最強の英語勉強法は、最新の科学的英語学習理論で裏付けられなければなりません。
現時点で最強の英語学習理論は、最新の第二言語習得研究(SLA)の知見を根拠にした「ハイブリッド理論」です。そして、その理論をベースにした「最強の英語勉強法」が、今、最も効率的に英語を習得できる方法です。
皆さまに最も効率的に英語を習得していただくために、The English Club は、その「最強の英語勉強法」で皆さまの英語学習をサポートしています。
このコラムでは、「最新の英語学習理論」から「最強の英語勉強法」がどのように導き出せるのかを解説します。
目次
1. 第二言語習得研究|最強の英語学習理論「ハイブリッド理論」

「ハイブリッド理論」こそが、最新の第二言語習得研究の知見から導き出される最強の英語学習理論です。「ハイブリッド理論」とは、第二言語習得研究で最も有名な「インプット仮説」と「自動化モデル」の2つの理論を統合した The English Club が提唱している理論です。
「ハイブリッド理論」による英語学習方法の考え方は以下の通りです。
1.1.インプット仮説|「i+1」のレベルのインプットを確保する!
「インプット仮説」は、「i+1」の難易度の多くのインプットにより言語は自然に習得されると主張しています。「ハイブリッド理論」でもこの考え方を継承します。なお、「i+1」の難易度とは、学習者の英語力よりも若干難易度が高いことを意味します。
1.2. 自動化モデル|「単語・文法・発音」を意識的に学習する!
「自動化モデル」とは、意識的に学習した知識を無意識的・自動的に使えるように「自動化」するというのが基本的な考え方です。「ハイブリッド理論」でもこの考え方を継承し、インプットによる自然な習得だけでは非効率になってしまう部分や、自然なインプットだけでは習得が難しい部分を補足します。
1.3. インプット仮説と自動化モデル|「リハーサル」と「自動化」!
「インプット仮説」を発展させると、実際に話す練習は必要ないが、頭の中で話す練習をする「リハーサル」は必須だという考え方に行き着きます。「ハイブリッド理論」では、この「リハーサル」と、「自動化モデル」の「自動化」を同時並行的に行うことで、インプットによって得た知識と、意識的に学習した知識の両方を同時に効率的に使えるようにしていきます。
1.4. インプット仮説と自動化モデル|インプットで「自動化」を補足❶
「自動化モデル」は、複雑な文法のように、自動化できないものは対応できないという弱点があります。その弱点を「インプット仮説」で補完します。つまり、多くのインプットを取り入れることにより、そのような自動化できないことを「感覚」として理解し、「リハーサル」を通して使えるようにしていきます。
1.5. インプット仮説と自動化モデル|インプットで「自動化」を補足❷
「自動化モデル」は、単語・文法が正しくてもネイティブにとっては不自然な英語を作り出してしまうという弱点があります。その弱点を「インプット仮説」で補完します。つまり、多くのインプットを取り入れることにより、自然な英語を「感覚」として作れるようにしていくと同時に、よく使う定型表現を覚えて使えるようにしていきます。
なお、インプット仮説、自動化モデル、ハイブリッド理論の詳細は「英語学習法の科学|インプット仮説と自動化モデルで英語習得!」を参照してください。
2. 「ボトムアップ学習」と「トップダウン学習」の科学的根拠

「インプット仮説」と「自動化モデル」の2つの理論を組み合わせた最強の英語学習理論「ハイブリッド理論」を具体的な方法論に落とし込むと、2つの種類の学習方法に分けることができます。The English Club ではそれら2つの学習方法を「ボトムアップ学習」と「トップダウン学習」と呼んでいます。
ハイブリッド理論の学習方法①|ボトムアップ学習

