ビジネスの場面において英語で挨拶をする際のフレーズ・やり取りを徹底的に解説する。
初対面の場合と再会の場合、それぞれフォーマルとカジュアルな場面を想定しながら、会話例を交えて詳細を説明する。加えて会社の同僚など、気心の知れた相手との挨拶も徹底的に解説する。
自分から挨拶する場合、相手から挨拶された場合、両方の場合において戸惑わないようにしっかりと準備しておこう。
1. 【初対面】英語挨拶|ビジネス鉄板フレーズと会話例
ビジネスで初めて会った方との挨拶の方法を解説する。まずはよく使用されるフレーズを解説する。そのあとで、それらのフレーズが実際にどのように使用されるのかを会話例で見てみよう。
ビジネス英語【初対面】鉄板挨拶フレーズ
「はじめまして」の鉄板フレーズ
Hello!
Hi!
(はじめまして/おはようございます/こんにちは/こんばんは。)
Point ①: “Hello” と “Hi” は1日のうち、どの時間帯でも使える便利で一番簡単な挨拶のことば。初対面の人に対しては「はじめまして」の意味にもなる。
Point ②: “Hi” は “Hello” に比べて若干カジュアル。しかし、ビジネスシーンで初対面の方に使っても失礼にはならない(フォーマルな状況を除く)。
Hello/Hi, good morning.
(はじめまして。おはようございます。)
Hello/Hi, good afternoon.
(はじめまして。こんにちは。)
Hello/Hi, good evening.
(はじめまして。こんばんは。)
Point ④: それぞれ使用する時間帯は、“Good morning” は午前中、“Good afternoon” は正午以降日没くらいまで、“Good evening” は日没以降が目安。
Point ⑤: 相手が先に上記の挨拶をしてきた場合は、同じ言葉を繰り返せばよい。
「お会いできてうれしいです」の鉄板フレーズ
(It’s/It is) nice to meet you.
(お会いできてうれしいです。)
Point ⑥: 「お会いできてうれしいです」を表現する最も一般的なフレーズ。最初の “It’s (It is)” は省略する場合が多いが、省略しないほうが丁寧なニュアンスになる。
Point ⑦: 相手から “(It’s/It is) nice to meet you.” と言われた場合、最も一般的な返答は、
(It’s/It is) (very/so) nice to meet you, too.
(こちらこそ、お会いできてうれしいです。)
返答の場合は “you” を若干強く発音する。”nice” の前に “very” や “so” と付けて返答すると、うれしさを強調できる。他の返答の仕方として下記のようなフレーズもよく使用されるが、これらはカジュアルな言い方。
You, too. (“(It’s) nice to meet you, too.” の省略形)
Likewise.
Same here.
(こちらもです。)
Point ⑧: オンライン会議やメールではやり取りはあったが、実際に面と向かって会うのは初めての場合の挨拶は、
(It’s/It is) nice to (finally) meet you in person.
((やっと)直にお会いできて嬉しいです。)
“finally” をつけると「やっと会えた」という感じを表現できます。このフレーズに対する返答は、Point ⑦ で紹介した表現でOK. 加えて、”Finally!” と一言で済ませる場合もある(握手しながら)。
注意! “Nice meeting you.” と “Nice to meet you.” の意味は全く異なる。”Nice to meet you. (It is nice to meet you.)” は、初めて会った人に、最初にいう挨拶のことばで、「お会いできてうれしいです」の意味。一方で、“Nice meeting you. (It was nice meeting you.)” は、初めて会った人と話したあと、別れる際にいう挨拶のことばで、「お会いできてうれしかったです。」の意味。” Nice meeting you.” の省略しない形は、”It was” と動詞が過去形になっていることに注意してほしい。
Point ⑨:“(It’s/It is) nice to meet you.” の “nice” のところを下記のような別な単語に変えることもできる。意味はほとんど変わらない。
(It’s/It is) good/great/wonderful/lovely to meet you.
(お会いできてうれしい/素晴らしいです。)
“nice” のところを “happy” “glad” や “pleased” に変えることもできるが、これらの単語の場合は、主語が “I” になることに注意。”pleased” は上品な言い方。
(I’m/I am) happy/glad/pleased to meet you.
(お会いできてうれしい/幸せです。)
「お会いできて光栄です」の鉄板フレーズ
It’s/It is a pleasure to meet you.
(お会いできて光栄です。)
Point ⑩: (It’s/It is) nice to meet you.” よりも丁寧なフレーズ。”It’s/It is a” は省略できるが、丁寧に言いたい場合は省略しない。また、”It’s” よりも “It is” の方が更に丁寧になる。 ビジネスでは目上の方やお客様に対して使用する。
Point ⑪: 下記のように ”a pleasure” を “my pleasure” とする場合も多い。
It’s/It is my pleasure to meet you.
