる理由を一つ一つご紹介しよう。

2. 日本人の英語力|英語と日本語は違いすぎる!?

FSI外国語カテゴリー

*英語のネイティブ・スピーカーが知識ゼロの状態から「Professional working proficiency」(仕事で使用できるレベル)になるまでに必要な学習時間

*U.S. Department of Stateのデータ基にThe English Club が作成。

上の表は、U.S. Department of State(アメリカ国務省)のForeign Service Institute(外交官養成局/FSI)が公表しているものだ。これは、英語のネイティブ・スピーカーにとって習得のしやすさで主要な外国語をカテゴリー分けし、それらの外国語を習得するために必要な学習時間を示したものだ。

2.1. アメリカ人の外交官にとって日本語は最難関言語

アメリカ国務省の外交官養成局によると、日本語は英語のネイティブ・スピーカーにとって超難関言語の「カテゴリー IV」に分類されている。これは、日本語が英語とは最も遠い言語(最も異なる言語)の一つということだ。ということは日本人にとっても英語は超難関言語なのだ。

なお、日本人が英語を習得するために必要な学習時間については「英語習得には最低3000時間必要!達成するための11のコツと習慣」で詳しく紹介しているので是非読んでほしい。

2.2. 日本人にとって英語は超難関言語

困難

日本人にとって英語が超難関言語である理由は単純だ。日本語と英語の単語・文法・発音が全くといっていいほど異なるからだ。日本人の英語力が低い最大の理由と言えるだろう。

言語の基本要素は単語・文法・発音の3つしかない。文法とは、簡単にいうと単語の並べ方だ。つまり、言語を習得するというのは、単語を覚えて、その並べ方と発音を覚えることなのだ。それしかない。その3つ全てが英語と日本語とでは全く異なるため、日本人にとって英語は難しいのだ。

2.2.1. 日本人にとっての英単語のハードル

いうまでもなく、英語の単語は日本語のそれとは全く違う。何千もの単語を一つ一つ覚えていかなければならない。例えば、ドイツ語やフランス語などは英語と似た単語が数多くある。しかも同じアルファベットだ。彼らにとって単語を覚えることはそれほど難しくはない。

2.2.2. 日本人には厄介な英語の文法

文法とは、文を作るときの単語の並べ方の法則だ。英語は日本語とは全く違う語順なので日本人には非常にむつかしい。日本人の英語力が低いのはこの語順の影響が大きいと指摘する言語学者は多い。

Pizza is regarded as one of the most popular foods to come out of Italy.

例えば上記の英文を日本語に訳すと、「ピッツァは、イタリアから来た最も人気のある食べ物の一つだとみなされている。」となる。お気づきかと思うが、日本語に訳すときは「ピッツァは」と主語を言った後、英文の一番後ろから戻り訳している。英語と日本語では語順が全く異なるため、戻り訳さないと自然な日本語にならないからだ。このことが日本人の英語学習者を苦しめているのは事実である。

2.2.3. 日本人は英語の発音が苦手

英語の発音数は日本語と比べて圧倒的に多いので日本人の英語は理解してもらえないし、日本人は英語を聞き取れないのだ。にもかかわらず日本の学校教育では発音をあまり重要視していない。この事実が日本人の英語力に影響を与えているのは間違いない。

例えば、日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5つだが英語には24あるといわれている。子音は日本語は16だが、英語は24だ。英語には日本語にはない発音が数多くあるので日本人は正確に発音できない。だから理解してもらえない。発音できない音は聞き取れないので理解できないのだ。

また、日本語ではあまり起こらない英語の音声変化は、日本人が英語を聞き取れない最大の理由の一つだ。

Check it out! → 「チェック・イット・アウト」 → 「チェッケラウ」

上記は「調べてみよう!」とか、ラジオのDJがいえば「聞いてみよう!」のニュアンスのフレーズだ。このフレーズの一つ一つの単語を丁寧にゆっくり発音すると「チェック・イット・アウト」となるが、ネイティブ・スピーカーが自然なスピードで発音すると「チェッケラウ」となる。このような音声変化も日本人にとって英語を難しくしている理由の一つである。

なお、英語の音声変化(「リエゾン」という。)についての詳細は「英語のリエゾン|ジョブズから学ぼう!単純ルールと簡単発音練習法」を参考にして欲しい。

2.3. 日本人英語力アップ対策①:言い訳はやめよう

日本人の英語力対策-01

日本人にとって英語が超難関言語である理由はまだまだたくさんある。しかし、どれだけ理由を並び立てても、それらは単なる言い訳にすぎない。なぜなら、韓国人や中国人のTOEFLの平均点は日本よりはるかに上だからだ。韓国語や中国語は日本語と同じく、英語のネイティブ・スピーカーにとっての超難関言語である。ということは韓国人や中国人にとっても英語は超難関言語であるはずだ。

日本人にとって英語は難しい言語であることは間違いない。でも言い訳はやめて、英語力アップの対策を考えることにしよう。

3. 日本人の英語力|中学・高校での勉強方法が元凶!?

