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公開日:
2021.01.27
更新日:
2021.02.03

英文法の参考書・問題集|おすすめ7種類の文法書を徹底検証!

社会人・大人向け英語の文法書(英文法の参考書と問題集・ドリル)のうち、人気の厳選7種類を徹底的に検証する。この中から自分に合った英文法書を見つけよう!科学的見地からの効率的な英文法の勉強法も解説する。

英文法 参考書 チャート

英文法書は慎重に選んだ方がいい。自分の英語レベルと目的に合わないものを選んでしまうと、文法学習がいっそう苦痛に感じるばかりか、いつまでたっても目的地に到達できなくなる。

本コラムで検証する文法書は上図の7つである。難易度(初級者用〜上級者用)と用途(実用書・辞書)で分類分けした。ちなみに、「実用書」は最初から順を追った学習を、「辞書」はわからないことがあった場合の「辞書的」な使用をおすすめする。

それぞれの詳細を解説しよう。

1. 英文法の参考書・問題集『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

CD付属 山田暢彦(監修)[学研]¥2,300+税

1.1. 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』総評

「中学3年間で習う英文法を一から丁寧にわかりやすくまとめた良書。練習問題も多く、CDも付属しているので定着させて自分でも使えるようにできる。説明が若干くどい。」

本書は、中学生向けの「中1英語をひとつひとつわかりやすく。」「中2英語をひとつひとつわかりやすく。」「中3英語をひとつひとつわかりやすく。」の3冊を1冊にまとめたものだ。中学英語の学び直し用として、大人の皆さまにもお薦めできる英文法の超入門書だ。

良い点

超入門書といっても、あなどってはいけない。本書に書かれていることが全ての土台となる。土台をしっかりと作っておかないと、うわものは頼りないものになってしまう。そして、本書に書かれていることは、理解できるだけではダメだ。自分で自由に使えるようにする必要がある。

仕事で英語が必要な人も多いだろう。そのような皆さまは「自分の言いたいことを自由に表現できる英語表現力」が必要となる。そのための文法は、本書にある中学文法だけで十分なのだ。中学文法を自由に使いこなせることができれば(そして必要な単語を覚えれば)、自分の言いたいことは自由に言えるようになる。

本書はそれを達成するためのものだ。理解するための丁寧な説明と、それを定着させ、自分でも使えるようにするための練習問題と音源(CD)をフルに活用すれば達成できる。

一方で、大人向けとしては若干説明がくどいという欠点もある。中学生にとっては丁寧でわかりやすいかもしれないが、大人にとってはもっと簡潔に説明した方が良いところが少なくない。それは、中学生から大人まで、幅広い層をターゲットとしている弊害の一つだろう。

悪い点

欠点もあるが、中学英語からやり直したいという方にはお薦めできる一冊だ。The English Clubの本書の総合評価は【4.0/5.0】だ。

1.2. 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。

中学3年分の全文法を1冊で総復習できる|中学生向け参考書3冊の内容を、コンパクトサイズの1冊にまとめました。この1冊で、中学で学習するすべての文法項目を網羅しています。難しい用語を避けた解説で、超基礎からやさしく学べます。

学び直し用の追加情報も充実|高校生や大人の方のために練習問題を増やしました。さらに、この本の終了後に次の学習(高校の参考書など)にスムーズに移行できるよう、一般的な文法用語などを解説するコラムを新たに追加しました。

英文の読み方がわかるCDつき|練習問題のすべての英文が吹き込まれたCD(2枚)がついています。正しい読み方が確認できるだけでなく、音読練習を通じて「聞く・話す」力の基礎を養えます。

英語力の土台をつくる反復練習|書き込み式のやさしい練習問題をたくさん解くことで、英語で文を組み立てる力が自然に身につきます。1回分はたったの2ページなので、無理なく学習を進められます。

なお、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』の学習効果分析などの詳細は「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく|内容・使い方・効果を検証」を参考にしてほしい。

