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公開日:
2019.10.28

英会話の単語は1000語でOK!大人の初心者は単語の質と習得法に注意!

「英会話」で必要な英単語は1000語でいい。しかし深く学ぶ必要がある。そして一番重要なことは、「どの英単語をどのように覚えれば効率的なのか」ということだ。

このコラムでは、「英会話」に必要な英単語の数と質、そして効率的な習得法と、おすすめ教材をご紹介する。

最初に、第二言語習得研究の知見をもとに、「英会話」に必要な英単語の数と質について説明する。その後に、第二言語習得研究と脳科学(神経科学)研究の知見を応用した、「英会話」のための効率的な英単語の覚え方をご紹介する。

1. 英会話に必要な単語数|話し言葉は書き言葉より英単語数が少ない!

英語のフレーズ集

英会話での言葉は「話し言葉」(Spoken English)であり、本や新聞、仕事の書類などに書かれた「書き言葉」(Written English)とは異なるところが多い。

1.1. 英会話だけを学びたいのなら単語学習の負担は減る!

単語については、一般的に、書き言葉に比べて、話し言葉の方が簡単な単語が使われる傾向があるので、必要となる単語数は少なくなる。これは、人は認識語彙(理解はできるけど使えない語彙)よりも運用語彙(理解できるし使える語彙)の方が少ないからだ。

英会話では、運用語彙で話すことになる。当然、人によって運用語彙の幅は違ってくるが、書き言葉よりも、自分の認識語彙が出てくる可能性は低くなるので、必要となる単語数が少なくなる。

つまり、英会話(話し言葉)だけが必要なのであれば(読み書きを重視しないのであれば)、英単語の学習の負担は減ることになる。

多くの仕事

1.2. 英会話の単語は10%少なくてよい!

神戸大学の石川慎一郎教授の調査結果を見ると、話し言葉の方が書き言葉よりも単語数が少ないことがよくわかる。

話し言葉と書き言葉の英単語数の違い

*出典:神戸大学・大学院准教授 石川慎一郎(2012)「ベーシック コーパス言語学」

上図は、話し言葉と書き言葉で、英単語数10〜5,000語の占める割合をグラフにしたものだ。イギリス英語のデータベース(International Corpus of English)を調べた結果だ。

「T1K」(最重要語1,000語)のところを見ると、書き言葉では約75%、話し言葉では約85%を占めていることがわかる。これは、最重要語1,000語を知っていれば、全単語のうち、それぞれ約75%と約85%の単語は理解できるということだ。話し言葉は書き言葉よりも約10パーセンテージポイントも少なくてよいことがわかる。

なぜ最重要語「1,000語」なのかを次の章で説明しよう。

ちなみに、専門的になるが、上記の単語数は「レマ単位」で数えたものだ。「レマ単位」とは、文法ルールに則って変化する語(活用語)は一つの語として数えるが、「派生語」は別の単語として数える。

なお、英語学習に必要な単語数の詳細については「英語の単語数は2000語で80%!数より質で効率的に語彙力アップ」も参考にして頂きたい。

2. 英会話に必要な単語の質|まずは最重要語1,000語を深く学ぶこと!

勉強する人

獨協大学の教育工学准教授の堀江氏は、英語を適切に理解するには最低でも80%以上の単語を知っている必要があると指摘している。

上記で紹介した神戸大学の石川准教授の調査結果と合わせると、話し言葉(英会話)の場合は、最重要語1,000語を知っていれば、会話を適切に理解できるということになる。だから、まずは最重要語「1,000語」なのだ。

2.1. 英単語の最重要語1,000語とは?

英単語1,000語といっても、どの単語でもよいわけではない。英会話で最も頻繁に使用される「最重要語の1,000語」を覚えなければならない。

英会話では最重要語1,000語で約85%を占めることを上記で説明したが、1,001語目から2,000語目までの1,000語では、約5%程度しか占めない。覚えるべき単語の選択が重要なことが理解できるだろう。

ではどの1,000語を覚えればよいのだろうか?お勧めは中学3年間で習う英単語だ。

2.2. まずは中学で覚える最重要英単語を総おさらい!

学校の制服

学習指導要領によると、我々は中学校で最低でも1,100〜1,200の英単語を習った。それらの単語は間違いなく、これから最も頻繁に出会う最重要語だ。まずはこれらを総おさらいすることをお勧めする。

中学校で習う英単語といってもバカにしてはならない。なぜなら、これらの単語は認識語彙ではなく、運用語彙にする必要があるからだ。つまり、見たり聞いたりして理解できるだけではなく、話したり書いたりするときに自分でも自由に使えるようにしなければならないのだ。

もう一つ重要なことは、これらの最重要語は「深く」学ぶ必要があるということだ。

2.3. 最重要語は深く学習しよう!

