「よろしくお願いします。」はビジネスでもよく使います。でも、これにピッタリと当てはまる表現が英語にはありません。
したがって、英語で「よろしくお願いします。」と言いたい場合は、他の表現にしなければなりません。しかも、日本語の「よろしくお願いします。」は色々な場面で、色々な意味合いで使われるので、英語では場面によって表現を変える必要があります。
このコラムでは、ビジネスでよく使われる「よろしくお願いします。」に変わる英語表現を、挨拶と依頼の場合に分け、例文とともに解説していきます。
1. ビジネス英語【挨拶】の「よろしくお願いします。」
1.1. 「今日はよろしくお願いします。」
ビジネス上の会議などで「今日/本日はよろしくお願いします。」と挨拶する場合は、英語では、初対面の人には「お会いできてうれしいです。」、知り合いには「またお会いできてうれしいです。」と表現しよう。
“It’s nice to meet you.”
「お会いできてうれしいです。」
“It’s nice to see you again.”
「またお会いできてうれしいです。」
【例文】:
A:Hello, my name is <Junichiro Tanaka>. It’s nice to meet you.
(こんにちは。<田中純一郎>といいます。今日はよろしくお願いします。)
B:Nice to meet you, too. I’m <Tom Cruise>.
(こちらこそよろしくお願いします。<トム・クルーズ>です。)
【例文】:
A: Hello, <Mary>. It’s nice to see you again.
(こんにちは<メアリー>。今日はよろしくお願いします。)
B: Hi, <Steve>. It is great to see you, too. How have you been?
(こんにちは<スティーブ>。こちらこそよろしくお願いします。お元気でしたか?)
なお、「(明日に引き続き)今日もまたよろしくお願いします。」と言いたい場合も、” It’s nice to see you again.”(またお会いできてうれしいです。)でOKです。
プレゼンなど、何かを依頼しているときの挨拶の「今日はよろしくお願いします。」は、英語では「今日来ていただきありがとうございます。」もしくは「今日はお時間ありがとうございます。」と表現しよう。
“Thank you for coming today.”
「今日来ていただきありがとうございます。」
“Thank you for your time today.”
「今日はお時間ありがとうございます。」
【例文】:
A:“Thank you for coming/your time today. We are looking forward to your presentation.
(今日はよろしくお願いします。今日のプレゼンを楽しみにしていました。)
B:It’s my pleasure. Thank you for having me today.
(お役に立てて光栄です。こちらこそよろしくお願いします。)
ビジネス関連のイベントや会議などへ招待されたときの「今日はよろしくお願いします。」は、英語では「本日はお招きいただきありがとうございます。」と表現しよう。
“Thank you for having me today.”
「本日はお招きいただきありがとうございます。」
【例文】:
A:Thank you for having me today. It’s quite a big hall, isn’t it?
(今日はよろしくお願いします。とても大きいホールですね。)
B:It’s great to see you again. Yes, many people are waiting for this event.
(こちらこそよろしくお願いします。多くの人がこのイベントを心待ちにしています。)
1.2. 「明日はよろしくお願いします。」
ビジネス上で「明日はよろしくお願いします。」と言いたい場合は、英語では「明日会いましょう。」もしくは「明日楽しみにしています。」と表現しよう。
“(I will) see you tomorrow.”
「明日会いましょう。」
“I am looking forward to seeing you (all) tomorrow.”
「明日楽しみにしています。」
【例文】:
A:We are looking forward to seeing you tomorrow. Thank you for taking time out of your busy schedule.
(明日はよろしくお願いします。お忙しい中お時間を取っていただき感謝します。)
B:No problem at all. It is a pleasure to discuss business opportunities with you all.
(全く問題ありません。あなた方とビジネス機会について議論できるのはうれしいです。)
なお、「(今日に引き続き)明日もまたよろしくお願いします。」と言いたい場合は、”I am looking forward to seeing you tomorrow again.”「明日またお会いすることを楽しみにしています。」と “again” をつければOKです。
1.3. 「当日はよろしくお願いします。」
何日か先のことについて「当日はよろしくお願いします。」と言いたい場合は、英語では「楽しみにしています。」と表現しよう。
“I’m looking forward to it.”
「楽しみにしています。」
【例文】:
A:I’ve been pretty busy recently, but almost finished the material for the presentation.
(最近非常に忙しいけれど、プレゼンの資料はほとんど終わりました。)
B:It’s good to hear that. We are looking forward to it.
