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公開日:
2019.11.03

キクタン徹底検証|ビジネスパーソン向け4種類の内容・使い方・効果

ビジネスパーソンの初級〜中級者向けに、下記の4種類の「キクタン」をピックアップした。これらを、英語と英語の学習方法を教えている立場から徹底検証することがこのコラムの目的だ。

・改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル
・改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000
・改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 600
・キクタン ビジネス【Basic】

The English Clubはこれらの教材を長年使用してきた。その積み重ねてきた経験と知識をもとに、本書の内容、やり方、効果についてできる限り客観的に、そして徹底的に検証したい。皆さまの英語学習の手助けになれば幸いだ。

1. キクタン|おすすめ度 by The English Club

「ビジネスパーソンにおすすめのキクタンは、「キクタンBasic 4000」と「キクタンTOEIC 600」。単語の掲載基準に若干の不安は残るが、チャンツ好きな方にはおすすめ。」

良い点

ビジネスパーソンの初級・中級者向けにおすすめするキクタンは、「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」と「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 600」だ。

「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」は非常にバランスのとれた単語集だ。掲載されている単語・例文、ダウンロード音声、そして学習方法と、どれも合格点の出来といえる。

本書は、受験生を第一のターゲットにしているが、社会人の皆さまにとっても重要語ばかりなので、チャンツで単語を覚えたい大人の方向けにもオススメできる単語集だ。中学で習う約1000語の最重要語の次に使うべき単語集といえるだろう。

「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 600」もおすすめだ。ただし、こちらは「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」よりもレベルが高くなる。おすすめは、「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」を8割以上覚えてから、「改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 600」への移行。「TOEIC TEST SCORE 500」はおすすめしない。その理由は「キクタンTOEIC|500 600 800 990の内容・使い方・効果を徹底検証!」で解説している。

悪い点

一方で、「改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000」はおすすめできない。なぜなら、見出し語として掲載されているターゲット単語と、リーディング用に掲載されている英文の難易度がちぐはぐだからだ。

「キクタン ビジネス【Basic】」は、学習者を選ぶ単語集だ。書店で実際に中身を見て、自分が必要とする単語が多く載っているかどうかを確かめてから購入することを強くオススメする。ちなみに付属のCDにはチャンツしか収録されていない。センテンスの音声は別売りなので注意してほしい。

キクタンといえば、「チャンツ」だ。「チャンツ」とは、音楽に乗せて単語を覚える方法だが、人によって好き嫌いがある。また、「チャンツ」には問題もある。音楽に乗せて発音しているため、よく聞き取れなかったり、アクセントの位置がわかりづらかったりすることがある。

2. キクタン|ビジネスパーソン向け4種類の対象レベル

アルクが発行しているキクタンには色々な種類がある。どれを使えばいいのか迷う方も多いだろう。そこで、このコラムでは、ビジネスパーソンの初級〜中級者向けに適した4冊を選び、それらの内容・効果・使い方を徹底的に検証する。

まずは、ピックアップした4冊の対象レベルについて、それぞれに掲載されているものを下表にまとめた。

キクタン
(ビジンスパーソン向け)
対象レベル
改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル英語初級〜中堅私大レベル
改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000英語初級〜
センター試験〜中堅私大レベル
改訂版 キクタン TOEIC TEST SCORE 600英語初級以上
(英検3級以上/TOEICスコア350程度から)
キクタン ビジネス【Basic】全レベル

「キクタン ビジネス」以外は、初級〜中級者を対象としている。「キクタン ビジネス」は、【Basic】以外に【Advanced】【Super】がある。この【Basic】はビジネス英語での初級〜中級者向けと考えていいだろう。

