英語の「現在形」とは?「現在形」は、どのようなときに、どのように使うの?
大人・社会人の方向けに、基礎から応用まで、以外と奥が深い英語の「現在形」の使い方を丁寧に説明しよう。(※使えない受験英文法ではない。)
英語初心者の方はもちろん、上級者の方もびっくりの、学校では教えてくれなかった「話す」ための「現在形」をお届けする。
目次
1. 英語の現在形|「be動詞」と「一般動詞」の「形」
「現在形」の基礎の基礎から簡単に説明する。英語の動詞は「be動詞」と「一般動詞」の2つに分かれる。まずは、それらの現在形の「形」についてだ。
1.1. 「be動詞」の「現在形」の「形」
「be動詞」の「現在形」は「am」「are」「is」の3種類ある。「be」は「be動詞」の「原形」という。
「be動詞」の「現在形」は主語によって上記の3種類を使い分ける。主語は、「一人称」「二人称」「三人称」の3種類あり、それぞれ「単数形」と「複数形」があるので、全部で6種類ある。それら6種類の主語の「be動詞」の「現在形」は以下の通りだ。
1.2. 「一般動詞」の「現在形」の「形」
「一般動詞」とは、「be動詞」以外の全ての動詞のことを指す。したがって数限りなくある。
「一般動詞」の「現在形」も主語によって「形」が変化する。主語は上記で説明した通り6種類あるが、一般動詞の場合は、「三人称」かつ「単数」のときだけ形が異なり、他の5種類の主語のときはみな同じ形になる。
主語が「三人称」かつ「単数」(三人称単数現在/三・単・現)の場合は、動詞の最後に「s」が付く。それ以外の主語の場合は、その動詞のもともとの形である「原形」のままとなる。
「三・単・現」の場合は、動詞によって「s」ではなく「es」が付いたり、動詞の最後の「y」を「i」に変えて「es」を付ける場合がある。「have」は「has」になる。
なお、「三人称」についてはその詳細について別途コラムにするので参考にしていただきたい。
2. 英語の現在形|「現在形」が表す3つの「意味」とは?
英語の「現在形」は、「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを意味する。これが、ネイティブが「現在形」に持っているニュアンス・感覚だ。
そのニュアンス・感覚が、動詞の種類や文の意味によって「現在の状態」「習慣・反復動作」「事実・真実」という3つの意味に分類される。その3つを詳しく説明しよう。
2.1. 今(現在の状態)を表す「現在形」
今(現在の状態)を表す「現在形」の例は以下の通り。
- I am a doctor. 「私は医師です。」
- He likes coffee. 「彼はコーヒーが好きです。」
- She has a car. 「彼女は車を持っています。」
「現在形」は「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを表す。
1. は「私」が、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「医師である」状態にあることを意味している。決して「現在」(今)だけ「医師」であることを意味しているのではない。
2. は「彼」が、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「コーヒーが好きである」状態にあることを意味している。3. は「彼女」が、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「車を持っている」状態にあることを意味している。
2.2. 繰り返し起こること(習慣・反復動作)を表す「現在形」
繰り返し起こること(習慣・反復動作)を表す「現在形」の例は以下の通り。
- I eat breakfast. 「私は朝食を食べる。」
- He plays the piano. 「彼はピアノを弾く。」
- The shop opens at 10 o’clock in the morning. 「その店は朝10時に開店する。」
「現在形」は「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを表す。
1. は「私」が、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「朝食を食べる」状態にあることを意味している。つまり、「eat」という単語は現在形で使うと「習慣」の意味になるのだ。決して「現在」(今)だけ「朝食を食べる」こと、もしくは「現在食べている」ことを意味しているのではない。
2. の「play」や、3. の「open」も、現在形で使うと、「play」や「open」する「状態」にあるというニュアンスから、「習慣・反復動作」の意味になることが理解できるだろう。
なお、「習慣・反復動作」を表す「現在形」の場合は、下記のような頻度を表す語句と一緒に使われることが多い。
- always: I always eat breakfast. 「私はいつも朝食を食べる。」
- never: I never eat breakfast. 「私は決して朝食を食べない。」
- often: He often plays the piano. 「彼はしばしばピアノを弾く。」
- usually: The shop usually opens at 10 o’clock in the morning. 「その店は通常朝10時に開店する。」
- sometimes: I sometimes eat breakfast. 「私は時々朝食を食べる。」
- その他:
He often plays the piano every morning. 「彼は毎朝ピアノを弾く。」
He plays the piano three times a week. 「彼は週に3回ピアノを弾く。」
2.3. 本当のこと(事実・真実)を表す「現在形」
本当のこと(事実・真実)を表す「現在形」の例は以下の通り。
- The moon goes around the earth.
