ビジネスでは「接待」が重要な役割を果たす。日本だけではなく、北米、ヨーロッパを含めたワールドワイドで、ビジネスをスムースに進めるために「接待」が行われている。
接待の目的は、コミュニケーションを通してお互いを知ることで良好な関係を築き、新たな仕事の獲得や進行中のビジネスを円滑にすることだ。接待中は仕事の話しはしない場合が多い。したがって「雑談力」が問われることになる。本コラムでは、接待に招待する際や別れる際の英語フレーズに加え、接待での雑談の英語フレーズも紹介する。
なお、欧米では、「breakfast meeting」「luncheon meeting」や「dinner meeting」が行われる場合も多いが、これらは食事をしながらのミーティングなので接待とは異なり仕事の話題が主になる。
ちなみに、「接待」は英語では「business entertaining/entertainment」「client dinner」「wining and dining」などと表現する。
目次
1. 接待の英語|取引先をディナーなどに招待して関係強化!
日本では死語だが、英語圏では「飲みニケーション」は意外に重要だ。重要な顧客やビジネスパートナー、潜在顧客などが来日した際はディナーに招待してみよう!
1.1. さっそくディナーに招待してみよう。
We were wondering whether you could come to dinner <sometime next week>?
<来週のいずれかの日に>ディナーにお越し頂きたいのですが?
We’d (We would) like to invite you to dinner <sometime next week>.
<来週のいずれかの日に>ディナーにご招待したいのですが。
Would you like to come to dinner <sometime next week>?
<来週のいずれかの日に>一緒にディナーはいかがですか?
How about dinner <sometime next week>?
<来週のいずれかの日に>ディナーに行きませんか?
1.2. もしあなたが招待を受けた場合:受けるときは…
That would be nice /great /wonderful.
それは良い/素晴らしいですね。
I’d (I would) love to.
是非お願いします。
I’d be delighted.
それは嬉しいです。
1.3. もしあなたが招待を受けた場合:断るときは…
I’d love to, but <I have to catch the flight>.
そうしたいのですが、<飛行機に乗らなければなりません。>
I’m sorry, but <I’ve got another appointment>.
申し訳ありませんが、<他の約束があります。>
I’m afraid I can’t come. I’m going to <visit my uncle at a hospital>.
すみませんが行けません。<おじに会いに病院に行く>ことになっています。
Thank you for asking, but I can’t.
ありがとうございます。でも行けそうにありません。
ヒント:断る場合は、何か理由も付け加えた方が丁寧なのは日本語の場合と同じです。
1.4. 日時を決めよう。
Would <Friday evening> be okay with you?
<金曜日の夜>はいかがですか?
What’s a good time? Shall we say <6 o’clock>?
何時がよろしいですか? <6時>はいかがですか?
Is <6 o’clock> too early?
<6時>は早すぎますか?
Let’s say between <6> and <6:30> ?
<6時>から <6時半>の間はいかがですか?
→ <Friday evening> would be fine.
<金曜日の夜>で結構です。
→ That sounds fine with me.
それで結構です。
→ Could we make it a bit later /earlier?
もう少し遅く/早くできますか?
→ How about <Thursday evening> ?
<木曜日の夜>はいかがですか?
1.5. 場所については…
Do you have any particular place in mind?
どこかの場所をお考えですか?
Where exactly do we go?
どこに行くのですか?
→ There is a <bar and grill> near <our office>.
<バーとグリルのお店>が<我々のオフィス>の近くにあります。
→ I’ll email you a map later.
あとで地図をメールします。
1.6. 行き方については…
What’s the best way of getting there?
一番よい行きかたを教えてもらえますか?
How can I get there?
どのように行ったらいいですか?
→ I’d (I would) recommend that you take a taxi>.
<タクシー>を使うことをおすすめします。
1.7. 最後に確認…
Let me just confirm that, Thursday at 6:00 at a <bar and grill> near <our office>.
確認させてください。<木曜日6時>に<弊社の>近くの<バーとグリルのお店>ですね。
So, that’s <6:00 on Thursday>.
<木曜日の6時>ですね。
I’m looking forward to it.
楽しみにしています。
ヒント:取引先の場合は必ず確認のメールも送付しておきましょう。その際の文面は下記を参考にして欲しい。
<ディナー招待の確認メール>
————————————–
Dear Mr./Ms. <Smith>,
<スミス>様
I am writing to confirm our dinner at <6:00pm> on <April 1st>.