正解か不正解

日本の中学・高校での英語の教え方が今の時代の要請に応えていないのは明らかだ。もしあなたが中学・高校の時と同じような学習方法で英語を勉強しているとしたら、すぐに学習方法を見直すことを強くお薦めする。そのやり方では英語をコミュニケーションのツールとして使えるようにはならない。

3.1. 日本の中学・高校での英語学習法は時代遅れ

日本の中学・高校での英語学習法は「文法訳読方式」といわれるものだ。簡単にいうと「文法を重視して、訳して読解する方法」である。これが日本人の英語力を下げている元凶といっていい。

文法訳読方式とは、下記 1.のような英文を 2.のような日本語に訳すことで「解読」するやり方だ。このやり方は、今では使われていないラテン語などで書かれた古典を「解読」する方法と全く変わらない。

1. Pizza is regarded as one of one of the most popular foods to come out of Italy.

2. ピッツァは、イタリアから来た最も人気のある食べ物の一つだとみなされている。

既に説明したが、英文を自然な日本語に訳すためには後ろから戻り訳さなければならない場合が多い。それは日本語と英語の語順が全く違うからだ。しかし、聞いた英語は戻り訳せない。聞いたことはどんどん消えていくからだ。

また、英文を作るときもこの「文法訳読方式」で日本語を英語に訳す練習をやらされてきた。しかし英語を話す時、頭の中で日本語を英語に訳す作業をやっていたらスムーズな会話などできるはずがない。

この「文法訳読方式」は、コミュニケーションのツールとして英語を使うことを目的とした学習方法ではないことは多くの言語学者が指摘していることだ。

3.2. 日本人の英語力アップには「自動化」が鍵

一方で日本人は、受験英語のおかげで一般的に単語力と文法知識は非常に高いものを持っている。しかし、その知識が使えるようになっていないことが問題なのだ。単語と文法の知識を無意識的、自動的に使えるようにすることを第二言語習得研究では「自動化」いう。日本人の英語力をアップさせるにはその自動化が最重要課題なのだ。

自動化を促進するトレーニング方法については「英語トレーニング|4技能を独学で習得するための科学的自主トレ22選」を参考にして欲しい。

3.3. 日本人英語力アップ対策②:学習方法を見直そう

日本人の英語力対策-02

一生懸命英語を勉強していても、その方法が間違っていたり非効率であれば、目的とは違う場所に行き着いたり、必要以上に時間がかかったりする。いち早く目的地に着きたければその方法を熟考すべきだ。

真に効率的な英語の学習方法をお伝えすることがこのブログの第一の目的だ。それは、このコラム1つで書き切れるものではない。順次アップしていくので是非引き続き読んでいただきたい。まずは手始めに「英語勉強の順番|社会人の初心者は3つの基本言語要素から始めよう!」から読むことをお勧めする。

4. 日本人の英語力|学習時間と学習量が圧倒的に足りない!?

アメリカの応用言語学者であるJoan Morley氏によると、子どもは5歳になるころまでに約17,520時間も母語(日本人の場合の日本語)のインプットを受けているそうだ。インプットとは「聞くことと読むこと」である。

また、上記で紹介したアメリカ国務省のデータによると、英語のネイティブ・スピーカーが日本語を習得するには2,200時間の学習が必要とのことだ。これは日本人がゼロから英語を習得するために最低限必要な学習時間と考えてもよいだろう。現実はどうなっているのか。

4.1. 日本の中学・高校での英語授業はたった790時間

多くの仕事

日本人は中学・高校で6年間英語を勉強してきたが、英語の授業時間はトータルでたった790時間程度だ。5歳児のトータル17,520時間の母語インプット時間はおろか、2,200時間にも遠く及ばない。「中学・高校で6年間も英語を勉強したのに日本人は英語ができない。」と嘆く方もいるが、学習時間だけみても実は日本人は英語ができなくても当然、英語力が低くても当然な状況なのだ。

4.2. 中学・高校6年間での英語の量はペーパーバック73ページ分

中学・高校での学習時間では全く足りないことがわかったが、学習量も全く足りないことが指摘されている。関西学院大学教授で心理言語学・応用言語学者である門田氏によると、2006年の中学・高校の一般的な英語の教科書を調べた結果、6年間で触れる単語数のトータルは35,000語程度だったそうだ。これは、英語のペーパーバック(紙表紙の安価な小説本)の72〜73ページ分にしかならない。

