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公開日:
2020.10.22

英語【倒置】※話すための英文法|基本から発展を徹底解説!

英語の「倒置法」について、初心者の方向けに基礎から徹底的に解説する。

我々日本人が英語を話すときに、わざわざ「倒置」させる必要性は全くない。倒置した英文を読んだり、聞いたりしたときに理解できればよいだけなので、決して難しく考えないで頂きたい。

このコラムで説明する「倒置」の主な例文は以下の通りだ。我々は「倒置」させない「普通」の言い方で言えれば十分である。

倒置]“I’m hungry.” – “So am I.
[普通]“I am, too.”
(私も)
倒置Beautiful was the view from the top of the mountain.
[普通]The view from the top of the mountain was beautiful.
(美しかった、山の頂上からの景色は。)
倒置Never have I laughed so much.
[普通]I have never laughed so much.
(今までない、私がそんなに笑ったのは。)
倒置So terrible was the food at the restaurant that we left in 10 minutes.
[普通]The food at the restaurant was so terrible that we left in 10 minutes.
(あまりに、そのレストランの食べ物が酷かったので、10分で出た。)
倒置Here comes the sun.
[普通]The sun comes here.
(ほら、太陽が出てきたよ。)
倒置Should you have any questions, please let me know.
[普通]If you have any questions, please let me know.
(質問があったら、教えてください。)
倒置Had it been snowing, I would have stayed home.
[普通]If it had been snowing, I would have stayed home.
(もし雪が降っていたら、私は家にいただろう。)

1. 英語の倒置|【基本】「So」「Neither」が最初にくるとき

「So」や「Neither(もしくは「Nor」)」を最初に持ってくると倒置が起こる。下の例文をみてほしい。

“I’m hungry.” – “So am I.”
(腹が減った。) - (私も。)

この「So」や下記の「Neither(Nor)」の倒置は会話でもよく出てくるので使えるようにしておくとよいだろう。

倒置させない言い方は「I am, too.」や「Me too.」(私も。)がある。(「Me too.」はくだけたニュアンス。)

 

“I don’t like Natto.” – “Neither do I.”
(納豆が嫌いだ。) - (私も。)

「否定」(ここでは「don’t like」)に同意する場合は「Neither(Nor)」を使う。また、「don’t like」は「be動詞」ではなく「一般動詞」なので、「do I」になる。

倒置させない言い方は「I don’t, either.」や「Me neither.」(私も。)がある。

 

“I’ve not prepared for this test.” – “Neither have I”.
(テストの準備をしていない。) – (私も。)

「現在完了形」(ここでは「have not prepared」)に同意する場合は「have I」になる。

倒置させない言い方は「I haven’t, either.」や「Me neither.」(私も。)がある。

 

この他にも、次のような応用的な使われ方がある。

If sales of homes fall, so could their value.
(もし、住宅の販売戸数が減れば、住宅の価値も減りかねません。)

倒置させない場合は「their value could fall, too」である。

2. 英語の倒置|【基本】「be動詞」の前後が入れ替わるとき

英語では、「be動詞」の前後が入れ替わることがある。つまり、「主語」と「補語」が入れ替わるのだ。下の例文をみてほしい。

主語と補語の倒置

普通の語順では「The view from the top of the mountain was beautiful.」だが、「beautiful」を「強調」したい場合や、この例文のように主語が長くなった場合に倒置が起こる。英語では「主語」が長くなることは好まれない。

「be動詞」は「イコール」の意味なので、「主語」と「補語」の場所が入れ替わっても基本的には意味は変わらない。

 

他にも次のような使われ方がある。

主語と補語の倒置2

普通の語順は「His cell phone was in my bag.」である。「私の鞄の中に」を強調するためにこのような語順になっている。

ちなみに、この例文の「in my bag」は「補語」ではなく「副詞句」だ。(あまり重要ではないが。)

3. 英語の倒置|【発展】「否定」を表す語が前に出るとき

否定の意味を持つ語を最初に持ってくると倒置が起こる。下の例文をみてほしい。

否定語を文頭に置いた場合の倒置

普通の語順は「I have never laughed so much.」である。「Never」(ない)を強調するために文頭に持ってきている。「Never」のあとは、「倒置」が起こり疑問文の語順になる。

 

否定語を文頭に置いた場合の倒置2

普通の語順は「He rarely tells a lie.」である。「Rarely」(ほとんど〜ない)を強調するために文頭に持ってくると、「Rarely」のあとは、「倒置」が起こり疑問文の語順になる。

 

onlyを文頭に置いた場合の倒置

普通の語順は「You can cancel the training only in case of heavy rain.」である。「否定」ではないが、「only」(〜だけ)を強調するために文頭に持ってくると、倒置で疑問文の語順になる。

 

否定語を文頭に置いた場合の倒置3

普通の語順は「We couldn’t catch a single fish.」である。「not a single fish」(一匹も〜ない)を強調するために文頭に持ってくると、倒置で疑問文の語順になる。

 

強調のために否定の語を前に持ってくると倒置が起こる例は、他にも下記のようなものがある。

否定語を文頭に置いた場合の倒置4

普通の語順は「I didn’t notice her beauty until recently.」である。「Not until recently」(最近まで〜ない)を強調するために文頭に持ってくると、そのあとが倒置で疑問文の語順になる。

