英語の現在進行形の「形」は、「be動詞の現在形 + 〜ing」であり、「今、起こっていること」(「現在の動作の継続」)を表す。
実は、現在進行形は「現在の動作の継続」以外の意味も表すことができる。また、特殊な使い方もある。それらをまとめたのが下図だ。
それでは、英語の現在進行形の「作り方」(平叙文・否定文・疑問文)、5つの「意味」、そして現在進行形にできない動詞などについて、基本から発展まで徹底的に解説しよう。初心者の方も簡単に理解できるよう丁寧に説明する。
1. 英語の現在進行形|【基本】「作り方」
現在進行形は「be動詞の現在形 + 〜ing」で作る。下の図を見て欲しい。
1.1. be動詞の現在形は「am」「is」「are」
「be動詞の現在形」は、主語によって異なる。一人称単数(I)の場合は「am」、三人称単数(he, she, it)の場合は「is」、一人称複数(we)と二人称単数・複数(you)、三人称複数(they)の場合は「are」だ。
なお、「一人称」などの「人称」についての詳細は「英語の一人称とは!※人称代名詞の主格・所有格・目的格を解説」を参考にして欲しい。
1.2. 動詞の「-ing形」の作り方
動詞を「〜ing」形にするときには注意が必要な場合がある。ほとんどの動詞は「ing」をそのままつければよいが、動詞によっては、下記のように形を変える必要がある。
最後の「e」をとって「ing」
have | ⇨ | having |
make | ⇨ | making |
use | ⇨ | using |
write | ⇨ | writing |
come | ⇨ | coming |
live | ⇨ | living |
「e」で終わる動詞は、最後の「e」をとって「ing」をつける。
最後の1文字を重ねて「ing」
get | ⇨ | getting |
put | ⇨ | putting |
cut | ⇨ | cutting |
run | ⇨ | running |
begin | ⇨ | beginning |
stop | ⇨ | stopping |
sit | ⇨ | sitting |
swim | ⇨ | swimming |
最後の1文字を重ねるのは、単語の語尾が「子音+アクセントのある母音+子音」で終わる動詞である。
1.3. 現在進行形の「平叙文」「否定文」「疑問文」
現在進行形の「平叙文」「否定文」「疑問文」の作り方は以下の通りだ。
「平叙文」は「主語 + be動詞の現在形 + 〜ing」の語順。例文は以下の通り。
I’m watching TV.
(私はテレビを見ている。)
It’s snowing.
(雪が降っている。)
We are playing video games.
(私たちはビデオゲームをしている。)
「否定文」は平叙文のbe動詞の後に「not」を挿入して「主語 + be動詞の現在形 + not + 〜ing」の語順。例文は以下の通り。
I’m not listening to music.
(私は音楽を聴いていない。)
The Sun isn’t shining.
(太陽は照っていない。)
They are not running.
(彼ら/彼女らは走っていない。)
「疑問文」は平叙文の主語とbe動詞の順番を入れ替え、最後を「?」にして「be動詞の現在形 + 主語 +〜ing + ?」の語順。例文は以下の通り。
Am I doing OK?
(私はうまくやっている?)
Is that clock working?
(あの時計は動いているか?)
Are the children doing their homework?
(子どもたちは宿題をしているか?)
疑問詞(「what」など)を使った疑問文は「疑問詞 + be動詞の現在形 + 主語 +〜ing + ?」の語順。例文は以下の通り。
Where is she going?
(彼女はどこに行くの?)
Why are you crying?
(なぜ泣いているの?)
Who are you waiting for?
(あなたは誰を待っているの?)
How’s it going?
(それはどのように進んでいる? → (挨拶)調子はどう?)
なお、「平叙文」とは単に情報を伝える文、「否定文」とは「〜ではない」などの否定を表す文、そして「疑問文」とは「〜ですか?」などの質問の文のことだ。
2. 英語の現在進行形|【基本】「意味」
英語の現在進行形の【基本】の意味は「今、起こっていること」(「動作の継続」)だ。話しているときは、その動作は終了していない。
例えば、下の例文は「今」彼女がピアノを弾いている状態を表している。
「動作の継続」を表す現在進行形の例文は以下の通り。
I am working now.
(私は「今」働いている。)
He is talking on the phone.
(彼は(「今」)電話で話している。)
It isn’t raining now.
(「今」雨は降っていない。)
Are they enjoying the party?
