「疑問文」とは何かを質問するときの文だ。英語は語順を変えて疑問文を作る。また、文の種類によってその作り方が異なる。日本語での疑問文の作り方と全く異なるので注意が必要だ。
このコラムでは、超基本から発展まで、図を駆使することで分かりやすく、かつ徹底的に「英語の疑問文」を説明する。取り上げる主な例文は以下の通りだ。
Are you busy? (あなたは忙しいですか?) |
Do you work hard? (あなたは一生懸命に働いていますか?) |
Who plays the piano? (誰がピアノを弾きますか?) |
Can Tom swim? (トムは泳ぐことができますか?) |
Have you repaired your car? (あなたは車を修理しましたか?) |
Do you know what he likes to eat? (彼の好きな食べ物が何か知っていますか?) |
It’s cold today, isn’t it? (今日は寒いですね?) |
Don’t you want to go? (行きたくないの!?) |
You believe it(⤴︎)? (あなたはそれを信じるの?) |
Who knows? (誰にもわからないよ。) |
※ 英語の疑問文を作るときは、書きことばの場合、最後にクエスチョンマーク(?)を入れることを忘れずに!
目次
1. 話すための英文法|be動詞の疑問文
「be動詞の疑問文」を説明する。ちなみに「be動詞」は、現在形が「am」「are」「is」の3種類、過去形が「was」「were」の2種類、過去分詞形が「been」の1種類の全部で6種類ある。「be」はこれら「6種類のbe動詞」の「原形」である。
1.1. be動詞の疑問文の【作り方】
「be動詞」が使われている「ふつうの文」を「疑問文」にするには、その「be動詞」を一番前に持ってくればよい。
現在形
「be動詞」の「are」を文の最初に移動するだけで「疑問文」になる。
過去形
「be動詞」が過去形でも「be動詞」を前に持ってくるだけだ。
進行形
「be動詞 + 動詞のing」の「現在進行形」「過去進行形」の場合も、「be動詞」を前に持ってくるだけだ。
受動態
「be動詞 + 動詞の過去分詞形」の受動態の場合も、「be動詞」を前に持ってくるだけだ。
1.2. be動詞の疑問文の【答え方】
be動詞の疑問文は「Yes」か「No」で答える。
Are you busy? (あなたは忙しいですか?) |
Yes, I am. No, I’m not. |
Was he angry? (彼は怒っていましたか?) |
Yes, he was. No, he wasn’t |
Are you watching TV? (あなたはテレビを見ていますか?) |
Yes, I am. No, I’m not. |
Is she invited to the party? (彼女はパーティーに招待されていますか?) |
Yes, she is. No, she isn’t. |
※ちなみに、「Yes」か「No」で答えられる疑問文は、文の最後を上がり調子で発音すること(⤴︎)を忘れずに!
2. 話すための英文法|一般動詞の疑問文
「一般動詞の疑問文」を説明する。「一般動詞」とは、「be動詞」以外のすべての「動詞」のことだ。「be動詞」の場合と疑問文の作り方が全く異なるので注意してほしい。
2.1. 一般動詞の疑問文の【作り方】
「一般動詞」が使われている「ふつうの文」を「疑問文」にするには、「Do」「Does」「Did」を一番前に置けばよい。その際、一般動詞の形を変えなければならない場合があるので注意してほしい。
ちなみに、「Do」に「三人称単数」の「s」が付いた形が「Does」、「Did」は「Do」の過去形だ。
現在形(三人称単数以外)
主語が「三人称単数」以外の場合は、文の最初に「Do」を置くだけで疑問文になる。
現在形(三人称単数)
主語が「三人称単数」の場合は、文の最初に「Does」を置く。そして、「ふつうの文」の動詞に付いていた「s」を取る。動詞に付いていた「s」が、「Do」にくっついて「Does」になったと考えてもよい。
過去形
過去形の場合は、文の最初に「Did」を置く。そして動詞を現在形に戻す。動詞の代わりに「Do」を過去形「Did」にしたと考えてもよい。
2.2. 一般動詞の疑問文の【答え方】
「Do」「Does」「Did」で始まる疑問文も「Yes」か「No」で答える。
Do you work hard? (あなたは一生懸命に働いていますか?) |
Yes, I do. No, I don’t. |
Does he speak English? (彼は英語を話しますか?) |
Yes, he does. No, he doesn’t. |
Did she play tennis yesterday? (彼女は昨日テニスをしましたか?) |
Yes, she did. No, she didn’t. |
※ちなみに、この場合の疑問文も「Yes」「No」で答えられるので、文の最後を上がり調子で発音すること(⤴︎)を忘れずに!