 

not onlyを文頭に置いた場合の倒置

普通の語順は「Marketing not only builds brand awareness but (also) 〜.」である。いわゆる「not only〜, but (also)…」構文で、「〜だけではなく、…も〜だ」の意味だ。「〜だけではなく」を強調するために「Not only」を文頭に持ってくると、そのあとが倒置で疑問文の語順になる。

 

soを文頭に置いた場合の倒置

普通の語順は「The food at the restaurant was so terrible that we left in 10 minutes.」である。「so 〜 that…」で「あまりに〜なので…した。」の、いわゆる「so-that構文」だが、「so 〜」(あまりに〜)を強調するために文頭に持ってくると、そのあとが倒置で疑問文の語順になる。また、be動詞「was」の前後が入れ替わったと考えてもよい。

4. 英語の倒置|【発展】「場所・方向」を表す語が前に出るとき

場所や方向を表す語を最初に持ってくると倒置が起こる。この倒置は「詩」などで使われる。下の例文をみてほしい。

場所や方向を文頭に置いた場合の倒置

ビートルズの有名な曲の題名だ。普通の語順は「The sun comes here.」だが、強調などの理由で、場所を表す「here」(ここ)を文頭に持ってくると、そのあとの主語と動詞が入れ替わる。ここで注意していただきたいのは、疑問文の語順にはならないということ。「be動詞」の主語と補語が入れ替わる倒置と似ている。

 

場所や方向を文頭に置いた場合の倒置2

普通の語順は「An apple fell down.」だが、強調などの理由で、方向を表す「down」(下に)を文頭に持ってくると、そのあとの主語と動詞が入れ替わる。

5. 英語の倒置|【発展】仮定・条件の「If」を省略するとき

「If」が省略されると倒置が起こる。この倒置は、現実とは違うことを仮定する「仮定法」のときと、ただ単に、現実の「条件」を表すときの両方で起こる。下の例文をみてほしい。

Ifを省略する場合の倒置

普通の語順は「If it (should) rain(s) tomorrow, we won’t go camping.」だが、「If」が省略されると、「should」が文頭に置かれる。なお、「If」を省略しない場合は「should」はなくてもよい。「should」を入れると「かたい」ニュアンスになる。ちなみに、この例文は現実の「条件」を表しており、「仮定法」ではない。

 

Ifを省略する場合の倒置2

普通の語順は「If you (should) have any questions, please let me know.」である。「If」が省略され、「should」が文頭に置かれたもう一つの例だ。なお、この例文も現実の「条件」を表しており、「仮定法」ではない。「Should you〜」は会話でもよく使われる。

 

Ifを省略する場合の倒置3

普通の語順は「If I were you, I would stop smoking.」である。「If」が省略され、倒置が起こり疑問文の語順になっている。現在の事実とは違うことを表しているので「仮定法過去」である。「もし〜なら、…なのになあ。」の意味になる。ちなみに、「If I was〜」ではなく「If I were〜」なのは、仮定法の決まりだから。「If I were you〜」(もしあなたが私なら、)は会話でもよく使われるので覚えておくとよい。

 

Ifを省略する場合の倒置4

普通の語順は「If it weren’t for Ken, we wouldn’t know what to do.」である。「If」が省略され、倒置が起こり疑問文の語順になっている。この例文も、現在の事実とは違うことを表しているので「仮定法過去」である。「If it weren’t for〜」(〜がなければ)も覚えておきたい。

 

Ifを省略する場合の倒置5

普通の語順は「If it hadn’t been for your foolishness, we wouldn’t have got lost.」である。「If it hadn’t been for〜」は、上の例文の「If it weren’t for〜」の「仮定法過去完了」形である。過去の事実とは違うことを仮定しており、「〜がなかったら」の意味になる。これも覚えておきたい。

 

Ifを省略する場合の倒置6

普通の語順は「If it had been snowing, I would have stayed home.」である。「If」が省略されると、倒置が起こり疑問文の語順になる。過去の事実とは違うことを表しているので「仮定法過去完了」である。「もし〜だったら、…だったのになあ。」の意味になる。

6. 英語の倒置|【補足】疑問文を作るときも「倒置」だよ!

疑問文も「倒置」である。下の例文をみてほしい。

Is she a doctor?
「彼女は医者ですか?」

「be動詞」の疑問文は、主語と「be動詞」が倒置する。

 

Do you like soccer?
「あなたはサッカーが好きですか?」

「一般動詞」の疑問文は、「do」や「does」「did」が文頭に置かれる。

 

Will you close the door?
「ドアを閉めてもらえますか?」

「助動詞」の疑問文は、主語と「助動詞」が倒置する。

 

Where are you from?
「あなたはどこから来たのですか?」

「疑問詞」の疑問文は、疑問詞を文頭において、その後が倒置する。

7. 英語の倒置|【補足】その他の「倒置」

7.1 「There is 〜」「There are 〜」も「倒置」!

There are flowers on the desk.
「机の上に花がある。」

この文の主語は「flowers」である。したがって、「There is 〜」「There are 〜」構文も倒置ということになる。

7.2. 「said the doctor.」etc.

“You have cancer.” said the doctor.
「“あなたは癌だ。” 医者は言った。」

普通の語順では「The doctor said.」だが、小説などでは「said」を前に置いて倒置させることがよくある。「said」の他にも「asked」もこのような使い方をされる。

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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