<4月1日><午後6時>開催のディナーの確認のためにメールをご送付いたしました。
The venue for the dinner is a <bar and grill> called “<Kabooz’s Bar and Grill>” near <our office>. For your information, the address is as follows;
ディナーの場所は、<弊社>近くの<Kabooz’s Bar and Grill>でございます。ご参考までに、下記に住所を記載いたしました。
<Kabooz’s Bar and Grill>
<99 East 5th Street, New York City>
If you have any questions, please do not hesitate to contact me. We are looking forward to seeing you soon.
ご不明な点がございましたらご連絡ください。それではお会いすることを楽しみにしております。
Best regards,
<Taro Tanaka>
————————————–
2. 接待の英語|趣味やスポーツについての雑談で盛り上げよう!
ディナーの場では仕事以外の話しもしながら親睦を深めよう。何を話していいか迷ったら、趣味やスポーツ、休暇のことから聞いてみよう。共通点を見つけて盛り上がろう。
2.1. 趣味を聞いてみよう。
What do you do in your free /spare time?
時間があるときは何をしているのですか?
What do you usually do on the weekends?
週末はいつも何をしているのですか?
→ I go <walking /golfing /fishing /camping /skiing>.
<散歩/ゴルフ/釣り/キャンプ/スキー>に行きます。
→ I play <computer games / Japanese chess /the guitar /the Japanese harp>.
<ゲーム/将棋/ギター/琴>をします。
→ I collect <action figures /antiques /stamps>.
<フィギュア/骨董品/切手>を集めています。
ヒント:いきなり趣味について聞くのも不躾の感じになってしまう。話しの流れによって、自分のことを話してから、相手について聞くとよいだろう。
2.2. 何かスポーツをしているか聞いてみよう。
Do you play any sports?
何かスポーツはしていますか?
→ I play <football /soccer /basketball /golf /tennis /baseball>.
<フットボール/サッカー/バスケットボール/テニス/野球>をやります。
→ I go <walking /golfing /cycling /snow boarding>.
<散歩/ゴルフ/スノーボード>に行きます。
ヒント:趣味についてと同じで、何かきっかけを作ってから聞いた方がよいだろう。例えば、「You are very tall. Do you play any sports?」など。
2.3. 特別な何かに興味があるか聞いてみよう。
Are you interested in <climbing /action figures /movies>?
<登山/フィギュア/映画>に興味はありますか?
→ Yes, I’m interested.
はい、興味があります。
→ I’m afraid not, but I’m interested in <Japanese animation>.
残念ながらありません。でも<日本のアニメ>には興味があります。
2.4. 特別な何かが好きかどうかを聞いてみよう。
Do you like <photography /Japanese tea ceremony /rock music /movies> ?
<写真/お茶/ロック音楽/映画>は好きですか。
→ Yes, I like it.
はい、好きです。
→ I’m afraid not, but I like <action figures>.
残念ながら好きではありません。でも<フィギュア>は好きです。
2.5. 休暇の予定を聞いてみよう。
Do you have any plans for <this summer>?
<今年の夏>は何かご予定はありますか?
Where are you going to go <this summer>?
<今年の夏>はどちらに行かれますか?
→ I plan to go to <Africa this summer>.
<今年の夏はアフリカ>に行く予定です。
→ I’m going to take a trip to <Africa>.
<アフリカ>に行く予定です。
Why did you think about going to <Africa>?
なぜ<アフリカ>に行きたいと思ったのですか?
What made you think about going to <Africa>?
何が<アフリカ>に行きたいと思ったきっかけですか?
→ <My kids> would like to go there to <see wild animals>.
<子ども>がそこで<野生の動物>を見たいそうです。
Who are you going to go with?
誰と行くのですか?
→ I’m going to take <my kids and parents> there.
<子どもと両親>と一緒に行く予定です。
How long are you going to stay?
どれくらい滞在する予定ですか?
→ We’re going to stay there for about <a week>.
<1週間>程度滞在する予定です。
ヒント:自分の予定も話してみよう。相手を共通点が見つかれば話しも盛り上がる。
3. 接待の英語|別れる際の気遣いでポイントアップ!
ミーティングや食事など、行かなければならないことを相手の気を害さないように丁寧に告げることはちょっと大変だ。決まった言い方を覚えておこう。
3.1. 行かなければならないことを伝えるには…
I’m afraid I’ll have to go, otherwise I’ll miss my flight.
申し訳ありませんがもう行かなければなりません。飛行機に乗り遅れてしまいます。
I should be thinking about going.
そろそろ行かなければならないと思っています。
I really should leave now.