3. キクタン|ビジネスパーソン向け4種類に共通する宣伝コピー

キクタン4種類全てに共通して記載されている宣伝コピーをご紹介する。

• 音楽のリズムに乗りながら楽しく学習ができる「チャンツ」

• 最新の語彙研究の成果であるコーパスのデータを徹底的に分析

 *コーパス:実際に話されたり書かれたりした言葉を大量に収集した「言語テキスト・データベース」のこと。

4. キクタン|ビジネスパーソン向け4種類の個別の宣伝コピーと内容</h2

キクタン4種類のそれぞれの宣伝コピーと内容を、記載されているままご紹介する。

4.1. 「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」

キクタンBasic4000

CD付属 アルク文教編集部(編集)[アルク]¥1,400+税

4.1.1. 「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」の宣伝コピー

• リズムに乗って楽しく身に付く単語帳がさらに音声を充実させて進化しました!

• チャンツは男女2種類。フレーズとセンテンスの音声も収録!さらに「聞く」「効く」!

• 見出し語と見出し順を全面的に見直し!入試問題とコーパスを徹底分析!

4.1.2. 「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」の利用法(本書に記載のもの)

10の「Week」と「Extra」から成り、「Week」は1日4ページで16語ずつ学ぶ「Day」7日分で構成されています。それぞれの「Week」や「Extra」を終えたら「Review」でディクテーションに取り組みます。

3つの学習モード+α:

チャンツモード(Check 1):できれば単語学習は短時間で済ませたい人にオススメ(…)。該当のCDトラックで「チャンツ」を聞き流すだけでOK。(…)ポーズのところや2回目の英語にかぶせるように自分でも発音すると、より定着率がアップします。学習時間の目安:1日1分半

フレーズモード(Check 1 > Check 2):単語の日本語訳だけではなくて、単語の使い方も同時に知りたい人にオススメ(…)。音声を流して、英語にかぶせたりポーズで発音したりして、フレーズを余すところなく定着させましょう。学習時間の目安:1日5分

センテンスモード(Check 1 > Check 2 > Check 3):やるからには完璧にしたいという人にオススメ(…)。一文を聞いたり読んだりして(…)さまざまなアプローチで総合的に英語力をアップすることができます。学習時間の目安:1日10分

Review:一週間の復習としてオススメなのが、「Review」でのディクテーション。聞き取れるまで何度も聞いてOK。聞き取りを終えたら回答をチェック。学習時間の目安:1日5分

4.1.3. 「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」の内容

1日16語、10週間+5日で1000〜4000語レベルの1200語をマスター!

WEEK 1|Level 1-2 動詞1〜7(Page 13〜44)

WEEK 2|Level 1-2 動詞8〜10 名詞1〜4(Page 45〜76)

WEEK 3|Level 1-2 名詞5〜10 形容詞1(Page 77〜108)

WEEK 4|Level 1-2形容詞2〜5 副詞1 / Level 3 動詞11〜12(Page 109〜140)

WEEK 5|Level 3 動詞13〜17 名詞11〜12(Page 141〜172)

WEEK 6|Level 3 名詞13〜19(Page 173〜204)

WEEK 7|Level 3名詞20〜26(Page 205〜236)

WEEK 8|Level 3形容詞6〜12(Page 237〜268)

WEEK 9|Level 3副詞2 / Level 4動詞18〜21 名詞27〜28(Page 269〜300)

WEEK 10|Level 4 名詞29〜31 形容詞13〜15 副詞3(Page 301〜332)

EXTRA|多義語1〜5(Page 333〜356)

4.2. 「(改訂版) キクタン リーディング【Basic】4000」

キクタンリーディングBasic4000

CD付属 アルク文教編集部(編集)[アルク]¥1,400+税

4.2.1. 「(改訂版) キクタン リーディング【Basic】4000」の宣伝コピー

• センター試験〜私大受験に必要な必須単語を音声と文脈で定着させる!