最重要語は、あなたがこれから最も頻繁に出会う単語だ。しかし、毎回同じ意味で出てくるとは限らない。最重要語は色々な意味を持っている場合が多いからだ。それらの単語を「深く」理解し、使えるようにしなければならない。

  • She took a book from the shelf.
    (彼女は本棚から本を一冊とった。)

例えば、「take」(過去形:took)という動詞は、上の例文にあるように、「取る」と覚えている人が多いだろう。しかし、「take」は「取る」以外にも下記のような色々な意味がある。

  • I have to take a test tomorrow.
    (私は明日テストを受けなければならない。)
  • You should take a shower.
    (あなたはシャワーを浴びるべきだ。)
  • I will take a bus to the library.
    (私はバスに乗って図書館に行く。)
  • I take a walk around the park every morning.
    (私は毎朝公園の周りを散歩する。)

このように、「take」は「取る」とだけ覚えていても全く意味がない。最重要語は、例文とともに、色々な意味を「深く」学習する必要があるのだ。

2.4. 最重要語は群動詞(句動詞)も重要!

最重要語の動詞は色々な使われ方をする。動詞の後ろに前置詞や副詞がついて、色々な意味に派生するのだ。このような「動詞+前置詞」や「動詞+副詞」のことを、「群動詞」もしくは「句動詞」というが、覚えておくべきものは数多い。

英会話では難しい単語はあまり使われない。その代わりに、この「群動詞(句動詞)」が頻繁に使われる傾向があるのだ。

例えば「take」では、覚えておかなければならない群動詞が、下記のように数多くある。

  • He took out a key from his bag.
    (彼はバッグから鍵を取り出した。)
  • Please take off your shoes here.
    (ここで靴を脱いでください。)
  • She took over the business from her father.
    (彼女は父親からビジネスを引き継いだ。)
  • The concert will take place in a hotel.
    (コンサートはホテルで行われる。)
  • He will take care of my dog while I am away.
    (私がいない時は彼が私の犬の世話をする。)

この「take」の例のように、最重要語は、毎回同じ意味・同じ使われ方では出てこないので、「深く」学習して自分でも使えるようにしていく必要があるのだ。

3. あなたの英会話に必要な単語|自分の目的に合った重要語を覚えること!

雄弁な人

中学校で習う最重要語は、どのような場面の英会話でも絶対に必要となる単語たちだ。一方で、英会話の目的によって追加で覚えなければならない単語もある。

例えば、ビジネスで英会話が必要であれば、自分の仕事の専門用語を覚える必要がある。キャビンアテンダントの方であれば、機内でお客様の対応時に必要となる単語を覚えなければならない。また、海外旅行が目的であれば、空港や空港、ホテルや、買い物、食事に関連する単語を追加で覚えておけば安心だろう。

効率的に英会話を習得するために気を付けて頂きたいことは、必ず自分の目的に合った単語を覚えるということだ。英単語は無数にある。その中で、自分が必ず必要となるであろう単語のみを、フレーズとともに覚えていくことをお勧めする。

例えば、インバウンド(海外から)の旅行客相手に英会話が必要なのに、「Sex and the City」(セックス・アンド・ザ・シティ)や「Friends」(フレンズ)などのドラマで英会話を勉強するようなトンチンカンことはしてはいけない。全くの非効率だ。

4. 英会話の単語の習得法|聞いて・発音して・フレーズで繰り返して習得!

トレーニングしている人

最重要語1,000語は理解できるだけではなく、自分でも自由に使えるようにしなければならない。そのための効率的な方法をご紹介する。英単語を効率的に覚え、使えるようにするためのトレーニング方法だ。

トレーニング方法は全部で8つある。それぞれ単独でも効果はあるが、順番に連続して行うとより効果が高くなるので是非試してほしい。

なお、ここでは概略のみを紹介する。詳しくは「英単語の覚え方|科学的勉強法で暗記を効率化!自動化トレ8選」に記載しているのでこちらも参考にして頂きたい。

4.1. 聞き取り(Listening)

単語集を見ないで、集中して音源を聴く。見出し語と例文を聴いて、どれくらい理解できるか確かめる。聞き取れない場合は、2〜3回聴く。

4.2. アイ・シャドーイング(Eye-shadowing)

単語集の見出し語と例文を目で追いながら音源を聴く。意味はもちろんだが、発音とアクセントの位置を意識しながら繰り返し聴いてみる。

4.3. 音読(Reading aloud)

見出し語を、意味・発音・アクセントの位置を意識しながら音読する。次に、例文を音読しながら意味と文の構造(文法)を確認する。わからないところは辞書や文法書で確認すること。その後、例文を意味と発音を意識しながらスムーズに音読できるまで繰り返すこと。

4.4. オーバーラッピング(Overlapping)

例文を目で追いながら、そして音源を聴きながら、音源にぴったり重ねるように発音してついていく。声を出せないところでは、口パク(リップシンク)でもOK。スピードについていけるようになるまで繰り返し練習する。

4.5. ルックアップ&セイ(Look-up & say)