2. 英文法の参考書・問題集『Grammar in Use』シリーズ

Grammar in Use シリーズ

「英語を使うための実用的な文法書。おすすめはオリジナル版(イギリス英語中級編)。音声などの欠点もある。しかし、基礎文法は身につけたが英語が使えないという方には是非チャレンジしてほしい一冊。」

良い点

「The world’s best-selling grammar book」の宣伝文句にふさわしい文法書。日本の出版社から出ている文法書とは一線を画す実用的な文法書だ。英語の非ネイティブ・スピーカーが英語を使うために必要な文法を網羅しているといっていい。「かゆいところに手が届く」文法書である。

しかし、この「Grammar in Use」シリーズのうち、おすすめする版は限られる。致命的な欠点もある。そして、対象学習者もある程度限定される。

おすすめは、「English Grammar in Use」。このシリーズはこのイギリス英語版から始まった。元々のオリジナル版だ。一方で、一番の欠点は音声の使い勝手がよくないこと。残念ながら、最新版(2019年5月現在)の「Fifth Edition」でもあまり改善が見られなかった。対象は、やる気のあるTOEIC500点以上の方向け限定といっていい。

悪い点

この「Grammar in Use」は欠点もある。しかし、日本の英語学習者用の、英語を使うための文法書としては最適な一冊だ。基礎的な文法の知識はあるが、もっと英語を使えるようになりたいかたは是非チャレンジしてほしい。

The English Clubの本書おすすめ度は 【4.5/5.0】 だ。

2.1. 『English Grammar in Use 5th Edition』(イギリス英語版中級編(オリジナル版))

English Grammar in Use

eBook付 Raymond Murphy (著)[Cambridge University Press]¥4,000程度

『English Grammar in Use 5th Edition』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。The English Clubによる日本語訳もつけた。

Raymond Murphy’s English Grammar in Use is the first choice for intermediate learners and covers all the grammar you will need at this level. Its clear explanations and practice exercises have helped millions of people around the world improve their English. It is perfect for self-study but can also be used by teachers as a supplementary book in classrooms.

(English Grammar in Useは中級の学習者に最適だ。このレベルに必要な文法を全てカバーしている。明確な説明と練習問題は世界中の人の英語の向上を助けてきた。独学に最適だが、クラスの補助教材としても使える。)

Use the study guide to help you find the units you need to study.

(あなたが学習が必要なユニットを見つけるために「Study Guide」を使おう。)

Read the grammar explanations on the left-hand page and complete the exercises on the right.

(左のページで説明を読んで、右のページで練習。)

The book will be useful for you if you are not sure of the answers to questions like these:

(下記の様な質問の答えがあいまいな方向けに最適な本です。)

・What is the difference between “I did” and “I have done”?
(“I did”と“I have done”の違いは?)

・When do we use “will” for the future?
(未来の“will”はどの様なとき使う?)

・What is the structure after “I wish”?
(“I wish”の次に続く形は?)

・When do we say “used to do” and when do we say “used to ding”?
(“used to do”と“used to ding”はいつ使う?)

・When do we use “the”?
(“the”はいつ使う?)

・What is the difference between “like” and “as”?
(“like”と“as”の違いは?)

2.2. 『Essential Grammar in Use 4th Edition』(イギリス英語版初級編)

Essential Grammar in Use

eBook付 Raymond Murphy (著)[Cambridge University Press]¥4,000程度

『Essential Grammar in Use 4th Edition』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。The English Clubによる日本語訳もつけた。

Clear examples and easy-to-follow exercises make Essential Grammar in Use perfect for independent study. Used by millions of learners around the world, it covers all the grammar you will need at this level.

(クリアな例文と理解しやすい練習問題が、「Essential Grammar in Use」を独学用の完璧な教材にしています。世界中の数百万の英語学習者に使われており、このレベルで必要な文法項目の全てをカバーしています。)

The book is for elementary learners, i.e. learners with very little English, but not for complete beginners. It is intended mainly for elementary students who are beyond the early stages of a beginners’ course. It could also be used by low-intermediate learners whose grammar is weaker than other aspects of their English or who have problems with particular areas of basic grammar.