• 「チャンツ」で学習した語彙に「長文」で出会うことで、ムリなく記憶に定着!総合的な英語力も身につく

• 1日わずか12語+1長文、12週間で、大学入試頻出の最重要単語を身につける、効果的なスケジュール学習

4.2.2. 「(改訂版) キクタン リーディング【Basic】4000」の利用法(本書に記載のもの)

12週の「Week」から成り、「Week」は1日4ページで12語+1長文ずつ学ぶ「Day」5日分で構成されています。5日目を終えた後には、復習として「Review」でリーディングに取り組みます。

3つの学習モード+α:

聞くだけモード(Check 1):とにかく忙しく、短時間で単語を学習したい人にオススメ(…)。該当のCDトラックで「チャンツ」を聞き、単語を意味を押さえましょう。学習時間の目安:1日1分半

しっかりモード(Check 1 > Check 2):しっかり単語を定着させたい人にオススメ(…)。チャンツを聞いたあと、見出し語を使った長文のリーディング・リスニングを行い、文脈から単語を定着させます。学習時間の目安:1日8分

かんぺきモード(Check 1 > Check 2 > Check 3 > Check 4):英語の総合力をつけたい人にオススメ(…)。長文の構成、文法、構文面など、長文の内容と構造をすみずみまで押さえたうえで仕上げの音声トレーニングまで行います。学習時間の目安:1日12分

週に一度のバラエティーモード:週ごとのReviewでは、各weekで学んだ見出し語を含む長文のリーディングに取り組みます。CDに収録されている長文の音声で、❷ディクテーション、❸アイシャドーイング、❹リップシンク、❺リピーティング、シャドーイング、❻音読などを行いましょう。学習時間の目安:∞

4.2.3. 「(改訂版) キクタン リーディング【Basic】4000」の内容

1日12単語・1長文、12週間でSVL*4000語レベルの720語をマスター!

*SVL(Standard Vocabulary List)12000とは、アルクが厳選した重要英単語リスト「標準語彙水準SVL12000」のこと(…)。

WEEK 1|生活_1(Page 13〜35)

WEEK 2|生活_2(Page 37〜59)

WEEK 3|人生の中の革新(Page 61〜83)

WEEK 4|英雄の伝記(Page 85〜107)

WEEK 5|歴史(Page 109〜131)

WEEK 6|心(Page 133〜155)

WEEK 7|科学と宇宙(Page 157〜179)

WEEK 8|科学技術(Page 181〜203)

WEEK 9|環境問題(Page 205〜227)

WEEK 10|社会とのつながり(Page 229〜251)

WEEK 11|教育(Page 253〜275)

WEEK 12|国際問題(Page 277〜299)

4.3. 「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」

キクタン TOEIC TEST SCORE 600

CD付属 一杉武史(編著)[アルク]¥1,600+税

4.3.1. 「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」の宣伝コピー

• 最新の出題傾向に対応!600点突破に必要な単語・熟語力に加えリスニング力も同時に身につきます!

• 600点越えの語彙力を1日わずか16の見出し、10週間で完全マスター!

• 米英2カ国発音対応のチャンツに加え、センテンス部は米英加豪の4ヶ国発音で収録。リスニング力も大幅アップ!

4.3.2. 「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」の利用法(本書に記載のもの)

1日の学習量は4ページ、学習単語・熟語数は16となっています。1つの見出し語・熟語につき、定義を学ぶ「Check 1」、フレーズ中で単語・熟語を学ぶ「Check 2」、センテンス中で学ぶ「Check 3」の3つ「モード学習」が用意されています。

3つの「学習モード」:

聞くだけモード:Check 1だけの「聞くだけモード」。該当(CD)のトラックで「チャンツ音楽」を聞き流すだけでもOK。でも、時間があるときはCheck 2とCheck 3で復習も忘れずに。学習時間の目安:1日2分

しっかりモード:Check 1とCheck 2を学習する「しっかりモード」。声に出してフレーズを音読すれば、定着度もさらにアップするはず。学習時間の目安:1日4分

かんぺきモード:Check 1 > Check 2 > Check 3。できればみんな「かんぺきモード」でパーフェクトを目指そう。学習時間の目安:1日7分

4.3.3. 「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」の内容

1日16単語・熟語x 10週間でTOEIC600点突破の1120単語・熟語をマスター!