3. 話すための英文法|疑問詞の疑問文
「疑問詞の疑問文」を説明する。「疑問詞」は、「What」「Which」「Who」「Whose」「Whom」「When」「Where」「Why」「How」の9種類ある。
疑問詞は、名詞の役割をする「What」「Which」「Who」「Whose」と、副詞の役割をする「When」「Where」「Why」「How」に分けられる。また、名詞の役割をする疑問詞は「主語」にもなるし「目的語」にもなる。他にも「疑問詞 + 名詞」の場合など、色々なパターンがあるので注意が必要だ。
3.1. 疑問詞の疑問文の【作り方】
疑問詞を使った疑問文の作り方の基本は、「ふつうの文」のわからないところを疑問詞にして文の最初に持っていき、疑問詞のあとは上記(「be動詞」と「一般動詞」の疑問文)で説明した語順にすればよい。
「What・Which・Who・Whose」が主語の場合
主語がわからない場合は、わからないところを疑問詞にすればよい。「What」「Which」「Who」「Whose」も作り方は同じ。
「What・Which・Who・Whom」が目的語の場合
目的語(ここでは動詞「eat」の目的語)がわからない場合は、わからないところを疑問詞にして文の最初に持ってくる。そして、疑問詞の後は疑問文の形にする(ここでは「一般動詞」の現在形なので「do」を置いている)。
「What」「Which」「Who」「Whose」の場合も作り方はすべて同じ。
「When・Where・Why・How」の場合
場所がわからない場合は、「Where」を文の最初に置き、「Where」の後は疑問文の形にする(ここでは「be動詞」なので、「Where」の後へ「is」を移動している)。
時(when)、理由(why)、手段や様子など(how)の場合も作り方は同じ。
「What・Which・Whose」+「名詞」の場合
「何の〜」を聞くときには「What + 名詞」を文の最初に置き、その後は疑問文の形にする(ここでは「一般動詞」の現在形なので「do」を「What + 名詞」の後に置いている)。
「どれの〜」(which)、「誰の〜」(whose)の場合も作り方は同じ。
なお、疑問詞を使った疑問文の作り方の詳細は「英語【疑問詞】※話すための英文法!基本から発展まで徹底解説」を参考にしてほしい。
3.2. 疑問詞の疑問文の【答え方】
疑問詞で始まる疑問文は「Yes」もしくは「No」では答えられない。
Who plays the piano? (誰がピアノを弾きますか?) |
Ken does. (ケンが弾きます。) |
What do you like to eat? (好きな食べ物は何ですか?) |
I like to eat banana. (バナナが好きです。) |
Where is your car? (あなたの車はどこですか?) |
My car is at a repair shop. (修理屋にあります。) |
What language do you speak? (あなたは何の言語を話しますか?) |
I speak Japanese. (日本語を話します。) |
※ちなみに、「Yes」「No」で答えられない疑問詞の疑問文は、文の最後を下がり調子で発音する(⤵︎)。
4. 話すための英文法|助動詞の疑問文
「助動詞の疑問文」を説明する。「助動詞」は「will」「would」「can」「could」「may」「might」「shall」「should」「must」「need」などがある。助動詞は「動詞を助ける」働きをするため、必ず動詞と一緒に使用される。
4.1. 助動詞の疑問文の【作り方】
「助動詞」が使われている「ふつうの文」を「疑問文」にするには、その助動詞を一番前に持っていけばよい。
「will」「would」「can」「could」「may」「might」「shall」「should」「must」「need」の助動詞すべて作り方は同じ。
4.2. 助動詞の疑問文の【答え方】
助動詞で始まる疑問文は「Yes」か「No」で答える。
Can Tom swim? (トムは泳ぐことができますか?) |
Yes, he can. (はい、彼はできます。) |
※ちなみに、この場合の疑問文も「Yes」「No」で答えられるので、文の最後を上がり調子で発音すること(⤴︎)を忘れずに!