(お会いできて光栄です。)
Point ⑫: 相手から “It’s/It is a/my pleasure to meet you.” と言われた場合、最も一般的な返答は、
It is my pleasure to meet you as well.
It is a (great) pleasure to meet you, too.
(こちらこそお会いできて光栄です。)
“too” に変えて “as well” とすると上品さが増す。”great” をつけるとうれしさを強調できる。
The pleasure is mine.
(こちらこそ光栄です。)
“mine” を強めに発音すると、「こちらこそ」を強調できる。
「お目にかかれて大変光栄に存じます」の鉄板フレーズ
It’s/It is an honor to meet you.
(お目にかかれて大変光栄に存じます。)
Point ⑬: 高貴な方や目上の方に対して使用する非常に丁寧なフレーズ。通常、”It’s/It is an” は省略しない。
注意! 英語では「丁寧さ」よりも「フレンドリーさ」の方を重視する傾向がある。状況にふさわしくない丁寧すぎる表現は、逆に浮いてしますこともあるので注意が必要。
「お元気ですか?」の鉄板フレーズ
How do you do?
((初対面で) お元気ですか?)
Point ⑭: フォーマルかつ、若干古風なフレーズ。初対面のときのみに使用される。
Point ⑮: 相手から “How do you do?” と言われた場合、最も一般的な返答は、
How do you do?
(あなたはお元気ですか?)
返答の場合は “you” を若干強く発音することで「あなたは」を強調する。
It’s a pleasure to meet you.
(お会いできて光栄です。)
注意! 日本では、“How do you do?” と聞かれたら “How do you do?” と答えることが一般的だと思われているが、不自然だと感じるネイティブスピーカーもいることは事実だ。”It’s a pleasure to meet you.” は無難な返答。
ビジネス英語【初対面】よくある会話例
一般的な初対面の会話例:
A: Hi, good morning.
(おはようございます。はじめまして。)
B: Hello, good morning.
(おはようございます。はじめまして。)
A: I’m <Taro Suzuki>. Nice to meet you.
(<鈴木太郎>と言います。お会いできてうれしいです。)
B: I’m <Mark Zuckerberg>. Nice to meet you, too.
(<マーク・ザッカーバーグ>です。こちらこそ。)
丁寧な初対面の会話例:
A: Hello, Mr. <Jack Sparrow. I’m <Junichiro Tanaka>. It is pleasure to meet you.
(こんにちは、<ジャック・スパロー>さん。<田中純一郎>と言います。お会いできて光栄です。)
B: The pleasure is mine. Mr. …. I’m sorry. What is your name again?
(こちらこそ光栄です。えーっと。すみません。もう一度お名前を教えていただけますか?)
A: My name is <Junichiro Tanaka>. Please call me “<Jun>”.
(<田中純一郎>です。<ジュン>と呼んでください。)
B. Nice to meet you, <Jun>.
(お会いできてうれしいです。<ジュン>。)
非常に丁寧な初対面の会話例:
A: Hello, you must be <Mr. Stephen King>.
(こんにちは。<スティーブン・キング>様でございますよね。)
B: Yes, I am.
(はい、そうです。)
A: My name is <Mika Saito>. It is honor to meet you, <Mr. King>. I’m a big fan of your novels.
(私は<斉藤美香>と言います。お目にかかれて光栄です、<キング>さん。私はあなたの小説の大ファンです。)
B: Thank you. It’s nice to meet you.
(ありがとう。お会いできてうれしいです。)
若干古風な初対面の会話例:
A: You are <Ms. Anne Hathaway>. Am I correct?
(<アン・ハサウェイ>さんでございますか?)
B: Yes, I am.
(はい、そうです。)
A: I’m <Ken Tanaka>. How do you do?
(<田中健>と言います。はじめまして。)
B: It’s nice to meet you, Ken.
(はじめまして、<ケン>さん)
面と向かって会うのは初対面の会話例(オンライン会議やメールでのやり取りは有り):
A: Hi, you must be <Mike>!
(こんにちは。あなたは<マイク>ですよね。)
B: Yes, you are <Kaz>, right?
(そうです。あなたは<カズ>ですね。)
A: Yes, it’s nice to finally meet you in person.
(そうです。やっと直接会えましたね。)
B: I’m glad to meet you finally.
(やっと会えてうれしいです。)
なお、初対面の挨拶からの、英語での自己紹介のやり方やフレーズについては『英語で自己紹介|ビジネスですぐ使えるフレーズ完全ガイド!』を参考にしてほしい。
2. 【再会時】英語挨拶|ビジネス鉄板フレーズと会話例
ビジネス上で、以前会ったことがある方との挨拶の方法を解説する。まずはよく使用されるフレーズを解説する。そのあとで、それらのフレーズが実際にどのように使用されるのかを会話例で見てみよう。
ビジネス英語【再会時】鉄板挨拶フレーズ
再会の挨拶の鉄板フレーズ
初対面の場合と同様に、再会の挨拶でも下記のフレーズは鉄板だ。
Hello!