例文を1文黙読した後、顔を上げて(ルックアップ)暗唱(セイ)する。慣れてきたら、意味と発音を意識して何度も練習すること。発音があいまいな場合はアイ・シャドーイングに戻る。

4.6. リピーティング(Repeating)

単語集を見ないで、見出し語の音源を聴き、その後すぐに声を出してリピートする。例文も、単語集を見ないで1文を聴き、音源を止めてリピートする。必ず意味を意識して行うこと。意味の次に、発音を意識して何度も繰り返すこと。

4.7. シャドーイング(Shadowing)

単語集を見ないで、音源を再生し、1〜2語程度遅れて影のように声を出して追っかけていく。見出し語も例文も、必ず意味を意識しながら行うこと。スピードについていけない場合はオーバーラッピングに戻る。意味の次に、発音を意識しながら何度も繰り返すこと。

なお、最初は上記の7つのトレーニングを順番に行うことをお勧めするが、慣れてきたら音読とシャドーイングのみを繰り返せばよい。

4.8. <おまけ> 書き写し(Transcribing)

例文を1文黙読した後、その1文を一気に書き写す。途中でチラチラと英文を見ない。どうしても覚えられない場合は音読すると覚えやすい。スペリングが苦手な方は是非試して頂きたい。

5. 英会話の単語の習得法|おすすめ教材

英会話用の単語集は、最重要語1,000語がカバーされており、かつ例文と共に、それらの意味を深く説明しているもの。そして音源がついているものを選んで頂きたい。お勧めを1冊ご紹介する。

DataBase1700使える英単語・熟語3rd Edition[桐原書店]¥850+税
使える英単語・熟語DataBase-1700

中学1年〜高校1年で実際に使用している教科書から最重要語を掲載している。中学英語からおさらいしたい方向け。最重要語ばかりなので、英会話用の単語を習得するにはオススメ。”have” や ”take” などの基本動詞の使い方を深く説明しているコーナーもある。例文も多く掲載されており、音源も付属している。何よりも850円(税別)と安い!DataBaseシリーズ4つのうちの初級者用。

 

もう1冊は、最重要語1,000語にはどのような単語が含まれているのかを確認できる単語集だ。残念ながら、例文や音源がついていないのでトレーニング用ではないが、自分の単語力を確認するにはよい単語集だ。

「JACET8000英単語」(桐原書店)¥2,000+税
JACET8000英単語

コーパスなどの膨大な言語データベースから、主に使用頻度をもとに選定した8,000語を、使用頻度順に掲載している。自分のレベルの確認や覚えるべき単語を確認するのに役立つ。例文や音源がないのでトレーニング用ではない。

 

実は、最重要語1,000語を深く学習できる単語集は少ない。したがって、自分が必要とする例文(会話文)が多く掲載されている会話集で単語を習得する方法もある。会話集で学習する際に注意して頂きたいことは、例文(会話文)を丸暗記しないことだ。しっかりと単語と文の構造(文法)を理解した上で例文を覚えて、使えるようにして頂きたい。

なぜなら、ただ例文(会話文)を丸暗記しているだけでは、応用が利かなくなるので英語力は伸びないからだ。会話文には難しい単語や難解な文法は使われないので、自分で確認しながら習得していって頂きたい。

ビジネスパーソンの皆さま向けに会話集を1冊ご紹介する。

仕事で使えるMyフレーズ[Z会]¥1,600+税
仕事で使えるMyフレーズ

初級者用のビジネス英会話教材。中学レベルの単語と文法で、仕事で使える表現を学ぶことが目的の教材。音声ファイルは無料でダウンロード可能。ビジネスでよく使用される表現とともに最重要単語も覚えられる。基本文法の説明も掲載されている。

6. 英会話の単語|まとめ

祝福
  • 一般的に、書き言葉に比べて、話し言葉の方が簡単な単語が使われる傾向があるので、英会話で必要となる単語数は少ない。
  • 複数の言語学者の研究結果と総合すると、話し言葉(英会話)の場合は、最重要語1,000語を知っていれば、会話を適切に理解できるということになる。
  • 英会話では最重要語1,000語で約85%を占めるが、1,001語目から2,000語目までの1,000語では約5%しか占めない。覚えるべき単語の選択が重要だ。
  • 最重要語は色々な意味を持っている場合が多い。そして群動詞も多い。それらの単語を「深く」理解し、使えるようにしなければならない。
  • 最重要語1,000語に加え、自分の英会話の目的に合った単語も追加で覚える必要がある。効率的に覚えるためには、それらの単語や最重要語を、自分が必要とするフレーズとともに覚えていくことをお勧めする。
  • 最重要語1,000語は理解できるだけではなく、自分でも自由に使えるようにしなければならない。そのための効率的なトレーニングは8つある。是非試して頂きたい。
  • 英会話用の単語集は、最重要語1,000語がカバーされており、かつ例文と共に深く説明しているもの。そして音源がついているものを選んで頂きたい。
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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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