「月は地球の周りを回っている。」 - Japan is an island nation.
「日本は島国である。」
「現在形」は「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを表す。
1. は、「月」が、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「地球の周りを回っている」状態にあることを意味している。この場合の現在形が「事実・真実」を表すというのは、文全体の意味から、後付けでそのように分類しているに過ぎない。
2.は、「日本」は、現在を含めて、ある一定の過去や未来も「島国」の状態にあることを意味している。これも文全体の意味から、「事実・真実」に分類しているに過ぎない。
「現在形」は、「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」というネイティブの持っているニュアンス・感覚を獲得できれば、「現在形」を使いこなすことができる。
2.4. ※ 参考|「状態」を表す動詞と「動作」を表す動詞
英語の動詞には、「状態」を表す動詞と「動作」を表す動詞の2種類ある。このことを知っておくと、「現在形」だけではなく、他の文法項目の理解にも役立つので説明しておく。
「状態」を表す動詞とは、ある一定期間同じ状況が続くことを意味する動詞のことだ。「状態」を表す動詞は、以下のようなものが含まれる。このような「状態」を表す動詞を「現在形」で使うと、上記で説明した「現在の状態」を意味することになる。
- be動詞(am/is/are) 「〜です」
- have 「〜を持っている」
- know 「〜を知っている」
- want 「〜が欲しい」
- like 「〜が好きだ」
「動作」を表す動詞とは、1回の動きを意味する動詞のことだ。「動作」を表す動詞は、以下のようなものが含まれる。このような「動作」を表す動詞を「現在形」で使うと、上記で説明した「習慣・反復動作」を意味することになる。
- play 「〜を行なう」
- eat 「〜を食べる」
- go 「行く」
- open 「〜を開ける」
- visit 「〜を訪ねる」
ちなみに、「事実・真実」を表す現在形は、文全体の意味からそのように分類しているに過ぎないので、「状態を表す動詞」と「動作を表す動詞」の両方の場合がある。
3. 英語の現在形|「現在形」と「現在進行形」の違いとは?
英語の「現在形」と「現在進行形」の違いを説明する。基本的には、現在形は「状態」を表し、現在進行形は「動作」を表す。
3.1. 「状態」と「動作」の違い
現在形が「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを表すのに対して、現在進行形は「ある一定の過去から現在までその動作が進行している」ことを表す。これがネイティブの持つニュアンス・感覚だ。
- 現在形:
He plays the piano.
(彼はピアノを弾く状態にある → 彼はピアノを繰り返し弾く → 彼はピアノを弾く(習慣))
The sun rises.
(太陽は昇る状態にある → 太陽は繰り返し昇る → 太陽は昇る(真実・事実)) - 現在進行形:
He is playing the piano.
(彼がピアノを弾いているという動作が進行している → 彼はピアノを弾いている(進行中の動作))
The sun is rising.
(太陽が登っている動作が進行している → 太陽が昇っている(進行中の動作))
なお、現在進行形は、「動作」が進行していることを表すので、上記で説明した「動作を表す動詞」が現在進行形で使われる。基本的には「状態を表す動詞」は進行形にできない。例えば、「know」は「知っている」という「状態を表す動詞」なので現在進行形にはできない。
× I am knowing him.
○ I know him. 「私は彼を知っている。」
3.2. 「永続的」と「一時的」の違い
現在形は、「状態」という長い期間のニュアンスから「永続的」な意味合いを表し、現在進行形は、「動作」という短い時間のニュアンスから「一時的」な意味合いを表すことがある。
- 現在形:
She lives in Tokyo.
「彼女は東京に住んでいる。」(永続的に住んでいるというニュアンスがある) - 現在進行形:
She is living in Tokyo.
「彼女は東京に住んでいる。」(一時的に住んでいるというニュアンスがある)
「live」は「状態を表す動詞」だが、例外的に現在進行形で使うことにより、一時的な意味を表すことができる。このような動詞は、他に「like」「love」「attract」などがある。
なお、「現在進行形」についてはその詳細について別途コラムにするので参考にしていただきたい。
4. 英語の現在形|「現在形」を更に使いこなすためには?
これまで説明してきた以外にも、様々な状況で「現在形」は使用される。ここでは「心理的な状態を表す場合」と「心理的な動作を表す場合」の2つを紹介する。
4.1. 「心理的な状態を表す場合」の現在形
心理的な状態を表す動詞は「think」「believe」「understand」「regret」などがある。
- I think you are right.
「私はあなたが正しいと思っている。」 - I believe you.