(この本は初心者向けです。例えば、ほとんど英語を知らない方向けですが、全くの初学者向けではありません。全くの初学者向けコースを超えたレベルの方向けです。中級者の下のレベルの方で文法が苦手な方や、基本文法の特定の部分が苦手な方向けにも使用できます。)

なお、『Grammar in Use』シリーズの学習効果分析などの詳細は「Grammar in Use|文法教材としての内容・やり方・効果を徹底検証」を参考にしてほしい。

3. 英文法の参考書・問題集『総合英語Evergreen』

総合英語エバーグリーン

川崎芳人ほか(著者)[いいずな書店]¥1,520+税 例文音声無料ダウンロード

3.1. 『総合英語Evergreen』総評

「ビジネスパーソンにもお勧めできる定番英文法書。辞書的に使用したり、音声を活用して総合的な英語力を向上させることもできる。余分なPart 4が加わったことが残念。」

良い点

本書には基本の英文法が網羅されているといっていい。初級・中級者向けだが、英語が必要なビジネスパーソンの皆さまにも十分の内容だ。

各章Part 1の「これが基本」、Part 2の「理解する」、Part 3「深く知る」と、難易度を徐々に上げて説明しているところが本書の特徴の一つであり、脳科学的にも効率的な学習方法である。

無料ダウンロードできる例文の音声はほぼナチュラルなスピードで収録されている。読むだけではなく、聞き、発音することで効率的に学習できる。そして、音声変化もナチュラルなので、リスニング・トレーニングにも十分に使える。

悪い点

「Forest 7th Edition」を持っているのなら買い換える必要は全くない。不必要な「Part 4 確認する」が加わっただけで、内容は全く同じだからだ。「Part 4」は全24章のうち、10章のみに追加されている。

例文は、英文法書にありがちな「全く使えない」例文でもなく、「ぜひ覚えておきたい」例文でもない。文法項目を理解するためだけの例文で単純明快。逆に汎用性があるかもしれない。

筆者が「Part 1」を説明しているYouTubeの動画は見る価値はない。読んだ方が早い。アプリは高校生がターゲット。例文をリピートした声を判定する機能と自分の声が聞ける機能だけなのであまり付加価値はない。「完全準拠文法問題集」は「英文法を勉強」したい人向け。使える英文法を目指すなら、「自動化トレーニング」(後述)をおすすめする。

The English Clubの本書の総合評価は【4.0/5.0】だ。

3.2. 『総合英語Evergreen』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。

• 英文法の「なぜ?」をしっかり理解: 英文法を身につけるには、単に暗記するのではなく、ルールの「なぜ?」をしっかり理解することが大切です。『総合英語Evergreen』では、英文法のルールの「なぜ?」をわかりやすく、ていねいに説明しています。

• 基本から発展まで スムーズに学習できる構成: 基本をしっかり理解してからより深い学習に進めるよう、Part 1「これが基本」→ Part 2「理解する」→ Part 3「深く知る」という3部構成になっています。(…)英文法の全体像をしっかりと身につけることができます。

• 「わかりやすさ」を徹底追求: ことばでのていねいな説明や学習しやすいレイアウトはもちろん、イラストや概念図をふんだんに取り入れ、英文法を多角的に理解できるようになっています。

• 動画解説: 英文法の重要項目の基本的な概念を、著者がわかりやすく解説した動画をご用意。

• 学習アプリ: ターゲット例文をさまざまなかたちで確認できる学習アプリをご用意。

なお、『総合英語Evergreen』の学習効果分析などの詳細は「総合英語 Evergreen|Forestから進化?内容・使い方を徹底検証」を参考にしてほしい。

4. 英文法の参考書・問題集『表現のための実践ロイヤル英文法』

表現のための実践ロイヤル英文法

CD付属 綿貫陽/マーク・ピーターセン(共著)[旺文社]¥2,100+税

4.1. 『表現のための実践ロイヤル英文法』総評

「基礎をマスターした方が、自分の言いたいことを正確に表現するための参考書としてはおすすめ。良くも悪くも、日本語を正確に英語に訳すことを目的とした文法書。」

良い点

ビジネスパーソンの方で、実務で英語を使用されている方や、英語で論文を書く必要のある研究者の方などが、自分の言いたいことを正確に表現するための「辞書」として使用するにはおすすめの文法書だ。英語を教えている方にもよい参考書になるだろう。英文法の基本をマスターした方向けの辞書であり、決して初心者の文法学習用教材でなはない。

