まず最初に、英語で日本の住所を書く場合の例を2つ紹介する。一番注意してほしいことは、英語で住所を書くときは、日本語で書く場合とは「順番が逆になる」ということである。そして、区切り毎に「,」を入れることにも注意してほしい。
それでは、英語で日本の住所を書く際の注意点、ウェブサイトの住所入力欄の入力方法、郵便の宛名の書き方、そしてローマ字(ヘボン式)表記方法について詳しく、そしてわかりやすく説明しよう。
目次
1. 英語で住所|郵便番号・都道府県・市区町村・番地・建物・階数・部屋番号
英語で日本の住所を書くときの注意点を、下記の①〜⑥の順番で説明する。
①「建物名」「部屋番号」「階数」
個人の住所の場合
(例)Green Heights #512
個人の場合で、アパートやマンションなどに住んでいる場合は、まずはその建物の名称を書き、その後に部屋番号を書く。注意点は以下の通り。
- アパートやマンションの場合で、ローマ字表記が決まっていない場合は、下記『4.』の「ヘボン式ローマ字」で書く。アパートやマンション名は固有名詞なので、実際のスペル通りに表記する必要はない。(例えば、「ハイツ」は「Haitsu」でも問題ない。)
- 部屋番号の前に「#」を入れる。これは「ナンバー(番号)」をいう意味。
- 部屋番号を建物の前に書いてもよい。(例えば、「#512 Green Heights」)
- 建物名は固有名詞なので、最初の文字は大文字にする。
なお、一軒家の場合は①は必要ない。
会社の住所の場合
(例)Midtown Tower 30F
会社の場合で、ビルの一部をテナントとして借りている場合は、その建物の名称と、そのあとに階数を書く。
- 建物(ビル)の名称については、ローマ字表記が決まっている場合が多いのでそれに従って書く。
- 建物の名称に「ビル」や「ビルディング」などがついている場合は、「Bldg.」(「Building」の略)と省略することが普通。
- 階数は「30F」(30階)のように、数字のあとに「F」(floor(階)の「f」)をつける。(正確には、「30階」は「30th floor」と書くが、「30F」はその省略形。)
- 建物名は固有名詞なので、最初の文字は大文字にする。
なお、会社がビルなどを1棟全て使用している場合は階数を記載する必要ない。建物名は記載した方がよい。
②「丁目」「番地」「号」
(例)Green Heights #512, 4-20-8,
次に、「丁目・番地・号」を書く。例えば「4丁目20番地8号」の場合は、上記のように、日本語表記と同じ「4-20-8」でよい。その他の注意点を説明する。
- 「丁目」は、町名の次に「●-chome」と書いてもよい。例えば「Modori-cho 4-chome」。その場合、「番地・号」はその前に記載する。例えば「20-8, Modori-cho 4-chome」。
③「市」「区」「町」「村」「郡」
(例)Green Heights #512, 4-20-8, Midori-cho, Musashino-shi,
次に、「市区町村郡」の名称を書く。「市」と「町」など、複数ある場合は、上記の例のように「小」→「大」の順番に書く。その他の注意点を説明する。
- 「市」は「-shi」、「区」は「-ku」、「町」は「-cho」、「村」は「-mura/-son」、「郡」は「-gun」。
- 「shi, ku, sho, mura/son, gun」の前には必ず「-(ハイフン)」をつける。
- 「区」は英語で「ward」だが、住所の場合は「-ku」を使用する。
- 「市区町村郡」の名称は固有名詞なので、最初の文字は大文字にする。
- 「-shi, -ku, -sho, -mura/son, -gun」は最初の文字も小文字にする。
④「都」「道」「府」「県」
(例)Green Heights #512, 4-20-8, Midori-cho, Musashino-shi, Tokyo,
次に、「都道府県」の名称を書く。上記の「東京都」→「Tokyo」のように、「都」「府」「県」は省く。その他の注意点を説明する。
- 「北海道」の場合は「Hokkaido」と「道」は省略しない。
- 「都道府県」の名称は固有名詞なので、最初の文字は大文字にする。
⑤「郵便番号」
(例)Green Heights #512, 4-20-8, Midori-cho, Musashino-shi, Tokyo, 180-0012,
次に「郵便番号」を書く。上記の例のように、日本での表記方法と全く同じでよい。その他の注意点を説明する。
- 「〒」は日本特有のマークであり、日本以外では通用しないので使用しないこと。
- 「-」(ハイフン)は必ずつける。(ウェブサイトで入力する場合は「ハイフン」が入れられない場合があるが、その場合は省略する。)
⑥「国名」
(例)Green Heights #512, 4-20-8, Midori-cho, Musashino-shi, Tokyo, 180-0012, Japan
- 最後に国名を記載する。
2. 英語で住所|英語のサイトの「住所入力欄」の入力方法
海外のウェブサイトの住所入力欄の入力方法を、例を挙げながら説明する。
2.1. 例①:アメリカの某大学系列出版社の登録画面
アメリカのサイトの場合は、下記のような入力欄が一般的である。
Country(国)
- 「国名」を入力する。(上記のサイトではプルダウンで選択する形式になっている。)
Address Line 1 とAddress Line 2(住所1と住所2)
- 「Address Line 1」と「Address Line 2」の入力事項に決まりはない。「都道府県」名と「市区郡」名以外を、区切りのよりところで2つに分けて入力する。
- 例えば、「建物名」「部屋番号」「丁目-番地-号」までを「Address Line 1」に、「町」「村」名を「Address Line 2」に入力するとバランスがよいだろう。
City(都市/市)
- 「市」「区」「郡」名を入力する。
State/Province(州/地域)
- 「都」「道」「府」「県」名を入力する。
Zip/Postal Code(郵便番号)
- 郵便番号を入力する。(ハイフンが入らない場合もあるが、その場合はハイフンを省略する。)
2.2. 例②:アメリカの某ホテル予約サイトの予約画面
下記の例は、上記で説明した「Address Line」が「Street Address」になっている。
Street Address(通り住所)
- 日本では、通りの名前が住所の一部になっていることは少ないので、ここでは「建物名」「部屋番号」「丁目−番地−号」「町名」を記入している。
2.3. 例③:アメリカの就労ビザ申請書類の住所記入例
ここでは、英語の書類の住所記入欄の記入方法を説明する。
Street Number and Name(通り名と番号)
- ここでは「丁目−番地−号」と「町名」を記入している。
Apt. (Apartment)・Ste. (Suite)・Flr. (Floor)
- Apt.:「Apartment」(アパートメント)の略。日本のマンションも「Apt.」である。
- Ste.:「Suite」の略。会社などの部屋番号に使用される場合があるが、日本ではまれ。
- Flr.:「Floor」(階)の略。ビルの階数を意味する。
3. 英語で住所|郵便の「住所」と「宛名」の書き方(個人宛・会社宛)
3.1. 郵便の「住所」と「宛名」は日本語でOK!
