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公開日:
2019.05.31
更新日:
2022.07.05

英語で電話をかける|ビジネス英語完璧マニュアルとNGフレーズ

英語で電話をかけるときは社内の人も聞いているので緊張する。決まりきった定型表現や言い回しを覚えておけば「できる」と思われるだろう。

英語での効率的な電話の流れやNGポイントもおさえておけば、電話の相手からも一目置かれる。電話一つで仕事の生産性もアップして、もっと「できる」ビジネス・パーソンに進化しよう。

しかし、真のプロフェッショナルは、電話の目的を達成するために、言うべきこと、言い方、会話の進め方、落としどころなどの戦略を十分に練ってから電話する。電話の結果は電話する前の準備で全てが決まるのだ。

1. 電話で話したい人と「話すまで」の英語定型表現

受付や秘書など、本人以外の人が電話に出た場合、話したい人に取り次いでもらうための流れと英語表現をご紹介する。

1.1. 相手が電話に出たら… 先ずは名乗りましょう。

まずは名乗り

Hello, this is <Taro Tanaka> from <Nippon Corporation>.
こんにちは/こんばんは。<日本> 株式会社の <田中> と申します。

ヒント:電話の場合は「I am」ではなく「This is」。社内の場合は、「This is Taro Tanaka of the sales department.」のように、「from」ではなく「of」の方がよい。名前のスペルを聞かれた場合は、一番下に添付した「フォネティック・コード」を活用しよう。

1.2. <営業>の<鈴木>さんに電話をつないでもらいましょう。

電話をつないでもらう

May I speak to Mr. / Ms. <Suzuki> in <sales>?
<営業>の<鈴木>さんと話せますか?

I’d (I would) like to speak to Mr. / Ms. <Suzuki> in <sales>.
<営業>の<鈴木>さんと話したいのですが?

Could you put me through to Mr. / Ms. <Suzuki> in <sales>?
<営業>の<鈴木>さんにつないでもらえますか?

ヒント:「I want to speak to Mr. Suzuki.」のように「want to」は仕事では使わない方がよい。子供っぽく感じられる。「would like to」を使おう。「put〜through to…」(〜を…につなぐ)は電話でよく使用される表現なので必ず覚えておこう。

1.3. 用件を聞かれたら…

要件を伝える

I’m (I am) calling about <the project in Japan>.
<日本でのプロジェクト> についてお電話しています。

The reason I called is to <talk about the project in Japan with him/her>.
私が電話した理由は <彼/彼女と日本でのプロジェクトについて話す> ためです。

ヒント:かける相手の役職が高ければ高いほど要件を聞かれる可能性が高くなる。電話をかける前に準備しておこう。

1.4. 聞き取れなかったら…

聞き取れないとき

Sorry? / Pardon me? / Excuse me?
なんておっしゃいましたか?

I am sorry, but could you say that again, please?
すみませんが、もう一度いって頂けますか?

Could you speak a little slower, please?
すみませんが、もう少しゆっくり言って頂けますか?

Could you speak up a little please?
すみませんが、もう少し大きい声で言ってもらえますか?

ヒント:あせる必要はない。聞き取れないのは相手のせいだ。日本人は「強気」で聞き返すくらいが丁度よい。英語ができることと知性の高さは関係ない。聞き取れなかった理由を言いたければ「The line is bad.」でいい。

2. 電話で話したい人と「話せない」場合の英語定型表現

話したい人(鈴木さん)と今は話せないようだ。そんなときの流れと英語表現だ。

2.1. <鈴木>さんにメッセージを残したい場合は…

メッセージを残す

Could I leave a message for him/her?
<鈴木>さんにメッセージを残してもいいですか。

ヒント:相手から先に「Cam I take a message?」(メッセージをお預かりしましょうか?)と聞かれた場合は、「Yes, please.」(はい。お願いします。)、もしくは「No, thank you.」(いいえ。結構です。)でいい。

2.2. <鈴木>さんから折り返しの電話をお願いする場合は…

折り返しをお願いする

Could you ask him/her to call me back?
<鈴木>さんからの折り返しの電話をお願いしてもいいですか?

ヒント:「Could you call me back?」(掛け直して頂いていいですか?)だと、今話している人に掛け直すよう頼むことになる。コールバックをお願いする場合は、会社名、名前、電話番号を、フォネティック・コードを使ってすらっと言えるようにしておきたい。

2.3. <鈴木>さんに電話があったことを伝えてもらう場合は…

電話があったことを伝えてもらう

Could you tell him/her that I’ve (I have) called?
<鈴木>さんに電話があった事を伝えて頂けますか。

ヒント:このようにお願いすると、会社名、名前、電話番号を聞かれるので、スムーズに言えるようにしっかりと準備しておこう。

2.4. <鈴木>さんにメールで連絡する場合は…

メールで連絡する

I’ll (I will) send him / her an email.
<鈴木>さんに私からメールを送ります。

ヒント:「Can I take a message?」(メッセージをお預かりしましょうか?)と聞かれた場合の返答としては、「That’s fine. I’ll send him / her an email.」のように、「That’s fine.」(大丈夫です。)もしくは「No, thank you.」(結構です。)を前につけるとよい。

2.5. スムーズに電話を切ろう!