5. 話すための英文法|完了形の疑問文
「完了形の疑問文」を説明する。完了形には「現在完了形」と「過去完了形」がある。
「現在完了形」は「have/has + 動詞の過去分詞形」で、「過去の出来事が今につながっている状況」を表すときに使用される。「過去完了形」は「had + 動詞の過去分詞形」で、「過去の更に過去の出来事が過去につながっている状況」を表すときに使用される。
5.1. 完了形の疑問文の【作り方】
「現在完了形」の「ふつうの文」を「疑問文」にするには、その「Have/Has」を一番前に持ってくればよい。
現在完了形の「have/has」は助動詞である。過去完了形の場合も作り方は基本的に同じ。
5.2. 完了形の疑問文の【答え方】
完了形の疑問文は「Yes」か「No」で答える。
Have you repaired your car? (あなたは車を修理しましたか?) |
Yes, I have. (はい、しました。) |
※ちなみに、この場合の疑問文も「Yes」「No」で答えられるので、文の最後を上がり調子で発音すること(⤴︎)を忘れずに!
なお、英語の現在完了形の詳細については「英語【現在完了形】※話すための英文法|基本〜発展を徹底解説」を参考にしてほしい。
6. 話すための英文法|間接疑問
「間接疑問」を説明する。今まで説明してきたすべての疑問文は、直接的に質問する「直接疑問」である。それに対して、間接的に質問する形の文が「間接疑問」だ。全体の文が疑問文ではなくても、疑問文が文の一部に組み込まれている場合も「間接疑問」と呼ぶ。
6.1. 間接疑問の【作り方】
疑問詞の疑問文を間接疑問にするには、疑問詞の後の語順を「ふつうの文」の語順にする。「Yes/No」で答えられる疑問文を間接疑問にするには、「if/whether」を挿入し、その後の語順を「ふつうの文」の語順にする。
疑問詞を含む間接疑問
「what」以外の疑問詞の場合も作り方は同じ。疑問詞の後は「ふつうの文」の語順に戻す。
「Yes/No」疑問文の間接疑問
ここでの「if」は「〜かどうか」の意。「whether」に置き換えられる。全体的な文は疑問文ではないが、疑問文が文の一部になっているので「間接疑問」と呼ぶ。
6.2. 間接疑問の【答え方】
「Do you know」から始まる間接疑問の答え方を説明する。「Do you know」から始まる疑問文は基本的に「Yes」か「No」で答えるが、間接疑問文の場合は通常その後に具体的な答えが続く。
Do you know what he likes to eat? (彼の好きな食べ物が何か知っていますか?) |
Yes, I do. He likes to eat banana. (はい、知っています。彼はバナナが好きです。) |
※ちなみに、この場合の疑問文は、基本「Yes/No」疑問文なので、文の最後を上がり調子で発音する(⤴︎)。
なお、英語の疑問詞を使った間接疑問の詳細については「英語【疑問詞】※話すための英文法!基本から発展まで徹底解説」を参考にしてほしい。
7. 話すための英文法|付加疑問
「付加疑問」を説明する。付加疑問は、文の最後を上がり調子(⤴︎)で言うか、下がり調子(⤵︎)で言うかで意味が変わってくる。
文の最後を上がり調子(⤴︎)で言うと「確認している」ニュアンスになり、下がり調子(⤵︎)で言うと「同意を求める」ニュアンスになる。
7.1. 付加疑問の【作り方】
付加疑問は、「ふつうの文」の文末に短い疑問形を付けて作る。肯定文の場合は否定の疑問形を、否定文の場合は肯定の疑問形を付ける。
It’s cold today, isn’t it?(⤴︎)
(今日は寒いですよね?【確認している】)
It’s cold today, isn’t it?(⤵︎)
(今日は寒いですね。【同意を求めている】)
You have never been to Japan, have you? (⤴︎)
(あなたは日本に行ったことがないですよね?【確認している】)
You have never been to Japan, have you? (⤵︎)
(あなたは日本に行ったことがないですね。【同意を求めている】)