海外(英語圏)から日本に郵便で手紙や荷物を送る際、送り先の日本の住所を英語表記する必要はない。また、日本から海外(英語圏)に送る際も、発送先の日本の住所も英語表記する必要はない。下記の例を見てほしい。
海外(英語圏)から日本に郵便を送る場合
■ 注意点
- 受取人の国が英語で記載されていれば、受取人の名前と住所は日本語でかまわない。
- 送付人の名前と住所は、戻ってきた場合を考慮し、左上に英語で記載する。
- ハガキなどの場合は、送付人の住所は書かない場合も多い。
日本から海外(英語圏)に郵便を送る場合
■ 注意点
- 送付人の名前と住所は日本語でかまわない。ただし、戻ってきた場合を考慮し、国は英語で記載する。
しかしながら、海外(英語圏)の相手からの返信を期待している場合など、日本語を理解できない相手に日本の住所を知らせたい場合は、下記の通り日本の住所と宛名を英語表記する必要がある。
送付人の住所と名前と英語表記する場合も含めて、日本語の住所と宛名の英語表記方法を説明する。
3.2. 郵便の「住所」と「宛名」の英語表記方法
郵便の「宛名」については、上記で説明した住所の前に、個人宛であれば送付先の人の名前、会社宛であれば、送付先の人の名前・部署・会社名を記載すればよい。
個人宛の宛名の例は以下の通り。
注意点:
- 送付先の人の名前は最初に書き、次に住所を書く
- 人の名前の前には通常敬称をつける: 男性:Mr. / 女性:Ms.(既婚女性の場合は「Mrs.」でも可)(送付人としての自分の名前には通常つけない。)
会社宛の宛名の例は以下の通り。
注意点:
- 送付先の人の名前は最初に書く
- 人の名前の前には通常敬称をつける: 男性:Mr. / 女性:Ms. (既婚女性の場合は「Mrs.」でも可)(送付人としての自分の名前には通常つけない。)
- 次に部署名、その次に会社名を書き、最後に住所を書く
4. 英語で住所|ローマ字表記(ヘボン式)の基本と応用
日本語の「住所」を英語表記する場合は「ヘボン式ローマ字」を使って書くことが一般的である。
なぜなら、日本語の「名前」をパスポート用に英語表記する場合は、「ヘボン式ローマ字」で表記することが「旅券法」という法律で定められており、住所もそれに合わせることが自然だからである。
4.1.【基本】日本語と「ヘボン式ローマ字」の変換表
日本語と「ヘボン式ローマ字」の変換表は以下の通り。
4.2.【基本】注意が必要な「ヘボン式ローマ字」
長音(ちょうおん)|母音をのばす音
※「い」をのばす場合:「I」は省略しない
【例】
新潟(にいがた)→ NIIGATA(× NIGATA)
※「う」をのばす場合:末尾の「U」は省略する
【例】
北海道(ほっかいどう)→ HOKKAIDO(× HOKKAIDOU)
※「う」をのばす場合:「U」は一つ
【例】
中央(ちゅうおう)→ CHUO(× CHUUO)
※「お」をのばす場合:「おう」は「O」
【例】
甲府(こうふ)→ KOFU(× KOUFU)
※「お」をのばす場合:「おお」は「O」
【例】
太田(おおた)→ OTA(× OOTA)
促音(そくおん)|小さい「っ」で表記する音
※ 小さい「っ」を入れる場合:子音を重なる
【例】
北海道(ほっかいどう)→ HOKKAIDO
※ 小さい「っ」を入れる場合:「CH」の前は「T」を入れる
【例】
八丁堀(はっちょうぼり)→ HATCHOBORI
撥音(はつおん)|「ん」で表記する音
※「B」「M」「P」の前に「ん」を入れる場合:「N」ではなく「M」
【例】
新橋(しんばし)→ SHIMBASHI(× SHINBASHI)
なお、日本語の「名前」を英語表記する場合の注意点の詳細は「英語【名前の書き方】※ローマ字表記方法と姓名の順番の基本!」を参考にしてほしい。
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