本書は「表現のため」の文法書であることを強調しているが、従来の「学問としての英文法書」とあまり変わりはない。そのよいところは、文法書にあるべき文法項目がすべて網羅されているところだ。そして、文法解説については、「一億人の英文法」や「総合英語Evergreen」(Forest)などと比べると、より詳細に記述してある。

悪い点

一方で、従来の文法書にありがちな欠点も少なくない。まずは、本書は、日本語を英語に訳すスキルを向上することで、英語で正しく表現できるようにすることを目的とした文法書だということだ。英語は「訳す」ことをやっている限り、流暢に使いこなせるようにはならない。日本の「使えない英語教育」の元凶と言っていい。

文法項目の区分け(目次)も従来のものと代わり映えしない。「表現のため」の英文法であるならば、改善できる点が多くある。

また、別冊の「表現のための暗記用例文300」には、必ずしも暗記に適しているとは思えない例文が少なくない。例文の選定方法が原因だ。しかしながら、この別冊の例文と付属のCDを活用して「英語脳」を作るトレーニングはできる。おすすめは「ディクトグロス」と「リフレージング」だ。

The English Clubの本書の総合評価は【3.5/5.0】だ。

4.2. 『表現のための実践ロイヤル英文法』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。

• 本書は、高校生程度以上の学生、教師および一般社会人の英語学習者を対象として、自分の考えや事実を、英語で正しく表現できるようにすることを目的とした学習書である。(著者:綿貫陽氏)

• 本書は、まず英文法のさまざまな事項の中から、英語で表現するためにぜひ必要なものを徹底的に精選し、それを根底に置いて、自分の言いたいことを英語で表現できるような足固めをすることにした。(著者:綿貫陽氏)

• 本書は、何よりもまずなるべく英語のネイティブ感覚を身につけて「標準英語」を話し、書くことができるようになることを目標としている。(編集部)

• 文法的解説は、「標準英語」で文を書き、話すという見地から、枝葉末節的なことすべて省き一時的に流行している俗語などは取り上げていない。(編集部)

• (別冊「英作文のための暗記用例文」から) 英文を書くためには、いろいろな見地から精選した短文を暗記することが不可欠と言われている。そこで本冊の英文から必須の短文300選び、和英対照式で覚えやすくして提供した。(編集部)

なお、『表現のための実践ロイヤル英文法』の学習効果分析などの詳細は「表現のための実践ロイヤル英文法|内容・使い方・効果を検証!」を参考にしてほしい。

5. 英文法の参考書・問題集『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』

Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル2

Evine(恵比須大輔)(著)[アルク]¥1,700+税

5.1. 『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』総評

「中学英文法を「5文型」「文法用語」からきっちり学習したい方向け。中学校で配られるプリントのようなものを1日1時間以上30日間続けられるかどうかが鍵。」

良い点

本書は、良くも悪しくも、日本の中学校での英文法教育をそのまま凝縮した文法教材である。中学で学んだ英文法を、そのままの方法で、文法用語などもきっちりと復習したい人向けだ。特に、英語は「5文型」が非常に重要だと思っている方にはおすすめである。

悪い点

本書は、日本の学校英語教育と同様に「5文型」を重視している。それが故に、初心者にとって理解しにくい部分が少なくない。それが冒頭に出てくるので、最初で脱落してしまう方が多いであろう。

本書は「読みやすさ」については全く気を使っていない。どこを開けても、中学校で配られるプリントのように文字だらけである。かつ、分かりにくい説明が少なくない。現実には絶対に使われない例文も多く含まれている。表紙にあるように本書を30日で終わらせるには、1日1時間以上学習しなければならないが、最後までやり遂げるには相当の忍耐力が必要だろう。