「一般動詞」や「助動詞」の場合、「過去形」の場合なども作り方は同じ。
7.2. 付加疑問の【答え方】
付加疑問の答え方は、肯定文のあとに否定の付加疑問が付いても、否定文のあとに肯定の付加疑問が付いても同じになる。
It’s cold today, isn’t it? (今日は寒いですね?) |
Yes, it is. (はい、寒いです。) No, it isn’t. (いいえ、寒くありません。) |
It isn’t cold today, is it? (今日は寒くないですね?) |
Yes, it is. (いいえ、寒いです。) No, it isn’t. (はい、寒くありません。) |
上記の2つの文に対する答えは、両方とも「寒い」ときは「Yes」で、「寒くない」ときは「No」になっていることに注意してほしい。
日本語では「いいえ(否定)、寒いです(肯定)。」や、「はい(肯定)、寒くありません(否定)。」という答えはあり得るが、英語では「否定 + 肯定」や「肯定 + 否定」の組み合わせの答えはあり得ない。下記の「否定の疑問文」の答え方のところも参照してほしい。
8. 話すための英文法|否定の疑問文
「否定の疑問文」を説明する。否定の疑問文は、特に「驚きを表す」ときや「同意を求める」ときによく使われる。
8.1. 否定の疑問文の【作り方】
否定の疑問文は、疑問文を作るときに文の最初に持ってくる語を否定の形にするだけだ。
Don’t you want to go?
(あなたは行きたくないのですか? → 行きたくないの!?【驚きを表現】)
Haven’t we met before?
(前にお会いしませんでしたか? → 前にお会いしましたよね?【同意を求める表現】)
8.2. 否定の疑問文の【答え方】
否定の疑問文に対する答え方は、日本語の場合とは逆になるので注意が必要だ。
Don’t you want to go? (行きたくないの!?) |
Yes, I do. (いいえ、行きたいです。) No, I don’t (はい、行きたくないです。) |
Haven’t we met before? (前にお会いしましたよね?) |
Yes, we have. (はい、お会いしています。) No, we haven’t. (いいえ、お会いしていません。) |
注意してほしいのは、「Don’t you 〜」で始まる否定の疑問文でも、「Do you 〜」で始まる普通の疑問文でも、返事は同じになるということだ。
英語では「いいえ、行きたいです。」という答えはあり得ない。なぜなら、「いいえ」と否定しているのに、「行きたいです」と肯定の意味をつなげることが不可能だからだ。英語では否定なら否定が続かなければならない。(付加疑問も同じ)
9. 話すための英文法|その他の疑問文
その他、英語を使うときに重要な疑問文を紹介する。
9.1. 「ふつうの文」のままの疑問文
話しことばの場合は、「ふつうの文」のままでも文の最後を上がり調子(⤴︎)で発音することにより疑問の意味を表す場合も多い。
You believe it(⤴︎)?
(あなたはそれを信じるの?)
9.2. 答えを求めない疑問文
形は疑問文だが、相手の答えを求めない疑問文がある。
Who knows?
(誰がわかるだろうか? → 誰にもわからないよ。)
『英語独学完全マニュアル』
独学で効率的に習得する科学的学習法の全て(全79ページ)
英語は独学が基本です。しかし、「自分の学習方法が正しいかどうか…」不安に思っていませんか?本書は、英語の学習方法についてお悩みの皆さまに、第二言語習得研究と脳科学(神経科学)研究の知見に基づいた真に効率的な英語学習法をご紹介する解説書です。
無料eBookの主な内容
- 単語・文法・発音の効率的な基礎力強化方法
- インプット(読む・聞く)能力向上のための英語脳作りトレーニング法
- アウトプット(話す・書く)能力向上のためのリハーサル・トレーニング法
- 学習計画の立て方と効率性を上げるための学習習慣
そろそろ本気で英語を習得したいとお考えの方におすすめです。また、「英会話スクールに通っているけど思うように上達しない…」「TOEICで高得点を取ったけど話せない…」などでお悩みの皆さまも是非ご一読ください。