電話の切り方

Thank you very much for your help. Good-bye!
ありがとうございます。それでは失礼します。

ヒント:「Have a nice day!」(良い一日を!)と言われた時は「You, too!」(あなたも。)でいい。日本語では「お前もな!」は失礼だが、「You, too!」は失礼な言い方ではない。

3. 電話で話したい人と「話せる」場合の英語定型表現

話したい人(鈴木さん)につないでもらいました。電話したのはあなたです。あなたが会話をリードしましょう!その流れと英語表現だ。

3.1. まずは電話の要件を伝えよう!

要件を伝える

I’m (I am) calling you about <the project in Japan>.
<日本でのプロジェクト> についてあなたにお電話しています。

I would like to discuss <the project in Japan> with you.
あなたと <日本でのプロジェクト> についてお話ししたいと思っています。

ヒント:電話する前に、何をどのように話すか、最低限の目的、落としどころなどの戦略を考えておくことは当たり前のことだ。予期しなかったことが起きないよう念入りに準備してから電話しよう。

3.2. 今その話しができるかを確認しよう!

話せる状況かを確認

Do you have time right now?
今時間ありますか?

Is this good time to talk about this?
この件について今話せますか?

ヒント:たとえあなたがビジネス上優位な立場であっても、相手を気遣うことを忘れずに。日本に比べ、英語圏においては、時間はより貴重であるという認識を持ってほしい。必ず相手の都合を聞こう。

3.3. 合意事項を確認しよう!

合意事項を確認

So, just to confirm that <we will decline the offer>.
それでは、確認ですが、<我々は申し出を断る> ということですね。

OK, then we have decided to <decline the offer>.
それでは、<申し出を断る> ことを合意しました。

I will send you an email to confirm that.
確認のために合意事項を後でメールでご送付します。

Could you send me an email to confirm that?
確認のために合意事項をメールで送って頂けますか?

ヒント:電話で合意しても後で「言った、言わない」の問題になることがある。合意したことは後で確認できるような形にしておこう。社内でも社外でも、英語圏では当然のことだ。

3.4. 電話を切る準備を始めよう!

電話を切る準備

Is there anything else?
他に何かありますか?

OK. I think that’s everything.
それでは、これで全部ですね。

I’m very grateful for your kind cooperation/support.
ご協力/サポートに感謝します。

ヒント:電話を切るタイミングには気を付けよう。ダラダラと話し過ぎたり、相手を気にせずに早々と切ってしまうことはプロフェッショナルのやることではない。相手が電話を切りたいというシグナルを聞き逃さないこと。そして、あなたもシグナルを出すこと。電話を切るときはポジティブな雰囲気にすることを忘れずに。

3.5. 最後の挨拶をして気持ちよく電話を切ろう

電話の切り方

Have a good day. Talk to you again soon!
よい日を。それではまた!

Nice talking to you. Good-bye!
お話しできてよかったです。さようなら。

ヒント: 電話を切るときには「Nice to talk to you.」とは言わない。「Nice talking to you.」と「現在分詞形」を使おう。終わりよければ全てよし!気持ちよく電話を切ろう。

4. 英語で留守番電話(ボイスメール)を残すときの定型表現

留守番電話やボイスメールへメッセージを残す場合は、①自分が誰か、②電話した目的、③次のアクションの3つを忘れずに伝えよう。

4.1. 留守番電話でもまずは名乗ろう!

まずは名乗り

Hello. This is <Taro Suzuki> from <USA Corporation>.
もしもし、<USA株式会社>の<鈴木太郎>です。

ヒント:親しい間柄であれば、「Hi. It’s me. Taro」(私だ。太郎だ。)でもよい。社内であれば、「Hi. This is <Taro Suzuki> of the <marketing department>.」

4.2. 電話した理由を伝えよう!

要件を伝える

I’m calling you about / to discuss <the project in Japan>.
<日本でのプロジェクト> について/を議論するために 電話しました。

I would like to <talk about the project in Japan>.
<日本でのプロジェクトについてお話し> したいと思います。

I was just wondering if we could <talk about the project in Japan>.
<日本でのプロジェクトについてお話し> をさせて頂けないかと思っております。(非常に丁寧なお願い)

ヒント:仕事関係の電話であれば、要件を伝えないのは不躾だ。必ず伝えよう。

4.3. 次のアクションを伝えてから電話を切ろう!