(彼らは(「今」)パーティーを楽しんでいるか?)
3. 英語の現在進行形|【発展】「意味」
上記で説明したとおり、英語の現在進行形の基本は「今、起こっていること」(「動作の継続」)だ。しかし、文脈によって異なるニュアンスを表現することができる。「動作の途中」「動作・状態の変化」「動作の繰り返し」「未来の予定」の4つの意味を解説する。
3.1.「動作の途中」を表す現在進行形
現在進行形は、「今」その動作は起こっていないが、「一定期間続けている動作」(動作の途中)を表すことができる。
例えば、下の例文は「まさに「今」英語を勉強している」という意味にもなるし、「(「今」はしていないが)英語の勉強を続けている。」という意味にもなる。
「動作の途中」を表す現在進行形の例文は以下の通り。
I am reading a lot of books these days.
(私はこの頃多くの本を読んでいる。)
He is not eating breakfast this week.
(彼は今週朝食を食べていない。)
What are you doing at university?
(あなたは大学で何をしているの?)
Are you building your own house?
(あなたはあなたの家を建てているの?)
3.2.「動作・状態の変化」を表す現在進行形
現在進行形は、動詞によって「動作や状態が変化していること」(動作・状態の変化)を表すことができる。
例えば、下の例文は、電車が「動いている状態」から「止まっている状態」へ変化していることを表している。つまり、電車が「止まろうとしている」という意味だ。決して電車が「止まっている状態」を表しているのではない。
ちなみに「電車が駅に止まっている。」は「The train is at the station.」と表現できる。
「動作・状態の変化」を表す現在進行形の例文は以下の通り。
The bus is arriving at the terminal.
(そのバスは終着駅に着こうとしている。)
The cockroach is dying.
(そのゴキブリは死にかけている。)
Is my English getting better?
(私の英語はよくなってきているか?)
She is beginning to enjoy studying English.
(彼女は英語の勉強を楽しみ始めている。)
3.3.「動作の繰り返し」を表す現在進行形
現在進行形は、「いつも」(「always」など)の意味の単語がつくと、その動作が頻繁に繰り返されることを表すことができる。
例えば、下の例文は、「彼は頻繁に怒る」ことを表している。決して怒っている状態がずっと続いていることを表しているのではない。
ちなみに「彼はずっと怒っている。」は「He has been angry.」と表現できる。
「動作の繰り返し」を表す現在進行形の例文は以下の通り。
Tom is always losing my cell phone.
(トムはいつも携帯をなくしている。)
You are always making the same mistakes.
(あなたはいつも同じ間違いをする。)
Is she constantly drinking alcohol?
(彼女はいつもお酒を飲んでいる?)
They are always fighting.
(彼ら/彼女らはいつも喧嘩している。)
3.4.「未来の予定」を表す現在進行形
現在進行形は、未来の予定を表すことができる。例えば下の例文は、「明日、野球をする予定である」ことを表している。決して、「今」野球をしているのではない。
現在進行形は、動作が進行しているというニュアンスから、既に準備や決心もできている着実な予定を表す。例えば上の例文では、明日野球をするための準備はできており、既に野球をするという動作が進行しているニュアンスである。
「未来の予定」を表す現在進行形の例文は以下の通り。
I’m going to the movie tonight.
(私は今夜映画に行きます。)
She isn’t meeting us next week.
(彼女は来週渡したしと会わない。)
What are you doing tomorrow morning?
(あなたは明日の朝何をする予定か?)
We are visiting France next month.
(私たちは来月フランスに訪れます。)
4. 英語の現在進行形|【発展】「注意!」が必要な動詞
動詞の中には現在進行形にできない動詞がある。そして、現在進行形にするときに注意が必要な動詞もある。詳しく解説しよう。
4.1. 現在進行形にできない動詞たち
英語の動詞は「動作」を表す動詞と、「状態」を表す動詞の2種類に分けられる。そのうち「状態」を表す動詞は進行形にできない。状態を表す動詞は、その動詞単独ですでに「継続」の意味が含まれているからだ。そのような動詞は以下のようなものがある。
進行形にできない「状態」を表す動詞の例
know | 知っている |
understand | 理解している |
recognize | 認識している |
realize | 気づいている |
believe | 信じている |
remember | 覚えている |
like | 好きである |
want | 欲している |
need | 必要としている |
belong | 所属している |
contain | 含んでいる |
mean | 意味している |
上記の全ての動詞に「〜している」もしくは「〜である」という「継続」もしくは「状態」のニュアンスが含まれていることがわかるだろう。進行形にできない動詞の例文は以下の通り。
✖︎ I am knowing it. → ○ I know it.