Hi!
Hello/Hi! Good morning/afternoon/evening.
(おはようございます/こんにちは/こんばんは。)
「お元気ですか?」の鉄板フレーズ
Hello/Hi! How are you (doing)?
(こんにちは。お元気ですか?)
Point ①: 「お元気ですか?」の最も一般的なフレーズ。”doing” をつけると若干カジュアルな表現になる。
Point ②: 相手から “Hello/Hi, how are you (doing)?” と言われた場合、最も一般的な返答は、
I’m good/fine. Thank you (for asking).
I’m doing well. Thank you.
(元気です。ありがとうございます。)
Point ③: 久しぶりに会った方には、”How are you?” を現在完了形にした下記の表現が使える。一般的な返答方法も紹介しておく。
How have you been? →【返答】I’ve been great. Thank you.
(お元気でしたか? →【返答】元気でした。ありがとうございます。)
「またお会いできてうれしいです」の鉄板フレーズ
(It’s/It is) nice to see you (again).
(またお会いできてうれしいです。)
Point ④: 「またお会いできてうれしいです」を表現する最も一般的なフレーズ。最後の “again” は省略しても、”see” を使うことで「また」のニュアンスは伝わる。
Point ⑤: 初対面の場合は “meet”、2回目以降に会う場合は “see” を使うこと。初対面ではないのに “meet” を使うと、相手は「前に会ったことがあるのに忘れているのかな?」と思ってしまうので注意が必要だ。
Point ⑥: 相手から “(It’s/It is) nice to see you (again).” と言われた場合、最も一般的な返答は、
(It’s/It is) (very/so) nice to see you, too.
(こちらこそ、またお会いできてうれしいです。)
下記のようなカジュアルなフレーズもよく使用される。
You, too. (“(It’s) nice to see you, too.” の省略形)
Likewise.
Same here.
(こちらもです。)
Point ⑦: 初対面の場合と同様に、 “nice” のところを下記のような別な単語に変えることもできる。意味はほとんど変わらない。
(It’s/It is) good/great/wonderful/lovely to see you (again).
(お会いできてうれしい/素晴らしいです。)
(I’m/I am) happy/glad/pleased to see you (again).
(お会いできてうれしい/幸せです。)
「お久しぶりです」の鉄板フレーズ
It has been a long time.
Long time no see.
(お久しぶりです。)
Point ⑧: 上記は2つとも若干カジュアルな表現。上記のフレーズを相手から言われた場合の一般的な返答は、
It has been a long time. →【返答】it sure has. It’s good to see you.
(お久しぶりです。 →【返答】本当ですね。またお会いできてよかったです。)
Long time no see. →【返答】Yes. It’s nice to see you.
(お久しぶりです。 →【返答】そうですね。またお会いできてよかったです。)
Point ⑨:「お久しぶりです。」をフォーマルに表現すると下記になる。一般的な返答方法も紹介しておこう。
It is a pleasure to see you after such a long time.
(お久しぶりです。
→【返答】It is a (great) pleasure to meet you as well.
→【返答】こちらこそお会いできて(とても)光栄です。)
なお、再会の挨拶からの、雑談のフレーズについては『雑談の英語|ビジネスでの雑談を楽しめる状況別フレーズ100選』を参考にしてほしい。
ビジネス英語【再会時】よくある会話例
最も簡潔な再会の会話例:
A: Hello! <Jun>.
(こんにちは <ジュン>。)
B: Hi! <Tom>.
(こんにちは <トム>。)
A: Hello! Good morning, <Ken>.
(おはようございます <ケン>。)
B: Good morning,<James>.
(おはようございます <ジェイムス>。)
「お元気ですか?」の会話例:
A: Hello! How are you,<Tom>?
(こんにちは。お元気ですか?<トム>。)
B: I’m good. Thank you for asking. How about you,<Ken>?
(元気です。ありがとうございます。あなたはいかがですか?<ケン>。)
A: I’m doing great. Thank you.
(最高です。ありがとうございます。)
「またお会いできてうれしいです」の会話例:
A: Hello, Mary. It’s nice to see you again.
(こんにちは メアリー。またお会いできてうれしいです。)
B: Hi, Steve. It is great to see you, too. How have you been?
(こんにちは スティーブ。こちらこそ、またお会いできてうれしいです。お元気でしたか?)
A: I’ve been doing good. Thank you. How about you?
(元気にしております。ありがとうございます。あなたはいかがですか。)
B: I’ve been fine. Thank you for asking.