Chapter 1|名詞:超必修160 Day 1〜10(Page 13〜55)

Chapter 2|動詞:超必修112 Day 11〜17(Page 57〜87)

Chapter 3|形容詞:超必修80 Day 18〜22(Page 89〜111)

Chapter 4|名詞:必修160 Day 23〜32(Page 113〜155)

Chapter 5|動詞:必修112 Day 33〜39(Page 157〜187)

Chapter 6|形容詞:必修80 Day 40〜44(Page 189〜211)

Chapter 7|副詞・前置詞:必修32 Day 45〜46(Page 213〜223)

Chapter 8|動詞句 Day 47〜61(Page 225〜287)

Chapter 9|形容詞句・副詞句 Day 62〜65(Page 289〜307)

Chapter 10|群前置詞句・群接続詞 Day 66〜68(Page 309〜323)

Chapter 11|その他の熟語 Day 69〜70(Page 325〜333)

4.4. 「キクタン ビジネス【Basic】」

キクタンビジネスBasic

CD付属 一杉武史(編著)[アルク]¥1,800+税

4.4.1. 「キクタン ビジネス【Basic】」の宣伝コピー

• ビジネスシーンで必要な基礎語彙がこの1冊で完ぺきに身につきます!

• ビジネス文書を徹底分析!話題の「コーパス」が見出し語の実用性をバックアップ!

• 「完全にマスターする」ための仕掛けが満載!「出会いの数」が語彙習得のカギ!

4.4.2. 「キクタン ビジネス【Basic】」の利用法(本書に記載のもの)

1日の学習量は4ページ、学習単語・熟語数は16となっています。1つの見出し語・熟語につき、定義を学ぶ「Check 1」、フレーズ中で単語・熟語を学ぶ「Check 2」、センテンス中で学ぶ「Check 3」の3つ「モード学習」が用意されています。

3つの「学習モード」:

聞くだけモード:Check 1だけの「聞くだけモード」。該当(CD)のトラックで「チャンツ音楽」を聞き流すだけでもOK。でも、時間があるときはCheck 2とCheck 3で復習も忘れずに。学習時間の目安:1日2分

しっかりモード:Check 1とCheck 2を学習する「しっかりモード」。声に出してフレーズを音読すれば、定着度もさらにアップするはず。学習時間の目安:1日4分

かんぺきモード:Check 1 > Check 2 > Check 3。できればみんな「かんぺきモード」でパーフェクトを目指そう。学習時間の目安:1日6分

4.4.3. 「キクタン ビジネス【Basic】」の内容

1日16単語・熟語x 7週間でBasicレベルの787のビジネス語彙をマスター!

Chapter 1【社会・組織】(Page 13〜27)

Chapter 2【経済・経営】(Page 29〜43)

Chapter 3【人事・仕事】(Page 45〜79)

Chapter 4【製造・部品】(Page 81〜99)

Chapter 5【販売・取引】(Page 101〜135)

Chapter 6【金融・会計】(Page 137〜167)

Chapter 7【通信・伝達】(Page 165〜183)

Chapter 8【会議・交渉】(Page 185〜207)

Chapter 9【法律・税制】(Page 209〜223)

Chapter 10【その他】(Page 225〜247)

5. キクタン|ビジネスパーソン向け4種類の学習効果分析

まずは、ここでピックアップしたキクタン4種類の内容・やり方・効果について、共通する部分を検証する。

5.1. キクタンの「チャンツ」には要注意!

キクタンといえば「チャンツ」だ。音楽に乗せて英単語を覚える方法のことだが、これは好き嫌いがある。ちなみに筆者は好きではない。なぜなら、単語のアクセントの位置が分かりにくいからだ。

英単語には必ず「強く」発音される場所(アクセントの位置)がある。その場所を間違えて発音すると通じない場合が多い。なので、英単語を覚える際は、必ずその場所も一緒に覚えなければならない。しかし、キクタンは音楽にのせて発音されているので、その場所が分かりにくいのだ。

5.2. 掲載させている「単語」には要注意!