ちなみに、ベストセラーで映画にもなったダン・ブラウン(Dan Brown)のダ・ビンチ・コード(The Da Vinci Code)のペーパーバックは597ページある。73ページだと、日本人は6年間にダ・ビンチ・コードを1/8しか読んでいないのだ。その程度の英語に触れただけで十分な英語力がつくはずがない。

4.3. 日本人英語力アップ対策③:英語に触れる時間や量をもっと増やそう

日本人の英語力対策-03

日本人は学習時間も学習量も圧倒的に不足しているのだ。それに加えて、日本の中学・高校での英語の学習方法が全くダメなことを上記 3で紹介した。日本人の英語力が低くても当然だということが理解できるだろう。

英語力を向上させるには、多くの英語を聞いたり読んだりすること(多量なインプット)が基本だ。空っぽの中からは何も出すことはできない。まずは入れなければならない。

しかし、ただ聞いたり読んだりすればよいわけではない。アメリカの有名な言語学者であるStephen Krashenによると、自分の実力よりちょっとだけ難しい英語を多く聞いたり読んだりすることが効率的だそうだ。自分の実力に合った英語に触れる時間や量をもっと増やすよう努力することが肝心だ。

5. 日本人の英語力|必要がないから英語力が低い!?

理解不能

日本を取り巻く過去および現在の環境も日本人の英語力に影響を与えている。まずは、日本は外国に支配されたことがないことがあげられる。それから、日本では日本語で高度な教育が受けられること。普段の生活で英語を必要とする機会が少ないことも日本人の英語力が低い理由としてあげられるだろう。一つ一つみていこう。

5.1. 日本は歴史上外国に支配されたことがないから英語力が低い!?

日本は、第二次世界大戦後にアメリカの進駐軍が入って来るまで外国に支配されたことがなかった。それが、日本人の英語力が低い理由の一つだといってもよいだろう。

TOEFLの国別平均点でアジアで1位のシンガポールから7位のバングラディシュは、フィリピン(アメリカの旧植民地)を除いて、全てイギリスの統治下にあった地域だ。英語が浸透している理由である。

加えて日本は島国であるということ、そして国策上外国との交流を長い間制限していたという過去の経験も、日本人の外国および外国語に対する意識に何かしら影響している可能性もあるだろう。

5.2. 日本では日本語で高度な教育を受けることができるから英語力が低い!?

日本では、医療やICTなどの理系でも、経済や文学、哲学などの文系でも、あらゆる分野において日本語で高度な教育を受けることができる。一方で、発展途上国の多くでは、自国において自国語で高い教育を受けることができないことも多い。その場合は、学術・研究分野での国際語である英語で教育を受けることを選択することは自然な流れだ。

5.3. 日本では英語ができなくても生活できるから英語力が低い!?

最近は外国からの旅行客が急増しているため、特に小売業やサービス業では英語が必要な人も多いであろう。しかし、普段の生活で英語を必要としない日本人が大多数であろう。必要に迫られないからやらない。やらないから英語力が低い。当たり前だ。

例えば、TOEFLの平均点が日本より1点高い72点のカンボジアは、10年前の2007年の統計では63点であり、日本より低かった。しかし、近年は観光産業と縫製産業が成長し、外国からの投資も大きく伸び、必要に迫られた結果、国民の英語力がアップしているのだ。

今後は日本でも英語が必要になる人が急増すると予想されている。詳しくは 「世界の英語人口は15億人!日本でも急増中。英語を習得すべき8つの理由」 を是非読んでほしい。

5.4. 日本人英語力アップ対策④:英語が必要な環境を作り出そう

日本人の英語力対策-04

これからの日本や取り巻く環境について想像力を働かせて考えてみてほしい。英語が必要となるという人の方が多いのではないだろうか。今は必要なくても、英語が必要な将来の環境を想定し、それを英語学習の原動力にしてほしい。言語の習得には時間がかかる。ギリギリになって焦っても手遅れとなる。

強制的に自分自身を英語が必要な環境に置くことも重要だ。近い将来英語が必要なのは見えているが、今必要ではないのでやらない、できないという人は、あえて今、英語が必要な部署への移動を申し出る、転職する、英語が必要となるプロジェクトに参加する、英語圏の高等教育機関で学位をとるなど、あえて自ら英語が必要な環境を作り出してほしい。

6. 日本人の英語力|日本の文化が障壁になっている!?

「日本人は間違うことを嫌うので英語を積極的に話そうとしない。だから上達しない。」とか、「日本人は自己主張をしないので何を考えているのかわからない。」といったことを聞いたことがあるかもしれない。つまり、日本人の英語力の低さや英語コミュニケーション力の低さは、日本の文化と深く関係していると言われているのだ。

6.1. 日本人の「恥」を恐れる文化が英語力アップの壁に!?