次のアクションを伝える

I’ll call you later. Thank you.
また後でかけ直します。それでは。

Could you call me back at <03-1234-5678> (at your earliest convenience). Thank you.
(ご都合のつき次第)<03-1234-5678>に折り返しご連絡頂けますか。それでは。

I’ll send you an email. Thank you.
メールをご送付します。それでは。

ヒント:急ぎの場合は、「I’m sorry, but this is a bit urgent.」(すみませんが、少々急いでいます。)を付け加えてもいい。「as soon as possible」(できるだけ早く)は上から目線になるので使わないこと。どうしても使いたい場合は、「at your earliest convenience」(ご都合のつき次第)。

5. 英語で電話をかけるときに注意したい5つのNGポイント

仕事の電話はもっと戦略的にいこう!英語の電話でやってはいけないNGポイントをご紹介する。

5.1. 準備ができていないなら電話するな!

NG-01

準備できていない状態で電話すると相手の時間を無駄にすることになる。英語圏のビジネスパーソンは、時間を無駄にされることを最も嫌う。そのようなことを続けていると信頼すら失ってしまう。

必ず、最低でも電話の趣旨(目的)、自分の意見とその根拠を明確にして、スラスラと英語で言えるようにしてから電話しよう。

5.2. 電話したときに相手が話せる状態だと思うな!

NG-02

電話を取った途端、こちらの都合も考えずにベラベラと話し出す人が多い。英語圏で最も嫌われる、自分の都合しか考えないタイプだ。既に述べたが、英語圏のビジネスパーソンは時間を大切にする。

電話をかけた相手が顧客のときはもちろん、ベンダーなどの自分より立場が弱い人でも、相手の都合を確認することが最低限のビジネス・マナーだ。要件を伝えたあと、今話せるかどうかを必ず確認しよう。

5.3. 会社を代表して電話していることを忘れるな!

NG-03

顧客やベンダーなどの取引先と電話する際、あなたの役職に関係なく、会社を代表して話していることを忘れないでほしい。相手はあなたの言ったことは、会社として言っているとみなす。英語圏の相手ならなおさらだ。あとになって自分個人の意見だったと言い訳しても通用しない。

5.4. 理解した「フリ」は絶対にするな!

NG-04

日本人にありがちだが、決してやってはいけないこと。それは、言われたことが理解できなくてもわかった「フリ」をすること。雑談ならまだいい。しかし、仕事に関することは絶対に理解した「フリ」はしてはいけない。

英語ができない「負い目」を感じるからこそ、そのような「フリ」をする。筆者も以前そうだった。しかし、そもそも英語ができないことを「負い目」に感じる必要は全くない。英語が話せることと知性の高さとは相関関係はない。

理解できないことは理解できるまで聞き返そう。コミュニケーションは、情報を発信する人が全ての責任を負わなければ成立しないのだ。

5.5. 重要なことは自分の記憶に頼るな!

NG-05

電話していると、話に夢中になってメモを書くことを忘れてしまいがちだ。しかし、それが致命傷となる場合がある。重要なことは必ずメモしておき、電話を切る前に再確認し、更に確認メールを送ることを忘れないでほしい。

電話を切る前の再確認やメールでの確認は、英語が苦手な自分のためだけではない。相手が本当に理解しているかの確認のためでもある。

6. NATOフォネティック・コードでスペルを伝える

自分の名前などのスペルを伝える時は、フォネティック・コードを使うと間違いがない。実際、ネイティブ・スピーカーもよく使うので、覚えておいた方がよいだろう。

一番使われているのは、NATO(北大西洋条約機構)が定めたコードだ。下記に表でまとめたので、電話に横に置いておくと便利だろう。自分の名前は、このフォネティック・コードでスラスラ言えるようにしておきたい。

NATOフォネティック・コード

コード単語を発音する時は、アクセントの位置に気を付けよう。間違えて発音すると理解してもらえないことが多い。カタカナ読みの太字の部分にアクセントがある。

例えば、筆者の苗字の「Oyanagi」を上記のフォネティック・コードを使ってスペルを伝える場合は下記のようになる。

「O」for「Oscar」 (オー フォー オスカー)
「Y」for「Yankee」 (ワイ フォー ヤンキー)
「A」for「Alpha」 (エイ フォー アルファ)
「N」for「November」 (エヌ フォー ノウベンバー)
「A」for「Alpha」 (エイ フォー アルファ)
「G」for「Golf」 (ジー フォー ゴルフ)
「I」for「India」 (アイ フォー インディア)

人によって色んな単語(コード)が使われる。例えば、「A for America」など。従って混乱することもあるだろう。しかし、理解できなければ理解できるまで繰り返し聞こう。聞き取れないのは、あなたのせいではない。理解できるように言わない相手が悪いのだから。

英語での電話の対応や、電話に関する基本的な単語や用語を知りたい場合は、「英語の電話対応|ビジネス英語完璧マニュアル&ステップアップ用語集」を参考にしてほしい。

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しかしながら、真のスピーキング力を身につけるには、定型フレーズを覚える「トップダウン学習」だけでは不十分です。単語・文法・発音を組み合わせて無限の文章を自由自在に使えるようにする「ボトムアップ学習」も同時並行的に行うことをお勧めします。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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