「私はあなたを信じている。」 - I understand the situation.
「私は状況を理解している。」 - I regret that we lost the game.
「私は我々が負けたことを残念に思っている。」
4.2. 「心理的な動作を表す場合」の現在形
心理的な動作を表す動詞は「suggest」「request」「admit」「guarantee」などがある。
- I suggest that they join the meeting.
「私は彼ら/彼女らがミーティングに参加することを提案する。」 - I request that you stop smoking.
「私はあなたがタバコを止めることを要求する。」 - We admit that we were wrong.
「我々は我々が間違っていたことを認める。」 - We guarantee that our products are reliable.
「我々は我々の製品が信頼できるものであることを保証する。」
5. 英語の現在形|「否定文」と「疑問文」の作り方
ここでは現在形の基礎の基礎に戻ることにする。現在形の「否定文」と「疑問文」の作り方についてだ。
5.1. 現在形の否定文の作り方
現在形の否定文は、「be動詞」と「一般動詞」で作り方が異なる。
「be動詞」の否定文の作り方
「be動詞」の場合は、「be動詞」の後に「not」を入れると否定文になる。
- I am not[I’m not]happy.
「私はハッピーではない。」 - She is not[She’s not/She isn’t]a student.
「彼女は学生ではない。」 - They are not[They’re not/They aren’t]from Australia.
「彼ら/彼女らはオーストラリアから来たのではない。」
※カッコ内の短縮形に注意。
「一般動詞」の否定文の作り方
「一般動詞」の場合は、「一般動詞」の前に「do not/don’t」もしくは「does not/doesn’t」を入れると否定文になる。
- I do not[don’t]like milk.
「私はミルクが好きでなない。」 - My father does not[doesn’t]have a car.
「私の父は車を持っていない。」 - They do not[don’t]speak Japanese.
「彼ら/彼女らは日本語を話さない。」
※三人称単数形の場合のみ「doesn’t」となり、一般動詞は「s」が取れて「原形」になることに注意。
5.2. 現在形の疑問文の作り方
現在形の疑問文も、「be動詞」と「一般動詞」で作り方が異なる。
「be動詞」の疑問文の作り方
「be動詞」の場合は、「be動詞」を主語の前にもってくると(主語とbe動詞の順番を変えると)疑問文になる。
- Am I late? 「私は遅刻しましたか?」
-(答え)No, you are not(you’re not/you aren’t). - Are they Japanese? 「彼ら/彼女らは日本人ですか?」
-(答え)Yes, they are. - Is it a computer? 「これはコンピュータですか?」
-(答え)No, it is not(it’s not/it isn’t).
※Yes/Noで答えられる疑問文は文末を上がり調子で発音することが基本。
「一般動詞」の疑問文の作り方
「一般動詞」の場合は、主語の前に「do not/don’t」もしくは「does not/doesn’t」を入れると否定文になる。
- Do you have a cell phone? 「あなたは携帯電話を持っていますか?」
-(答え)No, I do not(don’t). - Does Ken play the guitar? 「ケンはギターを弾きますか?」
-(答え)No, he does not(doesn’t). - Do they speak English? 「彼ら/彼女らは英語を話しますか?」
-(答え)Yes, they do.
※三人称単数形の場合のみ「doesn’t」となり、一般動詞は「s」が取れて「原形」になることに注意。
なお、「疑問文」の詳細について「英語【疑問文】※話すための英文法|超基本〜発展を徹底解説!」を参考にして頂きたい。
また、文法の学習方法の詳細については「英文法勉強法|基礎から効率的に覚える科学的トレーニング8選!」を参考にしていただきたい。
6. 英語の現在形|まとめ
- 「be動詞」の「現在形」は「am」「are」「is」の3種類。「一般動詞」の「現在形」は、主語が三人称単数の時だけ動詞の最後に「s」が付く。
- 英語の「現在形」は、「現在を含めて、ある一定の過去や未来もその状態にある」ことを意味する。これが、ネイティブが「現在形」に持っている感覚。
- その感覚が、現在形の「現在の状態」「習慣・反復動作」「事実・真実」という3つの意味に分かれる。
- 「現在形」と「現在進行形」の基本的な違いは、現在形は「状態」を表し、現在進行形は「動作」を表す。現在形は「永続的」な意味合いを表し、現在進行形は「一時的」な意味合いを表すこともある。
- 他にも様々な場面で「現在形」が使用されるが、中でも「心理状態」を表す場合と、「行動の実行」を表す場合に注意したい。
- 「現在形」の「疑問文」と「否定文」の作り方は、「be動詞」の場合と「一般動詞」の場合とで異なる。初心者の方は注意したい。
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