(それはよかったです。当日はよろしくお願いします。)
なお、上記の例文の “it” を “seeing you then”「そのときお会いすることを」に変えたり、より具体的に “your presentation”「あなたのプレゼン」のように変えることも可能です。
1.4. 「これからもよろしくお願いします。」
ビジネス上で「これからもよろしくお願いします。」と言いたい場合は、英語では「頼りにしています。」もしくは「継続的な支援を感謝します。」と表現しよう。
“I will be counting on you.”
「頼りにしています。」
“I would appreciate your continuous support.”
「継続的な支援をお願いします。」
【例文】:
A:You are the best consultant we have ever met. I would appreciate your continuous support.
(あなたは今までで一番のコンサルタントです。これからもよろしくお願いします。)
B:It’s honor to hear that. I would also like to keep doing business with you.
(それは光栄です。こちらこそよろしくお願いします。)
なお、“I will be counting on you.” はカジュアルな言い方なので、会社の同僚には使えますが、社外の人には使わないほうが良いでしょう。
1.5. 「それではよろしくお願いします。」
別れるときに「それではよろしくお願いします。」と言いたいときは、英語では「連絡を取り合いましょう」や「お会いできてうれしかったです。」と表現しよう。
“Let’s keep in touch.”
(連絡を取り合いましょう)
“(It was) nice meeting you.”
(お会いできてうれしかったです。)
【例文】:
A:Why don’t we have a drink sometime soon. You have my business card, right?
(近々一緒に飲みましょう。名詞は渡しましたよね?)
B:Yes, I have. Let’s keep in touch.
(はい。それではよろしくお願いします。)
なお、”Let’s keep in touch.” はカジュアルな言い方ですが、ある程度親しい仲であれば、ビジネス上でも使うことはできます。一方で、”(It was) nice meeting you.” は初対面の方と別れるときにいう表現です。
1.6. 「今年もよろしくお願いします。」「来年もよろしくお願いします。」
「今年もよろしくお願いします。」や「来年もよろしくお願いします。」を英語で表現することは不可能です。英語では、相手の幸せを願う表現にしよう。
“Merry Christmas and a Happy New Year!”
(メリークリスマス、そして新年おめでとう!)
“Wishing you a successful and prosperous New Year.”
(成功と繁栄に満ちた新年を!)
なお、挨拶の英語表現の詳細は「【英語の挨拶と返し方】シーン別パターンを覚えてスムースに!」に書いています。
2. ビジネス英語【依頼】の「よろしくお願いします。」
2.1. 何かをお願いするときの「よろしくお願いします。」
ビジネス上で何かをお願いするときの「よろしくお願いします。」は、英語では「〜をありがとうございます。」の「感謝」で表現しよう。
“Thank you for your assistance/help/understanding.”
“I would appreciate your assistance/help/understanding.”
「ご支援/ご援助/ご理解ありがとうございます。」
【例文】:
A:We have to submit our financial statements as soon as possible. I would appreciate your assistance.
(当社は早急に財務諸表を提出しなければなりません。よろしくお願いします。)
B:In that case, Could you send us the document at your earliest convenience.
(その場合は、できるだけ早く資料をご送付ください。)
なお、” Thank you for your assistance/help/understanding.” は若干カジュアルな言い方ですが、ビジネスでも使うことはできます。”I/We would appreciate 〜” は丁寧な表現です。
また、「ご対応よろしくお願いします。」のニュアンスを伝えるには、「(ご協力に対して)前もってお礼申し上げておきます」で表現もできます。
“Thank you (for your cooperation) in advance”.
「(ご協力に対して)前もってお礼申し上げておきます」
【メール例文】:
It would be appreciated if you could send us your resume. Thank you in advance.
(履歴書を当方にご送付ください。(ご対応)よろしくお願いします。)
なお、この表現はメールでよく使用されます。会話ではあまり使われませんので注意してください。
2.2. 「次回も(また)よろしくお願いします。」
ビジネス上で「次回も(また)よろしくお願いします。」と言いたい場合は、英語では「またお会いできることを楽しみにしています。」もしくは「また一緒にお仕事できることを楽しみにしています。」と表現しよう。
“We are looking forward to seeing you again.”
「またお会いできることを楽しみにしています。」
“We are looking forward to doing business with you again.”
「また一緒にお仕事できることを楽しみにしています。」
【例文】:
A:Your service is beyond our expectations. We are looking forward to doing business with you again.
(御社のサービスは予想を超えていました。また機会があればよろしくお願いします。)
B:We appreciate your comment. I would also like to do business with you again.
(それは光栄です。こちらこそよろしくお願いします。)
なお、「よろしくお願いします。」の英語表現は「「よろしくお願いします」の英語はない!場面別例文と表現方法」でも書いています。
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