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公開日:
2024.04.30

TOEICは意味ない!話す練習を取り入れて効率的に900点を達成

TOEICの勉強をする意味はあるのでしょうか?TOEICはよくできたテストだと思います。でも、TOEICで900点などの高得点を取っても、まともに英語が話せない人はたくさんいます。

私自身、TOEICは全く意味がないとは思っていません。しかし、もしあなたがTOEICの点数を上げることだけを目標に英語の学習をしているとしたら、あなたはかなりの時間と労力を無駄にしていると断言できます。時間と労力を無駄にしたくないのであれば、是非このコラムを最後まで読んでみてください。

このコラムでは、あなたがTOEIC特化の勉強で時間と労力を無駄にしている理由と、それを避けるためのTOEICの学習方法について解説していきます。

1. TOEICで高得点をとっても英語は習得できない

困惑する人

冒頭でも指摘しましたが、TOEICで満点を取っても英語を話せない人は大勢います。言語を習得するということは、その言語を使ってコミュニケーションを取れるようにすることです。なので、話せないということは英語という言語を習得したことにはなりません。

なぜ、TOEICで高得点を取っても話せないかというと、TOEICが英語を「理解する」能力だけを測るテストだからです。つまり、英語をどれだけ正確に「聞いたり」「読んだり」できるかを測定するテストです。英語で「表現する」能力は全く問われないので、TOEICの勉強をしても、「話したり」「書いたり」する能力は獲得できないということです。

TOEICで高得点を取ってから、話せないことに気付き、オンライン英会話を始めるという、最も非効率な学習プロセスを踏んでいる方が多いのが日本人の現状です。残念です。

2. TOEICは使えない日本の英語教育の延長線

翻訳

日本人は英語を話すことが苦手です。その多くの責任は、中学・高校での英語教育にあります。

日本の英語教育は「文法訳読方式」という方法で英語を教えてきました。なんと、この方法は、古代ギリシャ語などの古文書に書かれている言語を「解読」する方法と全く同じなのです!しかも、「文字」を「解読」する方法なので、日本の学校では発音などの「音声」は全くというほど無視してきました。我々は英語を「解読」する方法、つまり「文字」を「理解する」方法しか教わっていないのです。これでは英語を使えるようになるわけがありません。

例えば、中学のときに “will” と “be going to” は「未来」を表すと教えてもらいました。そして、この2つは同じ意味だと教わりました。英語を「解読」「理解」するだけなら、この知識で十分なのですが、実際に “will” と “be going to” を使うときに、この2つのニュアンスの違いを理解して使い分けないと、うまくコミュニケーション取れないということが起こりるのです。ちなみに、“will” と “be going to” のニュアンスの差なんてものは、超基本的なことです!

また、例えば、”Yellow Hat”(イエローハット)と “Pizza Hut”(ピザハット)の「ハット」は全く異なる単語で、発音も全く異なります。このような違いを知らなければ、相手に通じないし、相手のいうことを理解できません。発音は単語と文法と同様に非常に重要な言語の基本要素なのにも関わらず、学校では一切教えてくれません。

このように、日本の中学・高校での英語教育では、英語の「文字」を「理解」することだけに集中し、使えるようにするということを全く無視してきました。そのような英語の勉強を続けてきて、社会人になったら TOEIC重視の社会です。「読む」「聞く」(理解すること)重視の英語の勉強が続くわけです。

これでは日本人が英語を使えるようになるわけありませんよね。

なお、日本の英語教育の問題点については、改革案とともに「【日本の英語教育】これが絶望的問題点と絶対的改革案だ!」に詳しく書きましたのでこちらも読んでみてください。

3. TOEICに特化した英語の勉強はかえって非効率

落ちる人

TOEICは英語のインプット(「読む・聞く」)の能力を測るテストです。脳科学(神経科学)では、インプットを繰り返すよりも、インプットしたことを繰り返しアウトプット(「話す」「書く」)した方が学習効率が高くなるといわれています。

つまり、TOEICの勉強で「読む」ことと「聞く」ことだけを繰り返しやることは非効率な学習方法だということです。読んだり聞いたりしたことを、書いたり話したりすることで効率的に脳に定着するということです。言われてみれば当たり前のことですが、TOEICの勉強をしている人でアウトプットもやっている人はあまりいません。

結果、どのようなことが起こるかというと、TOEICで高得点を取ったけど話せないことに気付き、オンライン英会話に申し込むという、最も非効率な学習になってしまうのです。。。最初から、インプットとアウトプットを同時並行的に行なっていれば、効率的にTOEICの点数も上げることができ、かつ、アウトプットの能力も同時に獲得できたのに。。。

ちなみに、第二言語習得研究では、学習の初期の段階では100%インプットに注力した方がよいと言われています。頭に英語を入ってきたら、徐々にアウトプットも入れていくことが効率的な学習だと言われています。学習レベルに応じて、インプットとアウトプットのバランスや、アウトプットの取り入れ方に注意しないと「化石化」という現象が起こってしまうと指摘されています。

なお、「化石化」とは、間違った英語が頭に固定化してしまう現象で、特に初心者の段階では気をつけなければならないと言われています。

4. TOEICで高得点を取っても話せないと恥ずかしい

恥ずかしがり屋

TOEICで800点や900点を取っていると、英語ができない周りの人からすると、あなたは英語の達人だと思われます。英語が「ペラペラ」だと思われます。しかし、実際は、800点、900点取っていても流暢に「ペラペラ」英語を話せる日本人は稀です。でも、英語ができない人は、そんなことは知りません。英語のことはあなたに任せればいいと思っています。