本当に行かなければなりません。
I’d (I would) better leave now.
もう行かなければなりません。
OK. I’d (I would) be better be off.
もう行かないと。
3.2. お礼を言おう。
It’s (It has) been great working with you.
あなたと仕事ができてよかったです。
I really appreciate <everything you’ve (you have) for me>.
<あなたが私にしてくれたこと>に本当に感謝します。
We’ve (We have) had a wonderful time.
素晴らしい時間でした。
Everything was great.
全てが素晴らしかったです。
→ The same for me.
こちらこそ。
→ No problem. I hope it was useful.
どういたしまして。お役に立っていたら嬉しいです。
→ I’m glad you found it interesting.
楽しんで頂いて嬉しいです。
→ I’m pleased you enjoyed it.
楽しんで頂いて嬉しいです。
ヒント:ミーティングでも食事でも、必ず最後はお礼を言って別れよう。たとえ交渉が物別れに終わったとしても。こういう形式は結構重要だ。
3.3. 次に会う機会について…
I hope we’ll see you again soon.
また近いうちにお会いすることを楽しみにしています。
I look forward to seeing you <next month>.
<来月>またお会いすることを楽しみにしています。
Give me a call next time you are in <Tokyo>.
次回<東京>にいらしたときは連絡をください。
Keep in touch.
連絡を取り合おう。
3.4. 連絡先を確認しよう。
You have my business card with my <email address>.
<メールアドレス>が記載されている私の名刺をお持ちですよね。
Let me give you my business card.
私の名刺をどうぞ。
Do you have my <phone number>?
私の <電話番号>はご存知ですか?
Can I give you my <email address>?
私の <メールアドレス>をお伝えさせてください。
Let me give you my <email address>.
私の <メールアドレス>をお伝えさせてください。
ヒント:日本人はあまりこのような確認はしないが、英語圏ではする人が多い。理由はわからない。
3.5. 最後のお別れの言葉は…
いよいよお別れだ。笑顔を忘れずに。握手を忘れずに。日本人らしくお辞儀も忘れずに。なお、相手が見えなくなるまで見送る習慣は英語圏ではない。
Have a safe journey!
お気をつけてお帰り下さい。
Take care!
お気をつけて。
Have a good trip!
よい旅を。
Bye!
さようなら。
→ Thanks.
ありがとう。
→ You too.
あなたも。
→ Same to you.
あなたも。
→ Goodbye.
さようなら。
ヒント:お疲れ様でした。取引先には「Thank you」emailを送っておこう。メールの書き方は「ビジネス英語メール|件名・書き出しから結びまで!使える例文100選」を参考にしてほしい。
4. 接待の英語|接待では避けたい話題
英語での接待の場で避けた方がいい話題をあげておこう。接待の目的は、相手との距離を縮め、ビジネスを円滑に進められるようにすることだ。相手に嫌な思いをさせたら本末転倒だ。
- 年齢:親しくなってからなら問題ないが、初対面では年齢の話しは避けよう。女性に対しては親しくなってからでも聞かない方がいい。
- 宗教:日本人は宗教に疎いので特に気を付けた方がいい。戦争の多くが(少なくとも表向きは)宗教を原因としていることを忘れてはいけない。
- 政治:英語圏の人は政治についても自分の主義・主張を持っている人が多い。ほぼ一党独裁(?)の日本ではあまりいないかもしれないが、英語圏では気を付けた方がいい。
- 容姿:容姿の話はセクハラにつながる。女性に対してだけではなく男性に対してもだ。最近は日本でもうるさくなってきたが、日本はまだ甘いと考えた方がいい。
- 収入・家族他プライベートのこと:英語圏では、仕事とプライベートを分けるのは当たり前だ。相手が自分から話題にしない限り、こちらから積極的に聞くことは避けたい。
『ビジネス英語必携表現集』
シーン別・時系列で完全網羅(全123ページ)
英語を効率的に習得する上で、頻繁に使用される定型フレーズや言い回しを覚え、使えるようにしていく学習は必須です。特にビジネスで使用される英語は、定型フレーズの占める割合が高いといわれています。本書を活用して頂き、ネイティブにとってナチュラルな英語を使えるようにしていきましょう!
無料eBookの主な内容
- 電話の英語
- 受付の英語
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- 会議の英語
しかしながら、真のスピーキング力を身につけるには、定型フレーズを覚える「トップダウン学習」だけでは不十分です。単語・文法・発音を組み合わせて無限の文章を自由自在に使えるようにする「ボトムアップ学習」も同時並行的に行うことをお勧めします。