せっかく苦労して覚えても、その後全く出会う機会がなかったり、使う機会が全くなければ、その努力は全くの無駄になってしまう。学習の効率性を重視するのであれば、覚えるべき単語の選択には細心の注意を払って欲しい。

ここで紹介する4種類のキクタンには、覚えるべき単語といえないものも少なからず含まれている。詳細は後ほど説明するが、そのような単語が多く含まれている単語集は避けた方がよい。

キクタンシリーズはどれも、「コーパスのデータを徹底的に分析」ということを大々的にうたっている。しかし、どのようなコーパスを分析したのかの詳細の記載がない。このことが、覚えるべき単語ではないものが少なくないことと関係しているのではないだろうか。

コーパスとは、言語のデータベースのことで、イギリス英語の「International Corpus of English」や、アメリカ英語の「Corpus of Contemporary American English」など様々なものがある。「独自のコーパス」から選定していると宣伝している単語集もあるので注意が必要だ。

ちなみに、「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」と「改訂版キクタンリーディング【Basic】4000」には、「コーパス」に加えて、SVL(Standard Vocabulary List)の4000語から選ばれているとある。「SVL」とは「アルクが厳選した重要英単語リスト」とのこと。アルクが独自で選んだリストをベースにしているとすると、なおさら不安になる。「コーパス」と「SVL」の2つの語彙リストから、掲載語をどのように選んだかも不明だ。

5.3. 記載されている「学習期間」を鵜呑みにするな!

ピックアップした4種類のキクタンには、それぞれ下記のような記載がある。しかし、これは本書のオススメ学習法で「1回だけ」通してやった場合だ。1日1分半の学習で1周まわしただけで全ての単語を覚えられるはずがない。この記載を鵜呑みにしてはいけない。

改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル

1日16語、10週間+5日で1000〜4000語レベルの1200語をマスター!

改訂版キクタンリーディング【Basic】4000

1日12単語・1長文、12週間でSVL4000語レベルの720語をマスター!

改訂版キクタンTOEIC TEST SCORE 600

1日16単語・熟語×10週間でTOEIC600点突破の1120単語・熟語をマスター!

キクタン ビジネス【Basic】

1日16単語・熟語×7週間でBasicレベルの784のビジネス語彙をマスター!

6. キクタン|ビジネスパーソン向け4種類の個別の学習効果分析

次に、4種類それぞれの内容・やり方・効果について検証する。

6.1. 「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」の学習効果分析

キクタンBasic4000

6.1.1. 掲載させている「単語数」には要注意!

「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」には、「4000」と記載されているが、4000語が掲載されているわけではない。あくまで、「4000語レベル」の単語が掲載されているという意味なので注意が必要だ。

本書には、見出し語で1,200語、派生語・関連語や、センテンスなどに含まれる全ての単語を加えても2,600語程度しか掲載されていない。

6.1.2. 掲載語はおおむね妥当

掲載されている単語の大部分は、ビジネスパーソンが覚えておかなければならない重要単語ばかりだ。中には「1049. cosmos」(宇宙)のように、大学英語教育学会基本語リストに基づく「JACET8000」の8,000語にも含まれていない単語もあるが、そのような単語は少ない。

「JACET8000」とは、ブリティッシュ・ナショナル・コーパス(British National Corpus)をベースとし、アメリカ英語や日本での各種試験を考慮した上で8,000語を厳選し、使用頻度順に並べた語彙リストだ。このJACET8000にも若干の問題があるが、掲載単語を選別する際に使用したコーパスや「SVL」の詳細を明らかにしていないキクタンシリーズに比べて、はるかに信頼できる語彙リストだ。