恥ずかしがり屋

英語に限らず言語の習得は、多くの「Trial & Error」を重ねて上達するものである。つまり、英語を習得するには、多くを試し、多くの失敗から学ぶことが必須のプロセスなのだ。しかし、日本人の「恥」を恐れる性格が「失敗」を極度に恐れさせるため「試す」ことすらしなくなる。このような日本人の性格が英語力向上の壁になっていることは確かだ。

アメリカの文化人類学者であるルース・ベネディクト氏は著書「菊と刀」で、欧米では内面の良心を重視する「罪の文化」であるのに対し、日本は世間体や外聞といった他人の視線を気にする「恥の文化」であると指摘している。欧米ではキリストという神の絶対的な規範を守ることが最重視され、それを破る「罪」の意識が強い。一方で日本は、多神教のため神ではなく、世間の目が最重視され、世間に対する「恥」の意識が強いということだ。

「恥の文化」が「罪の文化」に劣っているとは思わない。しかしながら「恥」を恐れるあまり、自分の英語を試す機会が少なくなっているのであれば、せっかくの英語力アップの機会を失っているといえるだろう。

6.2. 日本の「言わなくてもわかるだろう」文化がコミュニケーションの壁に!?

最後に、ここでは日本人の英語によるコミュニケーション力が低い理由の一つを紹介する。

グローバルなビジネスの場では、相手を英語で論理的に説得する必要がある場面によく出くわす。しかしながら、日本の社会ではそのような議論は避ける傾向があり、多くの日本人は苦手意識を持っている。その理由も日本の「恥の文化」が影響していると考えられる。常に周りを意識する「恥の文化」が「多くをいわなくてもわかってくれる」という文化につながり、それが英語でのコミュニケーションの壁となっているのだ。

アメリカの文化人類学者であるエドワード・ホール氏が提唱している概念に、「ハイ・コンテクスト文化」と「ロー・コンテクスト文化」というものがある。簡単に言うと、ハイ・コンテクスト文化のもとでは、いちいち言葉で伝えなくても相手の意図を察し合うことでコミュニケーションが成り立ちやすく、ロー・コンテクスト文化のもとでは、言葉で理論的に証明しなければ意思疎通が難しいということだ。

日本はハイ・コンテクスト文化であり、アメリカなどの移民国家や北ヨーロッパ諸国はロー・コンテクスト文化である。そして、グローバルなビジネス環境もロー・コンテクスト文化だ。

ロー・コンテクスト文化がハイ・コンテクスト文化よりも優れているということではない。しかしながら、グローバルなビジネス社会で生き残っていくためには、自分の意見を理路整然と明確に表現し、議論できるスキル、すなわちディベート力も身につけておくことが必要だ。

6.3. 日本人英語力アップ対策⑤:外に出よう!

日本人の英語力対策-05

日本の文化的な面が日本人の英語力アップの壁になっているとしたら、そして日本人が英語でコミュニケーションすることの壁になっているとしたら、その解決策はどんどん日本の外に出て行くことだろう。

日本の文化は確かに「恥の文化」かもしれない。「ハイ・コンテキスト文化」かもしれない。しかしながら、それらは間違いなく日本の様々な美徳につながっており、受け継いでいくべきものだと思う。

日本の外に出て色々な文化に触れると、日本と日本人を客観的にみることができ、受け継いでいくべきものや修正すべきものも見えてくる。そして、日本の美徳を維持しつつ、英語力・英語コミュニケーション力を上げ、グローバル社会で生き残っていく方法も必ず見えてくるはずだ。その方法は人によって違ってもよいと思う。どんどん外に出て行き、日本の美徳を身につけたグローバルな日本人になってほしい。

7. 日本人の英語力|まとめ

祝福
  • 日本人の英語力はアジアで最低レベルだ。英語は日本語から非常に遠い言語のため、日本人には英語を習得することが難しいのは確かだ。しかし、韓国語や中国語も日本語と同じくらい英語から遠いが、韓国人や中国人は日本人より英語ができる。
  • 日本の中学・高校での英語の学習方法では英語をコミュニケーションのツールとして使えるようにはならない。学習時間も学習量も全く足りないので日本人の英語力が低いのは当たり前だ。学習方法を見直し、学習時間と学習量を増やさなければならない。
  • 日本人は普段の生活で英語を使わなくても生きていける。必要ないから英語力が低いのは当たり前だ。近い将来英語が必要となるのであれば、自分自身を英語が必要な環境に置くことを考えよう。
  • 日本の「恥」を恐れる文化が日本人の英語力アップの壁となっていることは確かだが、その文化は日本の美徳にもつながっている。日本の美徳を維持しつつ、グローバルで生き残っていくためにも、どんどん日本の外に出て行って欲しい。
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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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