(私はそれを知っている。)
✖︎ We are wanting to go shopping. → ○ We want to go shopping.
(私たちは買い物に行きたい。)
✖︎ She is believing her mother. → ○ She believes her mother.
(彼女は母を信じている。)
✖︎ The box is containing three apples. → ○ The box contains three apples.
(その箱には3つのリンゴが入っている。)
4.2.「think」の現在進行形
「think」は、「状態」と「動作」の両方の意味を持っているので、進行形にできない場合とできる場合がある。下の例をみて欲しい。
「think」が「思っている」(have an opinion)の意味の場合は、状態を表しているので進行形にはできない。一方で、「考える」(consider)の意味の場合は、動作を表しているので進行形にできる。例文は以下の通り。
進行形にできない「状態」の「think」の例文
She thinks I am Japanese.
(彼女は私を日本人だと思っている。)
What do you think about it?
(それについてあなたはどう思う?)
進行形にできる「動作」の「think」の例文
I’m thinking.
(私は今考えている。)
He isn’t thinking of going abroad.
(彼は海外に行くことを考えていない。)
4.3.「have」の現在進行形
「have」も、「状態」と「動作」の両方の意味を持っているので、進行形にできない場合とできる場合がある。下の例をみて欲しい。
「have」が「持っている」の意味の場合は、状態を表しているので進行形にはできない。一方で、「持つ」の意味の場合は、動作を表しているので進行形にできる。なお、「I’m having a good time」は、「私は楽しい時間を今持っている」から「私は今楽しんでいる」の意味になる。
状態・動作を表す「have」の例文は以下の通り。
進行形にできない「状態」の「have」の例文
I have two children.
(私には2人の子どもがいます。)
Do you have an umbrella?
(あなたは傘を持っていますか?)
進行形にできる「動作」の「have」の例文
We are having dinner now.
(私たちは今夕食をとっています。)
He is having a bath.
(彼は入浴中です。)
4.4.「live」の現在進行形
「live」も、「状態」と「動作」の両方の意味を持っているので、進行形にできない場合とできる場合がある。下の例をみて欲しい。
「live」が「住んでいる」の意味の場合は、状態を表しているので進行形にできない。「状態」なので「恒久的」に住んでいるニュアンスになる。一方で、「住む」の意味の場合は、動作を表しているので進行形にできる。「住む」という「動作」を進行形にすることで継続を表しているので、「一時的」に住んでいるニュアンスになる。
4.5.「be動詞」の現在進行形
「be」も、「状態」と「動作」の両方の意味を持っているので、進行形にできない場合とできる場合がある。下の例をみて欲しい。
「be」が本来の意味の「〜である」の意味の場合は、状態を表しているので進行形にできない。一方で、「ふるまう」(behave)の意味の場合は、動作を表しているので進行形にできる。
状態・動作を表す「be」の例文は以下の通り。
進行形にできない「状態」の「be」の例文
He’s quiet.
(彼は物静かだ)
I’m a careful person.
(私は注意深い。)
進行形にできる「動作」の「be」の例文
He’s being quiet today.
(今日彼は静かにふるまっている)
I’m being very careful now.
(今私はすごく注意する)
4.6.「知覚動詞」の現在進行形
「see」や「feel」などの知覚を表す動詞(知覚動詞)は通常進行形にはしない。しかし「動作」を表現する場合は進行形にする場合がある。
「Do you see that bird over there?」は「見える状態かどうか」を聞いているので進行形にはしない。一方で、「seeing the sights」は「見る」という動作の意味で使っているので進行形にできる。
知覚動詞の種類
知覚動詞は下記のようなものがある。
see | 見える |
hear | 聞こえる |
smell | 匂いがする |
taste | 味がする |
feel | 感じる |
look | 見る |
動作を表す「知覚動詞」の例文は以下の通り。
進行形にできる「動作」の「知覚動詞」の例文
I’m feeling hungry now.
(今私はお腹が空いている。)
She’s looking well today.
(今日彼女は調子がよさそうだ。)
How are you feeling now?
(今日の調子はどうですか?)
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