そのような状況で、みんなの前で英語を話さなければならなくなったらどうなるでしょう?あなたの英語を聞いて、みんなが愕然とする状況が手に取るように想像できます。みんなはどう思うでしょうか?想像しなかった事態に驚くでしょう。期待外れだと思うかもしれません。がっかりされるかもしれません。

このような状況で、あなたはどう感じるでしょう?心の中では「TOEICで高得点取ることと、話せることとは別なんだ!」と叫びたくなるかもしれません。でも、それを口で出して言ったとしても、英語ができない人には理解できないでしょう。あなたは恥ずかしくて、その場から逃げ出したくなるかもしれません。。。

一方で、多くの会社の人事は、TOEICの点数が高くても英語が話せる訳ではないということは知っています。中途採用などでTOEICの点数を重視している会社も多くありますが、あくまで足切りです。本当に英語が必要な会社は、TOEICの点数が高い候補者でも、英語での面接で話せるかどうかを確認しているのが実情です。

人事が何も知らず、TOEICの点数を信じて英語ができると思い採用された場合、あなたは入社した会社の人たちの期待も裏切ることになるでしょう。そうなると、上記同様、恥ずかしいことになるのは目に見えています。

5. TOEICはグローバルではマイナーなテスト

理解不能

TOEICはグローバルではあまり知られていないテストです。下記のグラフにあるように、TOEICの受験者は年間で約700万人いますが(2018年)、そのうちの35%が日本人で、韓国人が30%で、両者で約3分の2を占めます。

TOEIC国別受験者数

このグラフはTOEICを受験した国別(TOEICが開催された国別)なので、「その他の国」には、アメリカやイギリスでTOEICを受験した日本人や韓国人も多く含まれています。加えて、「その他の国」には日本と韓国を除くアジアの国々の人が多く含まれています。つまり、TOEICという試験は、ほとんどが日本と韓国人、加えてその他のアジア人しか受けていないということです。したがって、たとえばヨーロッパなどでは、TOEICというテストの存在を知っている人は少ないのが現状です。

一方で、「TOEFL」や「IELTS」はヨーロッパなどのグローバルでもよく知られている英語のテストです。なぜなら、これらは英語圏の大学や大学院に入学する際に要求される英語のテストだからです。この2つとも「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測るテストです。

「読む・聞く」の2技能のみを測るTOEICは、そのような教育機関に入学する際のテストとして認められていません。そのようなグローバルの教育機関では、TOEICの点数が高くても話せない人が多いことはよく知られており、全く信用されていないということです。

なお、アメリカやイギリスの語学学校や一部のコミュニティ・カレッジでは、TOEICを受け入れているところもありますが、そのような学校は日本人や韓国人をターゲットとした営利目的のところばかりです。

なお、TOEICがどのようなテストなのかは「TOEIC試験とは|初心者が知るべき基礎知識!内容・コツ・注意点」に詳しく書いています。

6. TOEICの点数と本当の英語力の向上を同時に達成する方法

喜ぶ男性

今まで “あえて” TOEICの悪口を色々と書いてきましたが、日本の社会ではTOEICの点数が重視されていることは事実です。どうしてもTOEICの点数を上げなければならない学生の方、社会人の方も多いでしょう。

そのような方はどうすればいいのでしょうか?TOEICの点数を効率的に上げつつ、本当の英語力を獲得する方法は意外に簡単です。それは、TOEICで要求される「読む」「聞く」スキルを向上するための勉強に加え、「書く」「話す」スキルを向上するためのトレーニングを同時に行うことです。

そうすれば、「読む」「聞く」ことだけに集中するよりも効率的にTOEICの点数を上げることもできますし、TOEICで高得点取っても話せないという状況も避けることができます。一石二鳥です!

しかし、注意しなければならないことも数多くあります。例えば、既に述べましたが、初級者の方は、最初は「読む」ことと「聞く」ことに集中した方が効率的です。「書く」「話す」トレーニングを入れていくタイミングは、効率的に英語の総合力を上げていくには非常に重要なのです。英語のレベルだけではありません。学習者の英語力の特徴や取れる学習時間、目標の英語力、それから性格などによっても効率的な学習方法は変わります。

また、トレーニング方法も非常に重要です。例えば、「話す」トレーニングとして、巷では「瞬間英作文」といわれる方法を一部の方々が広めていますが、このトレーニングを推奨している言語学者はいません。このような科学的知見からも全くお勧めできないトレーニング方法や学習方法が蔓延しているのが今の日本の現状ですので注意が必要です。

なお、TOEICでは話せない理由と、第二言語習得研究からの対策については「TOEIC高得点でも話せない!第二言語習得研究による理由と対策」にも書いていますので、是非こちらも読んでみてください。

ちなみに「瞬間英作文」をお勧めしない理由については「瞬間英作文の効果|始める前に知るべき科学的見地からの注意点」をご参照ください。

 

なお、The English Club では、個々の学習者様の様々な特性を考慮に入れつつ、もっとも効率的に英語の総合力とTOEICの点数を同時に向上させるための、完璧にカスタマイズされた英語学習プランを作成するサービスを提供しております。

その英語学習プランには、第二言語習得研究と脳(神経)科学研究の知見をベースとした効率的なトレーニング方法の詳細も含まれています。

また、究極に学習を効率化するために、オンラインでの学習サポートサービスも提供しておりますので、是非ご検討ください。

The English Club の英語学習についての考え方は、無料eBook『英語独学完全マニュアル』にまとめてありますので、興味のある方はこちらもダウンロードしてみてください。

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そろそろ本気で英語を習得したいとお考えの方におすすめです。また、「英会話スクールに通っているけど思うように上達しない…」「TOEICで高得点を取ったけど話せない…」などでお悩みの皆さまも是非ご一読ください。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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徹底して科学的根拠にこだわったThe English Clubの英語学習法は、
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