6.1.3. センテンスはビジネスパーソン向けではない

本書は、単語毎に一つのフレーズ(使い方の例:例えば「create」であれば、「create a new trend」)と一つの例文(センテンス:例えば「Ken created a short story.」)が掲載されている。英単語を例文で覚えることは効率的な学習方法なのだが、本書の第一のターゲットは大学の受験生なので、例文がビジネスパーソン向けではないことは致し方ない。

ビジネスパーソンがよく使用するような例文が多く掲載されていれば、単語と定型表現を同時に覚えられるので一石二鳥なのだが…。しかし、英単語の基礎を固めるという目的に使うにはよい。

6.1.4. 学習方法は高い評価

本書が推奨している「目」「耳」「口」「手」を使う学習方法は、脳科学(神経科学)の知見からみても効率的な方法だ。

ただ、「Review」のディクテーションをもうちょっと充実させて欲しかった。7日分の112の単語から、合計14の問題しか掲載されていない。少なくてもこの倍の数の問題が欲しかった。学習者としては、ディクテーション問題に乗っていない単語で、スペルがどうしても覚えられない単語は、是非書きながら覚えて欲しい。

6.1.5. ダウンロード音声の内容はGood!

ダウンロード音声は、チャンツ(単語)、フレーズ、センテンス、ディクテーションの全てが収録されている。それぞれの音声ファイルは以下の通り。

チャンツ:男性ナレーター版と女性ナレーター版の2種類あり、音楽に乗せて、英語 → 日本語訳 → 英語の順番で収録されているので、本書を開けないところでも単語が覚えられる。
フレーズ:男性もしくは女性ナレーターがフレーズだけを順番に読み上げている。音楽なし。日本語は収録されていない
センテンス:「フレーズ」同様、男性もしくは女性ナレーターがセンテンスだけを順番に読み上げている。音楽なし。日本語は収録されていない。

フレーズとセンテンスのスピードはナチュラルより遅めだが、リンキング(リエゾン)などの音声変化も学習できる。

6.2. 「改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000」の学習効果分析

キクタンリーディングBasic4000

6.2.1. 掲載させている「単語数」には要注意!

「改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000」には、「4000」と記載されているが、4000語が掲載されているわけではない。あくまで、「4000語レベル」の単語が掲載されているという意味なので注意が必要だ。

本書には、見出し語で720語、派生語・関連語や、例文などに含まれる全ての単語を加えても1,900語弱しか掲載されていない。

6.2.2. 掲載語はおおむね妥当

「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」と同レベルの単語を掲載しており、重なっている単語も多い。本書は見出し語の数が少なくなっているが、易しい単語を省いているのか、若干難易度が高くなっている感がある。

このレベルで学習すべきなのか?と疑問の残る単語も散見されるが、掲載語についてはおおむね妥当と判断できるだろう。

6.2.3. 掲載されている単語と英文の難易度がちぐはぐ

「改訂版 キクタン リーディング【Basic】4000」は、長文で単語を覚えることをコンセプトにした単語集だ。コンセプトは共感できるのだが、本書の一番の問題は、掲載されている単語のレベルと、リーディング(およびリスニング)用に掲載されている英文(長文)のレベルの違いだ。

長文には、文の構造(文法)がわかりにくい英文が多い。見出し語として掲載されている単語は、初・中級者向けだが、その様な方には理解が難しいであろう英文が並んでいる。文の構造を理解できない英文を多く読んでも英語力の向上にはつながらない。

6.2.4. 付属のCDにも問題あり

付属のCDには、チャンツで(音楽に乗せて)英単語 → 日本語訳 → 英単語の順番で収録されており、次に長文が収録されている。長文には音楽は入っていない。

チャンツで気になるのは、音楽に乗せているので細かい発音が聞き取れなくなっていることだ。おそらく「改訂第2版 キクタン【Basic】4000語レベル」では改善したのだろう。あまり気にならなかったが、本書では非常に気になる。