音源が付属していないオリジナル版は、語学書としては致命的といっても過言ではない。「音声DLプレゼント付」のバージョンもあるが、そもそも音声を付属することを想定していない作りなので、音声を活用して効率的に学習するようにはできていない。

The English Clubの本書の総合評価は【2.5/5.0】だ。

5.2. 『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。

1. 親切丁寧な解説を読んで知識をInput!
2. 書きこみ式の演習問題で学んだことをOutput!
“2ステップ方式” のレッスンで、英語の基礎がメキメキ身に付いて、英会話にも生かされる!

・ 対象レベル:初級から(英検3級/TOEICテスト350程度)

・ このドリルを通して、敬遠されがちな文法用語という便利な道具の利用方法やその価値を学び、「脱・初心者」になるための独学力を磨き上げ、まずは中学英文法をこの1冊で修了し、次のステップへの道を衰えることのないモチベーションでどうぞ切り開いてください。…。

・ …。基本英文法(中学3年間、英検3級相当)は完全に網羅しており、英文法用語をキッチリ理解し記憶に定着させながら、5文型を柱とした英文解釈力をグーンっと伸ばします。

・ … 初心者必須のボキャブラリーが全レッスンを通して合計約1000語、そしてイディオムが約200も、ギュッと収録されています。…。

なお、『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』の学習効果分析などの詳細は「Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル|内容・使い方・効果!」を参考にしてほしい。

6. 英文法の参考書・問題集『一億人の英文法』

一億人の英文法

CD別売 大西泰斗(著者)[東進ブックス]¥1,800+税

6.1. 『一億人の英文法』総評

「良くも悪くも「新しい」文法書。そして「読者を選ぶ」文法書だ。著者の考え方に共感する方は通読してみよう。しかし、それには基礎的な文法知識が必要。初心者向けではない。」

良い点

本書は、良くいうと「斬新なアプローチを採用した実践的な文法書」であり、悪くいうと「アウトローが感覚で文法を説明した読みもの」である。本書をおすすめできる英語学習者のタイプは、中学の英文法を理解している忍耐強い冒険好きの方だ。決して初心者は手を出してはいけない。

本書の最大の特徴は、文法という無機質はルールに、ネイティブの生きた「意識」の説明を加えることにより、その文法を使えるようにしていこうとする取り組みだ。もう一つの特徴は、従来の文法書にありがちな「使えない例文」を排除しているところ。しかし、高校生を主なターゲットとしているため、ビジネスパーソンが仕事で使える例文は多くない。

悪い点

本書の一番の問題点は、本書のターゲットとなる読者層と内容とのチグハグ感だ。文法の基礎知識がないと本書を理解することは難しいが、基礎知識がある方にとっては、本書で使われている新しい文法用語や考え方を理解するのに苦労する。一方で、従来の文法用語に慣れていない初心者であれば、本書の新しい用語などに慣れることはそう難しいことではないかもしれないが、文法知識が薄い方には本書の内容を理解することが難しい。

本書のもう一つの大きな欠点は初心者目線の欠如だ。「本書は、英語を理解する為に最適な順に項目を並べています。」との説明書きがあるが、決してそうはなっていない。

しかし、「CHAPTER 0」を読んでみて、そこに書かれていることが理解でき、かつ、筆者が言おうとしていることに共感できれば通読する価値はある文法書だ。

The English Clubの本書の総合評価は【2.5/5.0】だ。

6.2. 『一億人の英文法』宣伝コピー

本書に記載されている宣伝コピーをそのまま掲載する。

文法用語からの解放
(…)話すための新しい文法である本書には、多くの古い用語は不要です。(…)みなさんは使えない文法用語を学ぶための不毛な時間を使うことなく、安心して英語理解に邁進することができます。

文を作るための簡単な原則を解説
英語は「配置のことば」です。(…)簡単な配置原則を知ることによって、容易に英語文を口にすることができるようになります。本書の文法体系はこの配置原則に貫かれています。