(元気です。ありがとうございます。)
「お久しぶりです」の会話例:
A: Hello, Linda. It’s nice to see you again. It’s been a long time.
(こんにちは リンダ。またお会いできてうれしいです。お久しぶりですね。)
B: It sure has. It must be more than two years since we first met in London. I’m glad to see you again, Thomas.
(そうですね。最初にロンドンでお会いしてから2年以上でしょう。またお会いできてうれしいです トーマス。)
3. 【親しい仲】英語挨拶|ビジネス鉄板フレーズと会話例
会社の同僚など、気心の知れた方との挨拶の方法を解説する。まずはよく使用されるフレーズを解説する。そのあとで、それらのフレーズが実際にどのように使用されるのかを会話例で見てみよう。
ビジネス英語【親しい仲】鉄板挨拶フレーズ
「調子はどう?」の鉄板フレーズ
How’s it going?
How’s everything (going)?
How are things (going)?
(調子はどう?)
Point ①: “How’s” は “How is” の省略形。会話では省略形が使われる。気心の知れた仲間うちでは、上記の中で ”How’s it going?” が最もよく使われる。ネイティブが発音すると「ハズゴーイン」と聞こえるので注意。直訳すると「それはどのようにいっている?」の意味。”it” を “everything” や “things” にすることもよくある。
Point ②:相手から “How’s it going?” と言われた場合、最も一般的な返答は、
Pretty good!
(すごいいいよ。)
(It’s) going well.
(いいよ。)
Not bad.
(悪くないね。)
I’m good.
(いいよ。)
“How’s everything (going)?” や “How are things (going)? と訊かれた場合も上記の返答で良い。ただし、” It’s going well.” の “It’s” は、それぞれ “Everything’s (Everything is)” と “Things are” に変える必要がある。また、「それ(It)」について聞かれているのに、”I” を主語にした “I’m good.” は本来であればおかしいが、単なる挨拶なので、この返事もよく使われる。
「何してんの?」の鉄板フレーズ
What’s up?
What are you up to?
(何してんの?)
Point ③: “How’s it going?” の次に仲間うちでよく使われるのが “What’s up?” (特にアメリカ)。ネイティブが発音すると「ツアッ(プ)」に聞こえるので注意。直訳すると「何が起きているの?」の意味。
Point ④: “What are you up to?” の直訳は、そのまま「何しているの?」。”up to〜” は「〜をしている」のニュアンス。
Point ⑤:相手から “What’s up?” や “What are you up to?” と言われた場合、最も一般的な返答は、
Not much.
Nothing much.
(特に何も。)
Same as usual.
(相変わらず。)
What’s up?
(何してんの?)
単なる挨拶なので、質問に特に返答しないで ”What’s up?” と返すことも多い。
ビジネス英語【親しい仲】よくある会話例
「調子はどう?」の会話例:
A: Hi, How’s it going, Rob?
(調子はどう?<ロブ>。)
B: Hey. Pretty good, you?
(いいよ。お前は?)
A: Not bad.
(悪くない。)
A: How’s everything?
(調子はどう?)
B: It’s OK. I’m a little tired.
(大丈夫だよ。ちょっと疲れた。)
A: Come on! Don’t forget we have a party tonight.
(元気出せよ。今夜パーティあるの忘れんな。)
B: I know.
(わかってる。)
「何してんの?」の会話例:
A:What’s up, Mike?
(何してんの、マイク。)
B:Nothing much. How about you?
(特に何も。お前は?)
A: I’m looking for Judy. Have you seen her?
(ジュディを探しているんだけと、見た?)
B: No I didn’t.
(いいや。)
A:What are you up to?
(何してんの。)
B: Not much. I’ve just finished my homework.
(特に何も。今宿題終わったところ。)
A: You have? Can you do my homework for me?
(終わった?俺のもやってくれない?)
B: Get out of here.
(冗談言うなよ。)
『ビジネス英語必携表現集』
シーン別・時系列で完全網羅(全123ページ)
英語を効率的に習得する上で、頻繁に使用される定型フレーズや言い回しを覚え、使えるようにしていく学習は必須です。特にビジネスで使用される英語は、定型フレーズの占める割合が高いといわれています。本書を活用して頂き、ネイティブにとってナチュラルな英語を使えるようにしていきましょう!
無料eBookの主な内容
- 電話の英語
- 受付の英語
- メールの英語
- 雑談の英語
- プレゼンの英語
- 会議の英語
しかしながら、真のスピーキング力を身につけるには、定型フレーズを覚える「トップダウン学習」だけでは不十分です。単語・文法・発音を組み合わせて無限の文章を自由自在に使えるようにする「ボトムアップ学習」も同時並行的に行うことをお勧めします。