例えば、「003. length」(長さ)をチャンツで聞くと、最後の「th」がほとんど聞き取れないので、「レン」としか聞こえない。音楽と重なっているからだ。

長文の読み上げの速さはナチュラルよりかなり遅い。英文の内容が難しい割には遅いので、英文を理解できる方向けのリスニング教材としても使えない。

6.3. 「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」の学習効果分析

キクタン TOEIC TEST SCORE 600

6.3.1. 掲載させている「単語数」は見出し語で1,120語

「改訂版 キクタンTOEIC TEST SCORE 600」は、見出し語で1,120語(単語:736語/熟語384)、派生語・関連語や、センテンスなどに含まれる全ての単語を加えても2,300語程度だ。

6.3.2. 掲載熟語の選定に難あり!

掲載熟語のほとんどは、このレベルで覚えておかなければならないものばかりだが、中には重要性がかなり低いものを含まれている。例えば、「1101. a host of 〜」(多数の〜)だが、この意味での「host」は、前出の「JACET 8000」には一切記載がない。その他にも、「これを覚えるのであれば、もっと重要なものがあるだろう…。」というものが散見されるので注意が必要だ。

熟語に比べて、単語はそのようなものは少ないといっていいだろう。

6.3.3. 学習方法は高い評価

このシリーズは、「耳」「目」「口」を使って覚えること推奨している。理にかなった学習法だと言える。どうしても覚えられないものや、スペルが難しい単語については、「書く」作業を加えればよいだろう。

フレーズやセンテンスで覚えるところは、このシリーズの評価できる点だ。【600】のフレーズやセンテンスも自然の表現のものが多い。

6.3.4. CDの内容はGood!

【600】のCDには以下が収録されている。TOEICを意識して4カ国の発音を収録していることは評価するが、フレーズの音声が収録されていないのが残念だ。センテンスの読み上げの速さはナチュラルスピードより遅いが、英語の発音(リズム・音声変化・イントネーション)の入門練習用としては良い。

見出し語(1回目・米発音)(チャンツあり)
見出し語の日本語訳語(チャンツあり)
見出し語(2回目・英発音)(チャンツあり)
センテンス(米・英・加・豪発音のいづれかで1回のみ)(チャンツなし)

6.4. 「キクタン ビジネス【Basic】」の学習効果分析

キクタンビジネスBasic

6.4.1. 本当に自分に必要な単語か?

自分が必要とする単語が掲載されているかどうかは、どの単語集を選ぶ時に最も注意すべきことだが、特に本書の場合は注意が必要だ。本書はビジネスを「組織」「経営」「人事」「製造」「会計」などに分けて重要単語を並べているが、ある方にとっては重要な単語でも、ある方にとっては全く必要のないものが少なくない。

例えば、「489. rally」((株価などの)持ち直し)は、金融関連に勤めている人以外は知らなくてよい単語だと言い切れる。特に本書を利用するレベルの方には必要ない。ちなみに筆者は金融出身だ。

6.4.2. ビジネスで使われる時の特殊の意味は後でいい

ビジネスの場では特殊の意味を持つ重要語が、第一義(最も重要な意味)を載せずに見出し語として掲載されているので、初級者は混乱してしまう可能性がある。

例えば、「061. capital」は「資本(金)」として掲載されているが、まずは、第一義といっていい「(名)首都」や「(形)第一の」という意味を覚えるべきだ。

本書は、学習者を選ぶ単語集だといえるだろう。

6.4.3. センテンスの音声は別売りなので注意!