項目の順序性
(…)本書は、英語を理解する為に最適な順に項目を並べています。Chapter 1が最も本質的で重要な章。この箇所だけでも読み終われば、英語がグッと身近に感じられるはずです。

すべての形に意識を通わせました
(…)本書は、代表的な文の形すべてに「こういう気持ちでこの文は作られているんだよ」という意識を与えています。そうやって話せる英語を目指すのです。

すべての表現に意識を通わせました
(…)本書では(…)、会話で自信をもって使えるように意識・ニュアンスまで踏み込んだ解説をほどこしました。また特に習得が難しい「基礎語」とよばれるものについては、セクションを設けまとめて説明をしています。

「なぜ」に答えました
(…)本書では(…)、学習者が抱く「なぜ」にお答えしています。本書を読み終わる頃には「英語には理不尽な規則などない」と思って戴けるのではないでしょうか。

実用に役立つ例文
(…)本書には「明日会話で使える」文が並んでいます。また、今回はクリス(共著者)に、大学受験でよく使われる単語を多用するようにリクエストしました。(…)

イラストの多用
(…)本書でも絵はてんこ盛りに多用されています。(…)

なお、『一億人の英文法』の学習効果分析などの詳細は「一億人の英文法|初心者は注意!内容・使い方・効果を徹底検証」を参考にしてほしい。

7. 科学的見地からの英文法の効率的な勉強法

言語習得プロセス

最新の脳科学と第二言語習得研究の知見を総合すると、最も効率的な英文法の勉強法は、理解したことを記憶し、その知識を無意識的に使えるよう「自動化」することだ。これが英文法勉強法の大前提となる。

7.1. 英文法勉強法の当り前:「理解」し「記憶」すること

ひらめいた人

英文法は、まずはよく理解すること。すでにご紹介したように、大人の脳は深く理解するほど記憶に残る性質を持っているからだ。よほど難しい文法項目以外は、丸暗記で覚えようとはしないほうがいい。

7.2. 英文法勉強法の新常識:日本人は「自動化」が最重要課題

脳

文法は理解して記憶するだけでは全く使いものにならない。コミュニケーションのツールとして英語を使いたいのであれば、その知識を無意識的に自動的に使えるようにする必要がある。第二言語習得研究では、そのことを「自動化」という。

我々日本人は、受験英語のおかげで英単語と英文法の知識はある。それにもかかわらず英語が使えないのは、この「自動化」ができていないからだ。重要なことなので例をあげて説明しよう。

7.3. 知識を「自動化」するための「自動化トレーニング」の重要性

“I don’t like movies that have unhappy endings.”

この英文を和訳すると下のようになる。日本語に訳すときは、主語の「私は」のあとは、一番後ろの「unhappy endings」から戻り訳している。このように後ろから戻し訳さなければならない理由は、日本語と英語の語順が全く異なるからだ。

「私は、ハッピーエンディングではない映画は好きじゃない。」

しかし、このように、日本語に正確に戻し訳せるようになることと、英語を使えるようになることとは全く違った能力だ。書かれた英文であれば戻り訳すことで理解できるが、聞いた英文は聞いたそばから消えていくので戻り訳せない。つまり理解できないということだ。

例えば、上の例文では「that」は関係代名詞で、「that」以下は先行詞「movies」を後ろから修飾しているという文法の知識があっても、それだけでは使いものにならない。そのことを理解し記憶した上で、無意識的・自動的に、英語の語順通りに理解し、使えるようにする必要があるのだ。それを可能にするのが「自動化トレーニング」だ。

7.4. 「自動化トレーニング」で「英語脳(英語回路)」の構築

トレーニングする人

英語を語順通りに理解し使えるようにするというのは、英語の語順の回路(英語回路)を作るということだ。「英語脳」ともいう。つまり「自動化トレーニング」とは「英語脳(英語回路)」を作るためのトレーニングなのだ。

なお、文法学習のための「自動化トレーニング」の種類・やり方等の詳細は「英文法勉強法|基礎から効率的に覚える科学的トレーニング8選!」を参考にしてほしい。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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