音声については、本書はあまりに不親切だ。一見、センテンスの音声は無料でダウンロードできそうな記載があるが、実は別売りなのだ。これは確信犯だといっていい。事実、筆者は、ある企業の英語研修で使うことを目的で、試しに本書を購入したのだが、ダウンロードしようとウェブで検索して、初めて別売りだということに気づいたほどだ。

別売りの音声は、見出し語 → センテンス → センテンスの日本語訳の順番で収録されており、スピードはナチュラルより遅め。価格は1,200円と高い。ちなみに本書にはこの価格についても一切記載がない。

付属のCDには、チャンツのみ、英単語 → 日本語訳 → 英単語の順に収録されている。

7. キクタン|おすすめ使い方 by The English Club

ここで取り上げたキクタン4種類のおすすめ使い方をご紹介する。

下図のように5つ(書き取りを含めて6つ)のアクティビティからなるトレーニングだ。The English Clubでは、これらのトレーニングを「自動化トレーニング」と呼んでいる。英単語を無意識的・自動的に理解し、使えるようにするためのトレーニングだからだ。

キクタンTOEIC 学習フロー

それぞれのトレーニングを単独で行っても効果はある。しかし、上図のように組み合わせて行うと、より高い効果が期待できる。なお、慣れてきたら音読とシャドーイングだけを繰り返せばよい。それでは、順番にやり方を説明する。

7.1. アイ・シャドーイング(Eye-shadowing)

トレーニング・ステップ-01

テキストを見ながら「チャンツ」(見出し語と日本語)を聴いてみる。意味はもちろんだが、発音(必ずアクセントの位置にも注意すること!)を意識して何度か繰り返し聴いてみる。次に、テキストを見ながら「フレーズ」と「センテンス」を何度か聴いてみる。

7.2. 音読(Reading-aloud)

トレーニング・ステップ-02

音源を止め、見出し語とフレーズ・センテンスを大きな声で音読しながら、意味や文の構造を確認する。わからないところは本書や辞書で確認すること!

7.3. オーバーラッピング(Overlapping)

トレーニング・ステップ-03

再度テキストを見ながら、そしてチャンツ・フレーズ・センテンスを聴きながら、唇を音源に合わせて動かしてみる(リップ・シンク/口パク)。発音が理解できたら、今度は音源にぴったりと合わせて、自分でも発音しながらついていく(オーバーラッピング)。

7.4. 音読(Reading-aloud)

トレーニング・ステップ-04

音源を止め、フレーズとセンテンスを大きな声で音読する。読みながら意味が頭にスーッと入ってくるようになるまで繰り返す。その後、個々の発音、アクセントの位置、音声変化、強弱、イントネーションを意識して再度何度か音読する。発音が曖昧な場合は、リップ・シンクで確認してから再度音読する。

なお、音読のやり方や効果についての詳細は「英語の音読|正しいやり方で4技能に効果あり!7つのコツと教材選び」を参考にして頂きたい。

個々の発音、アクセントの位置、音声変化、強弱、イントネーションについての詳細は「英語の発音|初心者向け科学的見地からの6つのコツと矯正・練習方法」を参考にして頂きたい。

7.5. シャドーイング(Shadowing)

トレーニング・ステップ-05

テキストを見ずに、チャンツ・フレーズ・センテンスの音源を聴き、1語程度遅れて、自分でも発音しながら影(shadow)のようについていく。その際、必ず意味と発音を意識しながら行う。うまくできない場合は、一旦、オーバーラッピングや音読に戻ってから、再度シャドーイングに挑戦してみる。

なお、シャドーイングのやり方や効果についての詳細は「英語のシャドーイング|4種類のやり方と効果&6のコツを徹底解説!」を参考にして頂きたい。

7.6. (おまけ) 書き写し(Transcribing)

トレーニング・ステップ-おまけ

どうしても覚えられない単語やスペルが難しい単語は、「書き写し」の練習をお勧めする。

フレーズやセンテンスを黙読もしくは音読し、ノートに書き写す。その際、センテンス一文(もしくはフレーズ一つ)を一気に書き写すようにすると高い効果が期待できる。途中でチラチラと見ないようにする。この「書き写し」は、シャドーイングの前、もしくは後に行うとよい。

* 余裕が出てきたら、掲載されている各単語の派生語・関連語も確認しましょう。音声がないので、発音がわからない場合は発音記号を確認し、発音しながら覚えよう。

祝福
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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
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