「単語・文法・発音」の知識を意識的に学習する!
ボトムアップ学習では、「自動化モデル」の考え方に沿って、まずは言語の基本の3要素である「単語・文法・発音」の3つを学習しそれらの知識を習得します。つまり、英単語の日本語訳を覚えて、その並べ方(文法)と発音の仕方を学習します。
ここで気をつけなければならないのは、意識的に学習したことは使えるようにすることが難しいということです。
なお、「単語・文法・発音」の知識の習得方法については、無料eBook『英語独学完全マニュアル』を参照してください。
「インプット」の「自動化トレーニング」を繰り返す!
意識的に学習した「単語・文法・発音」の知識を使えるようにするために、まずは「インプット仮説」の考え方を取り入れた「インプットの自動化トレーニング」を繰り返し行います。
インプットの自動化トレーニングとは、英語を英語のまま、日本語に訳さずに、英語の語順で自動的に理解できるようにするためのトレーニングであり、The English Club では「音読」や「シャドーイング」などを含めた10数種類のトレーニングを推奨しています。
なお、自動化トレーニングの詳細については「英語トレーニング|4技能を独学で習得する科学的自主トレ22選!」を参照してください。
「アウトプット」の「自動化トレーニング」を繰り返す!
インプットの自動化トレーニングにより、ある程度英語の文章を英語のまま理解できるようになったら、今度は「アウトプットの自動化トレーニング」を繰り返し行い、自分の言いたいことを自由に、自動的に英語で表現できるようにしていきます。
このアウトプットの自動化トレーニングは、「インプット仮説」の考え方を発展・補足した「リハーサル」の考え方を取り入れています。実際に相手と話す機会を持つ前に、自分一人でじっくりと時間をかけて繰り返し頭の中で話す練習をします。
なお、リハーサルの詳細については「英語スピーキング|話せない方必読!科学的練習法と5つの注意点」を参照してください。
ハイブリッド理論の学習方法②|トップダウン学習

「i+1」の難易度の英語を多く聞き・多く読む!
トップダウン学習では、「インプット仮説」の考え方に沿って、まずは理解可能な英語を多くインプットすることにより、英語の自然な習得を目指します。インプットする英語の難易度は、「インプと仮説」の主張する「i+1」とします。
「i+1」英語を多くインプットすることにより、単語・文法・発音について理解できないところに気づきます。それらは、想像や検証を繰り返しながら徐々に、自然に理解できるようになっていきます。
多くインプットして自然な表現を習得する!
単語と文法を組み合わせただけの英文は、単語と文法が間違っていなくても、ネイティブにとって不自然になり場合があります。このような「自動化モデル」の弱点をカバーするために、「インプット仮説」の考え方に沿って多くの英語をインプットしながら、自然な表現方法を学んでいきます。
自然な表現を感覚として習得していくと同時に、頭の中で英語の文章を効率的に作れるようになるために、よく使用されるフレーズや言い回しを覚えて使えるように自動化していくことも目指しましょう。
多くインプットして英語の感覚を獲得する!
もう一つの「自動化モデル」の弱点は、複雑な文法などの知識を自動的に使えるように自動化することが難しいということです。例えば、「三単現の “s”」などは、頭では理解できていても、実際に話すときには間違ってしまう人が多くいます。このような「自動化モデル」の問題は「インプット仮説」で補足します。
つまり、多くの英語をインプットすること、そしてインプットしたことを繰り返しリハーサルすることを通して、ネイティブスピーカーの「感覚」を獲得していくことでカバーします。
3. 「基礎力強化・英語回路作り・実践力強化」の科学的根拠

「インプット仮説」と「自動化モデル」の2つの理論を組み合わせた最強の英語学習理論「ハイブリッド理論」を、上記の「ボトムアップ学習」と「トップダウン学習」の2つの具体的な方法に落とし込んでみると、理想的な学習プロセスも見えてきます。それが「基礎力強化→英語回路作り→実践力強化」という学習の流れ(学習プロセス)です。
ハイブリッド理論の学習プロセス❶|基礎力強化

英語を習得するには、「自動化モデル」の考え方に沿って、まずは言語の3要素である「単語・文法・発音」の基本的な知識を習得する必要があります。「自動化モデル」の弱点を克服するためにも、「単語・文法・発音」を、それぞれ単独で学習するのではなく、関連づけて学習することが重要です。
基礎力強化①|英単語を覚える
英単語を覚える際は、文章の中(例文)で覚えるようにします。そうすることにより、自動化モデルの弱点である、単語と文法が正しくてもネイティブにとって不自然な表現を作るリスクを避けることができます。「インプット仮説」の考え方も取り入れて、単語を覚える際も多くの例文を繰り返しインプットすることにより自然な表現も一緒に覚えていきます。
また、英単語を覚える際は、発音も一緒に確認していきます。特にアクセントの位置が重要です。英単語は必ず強く発音する場所があります。それを単語の意味と一緒に覚えていきます。それには、目で見る学習だけではなく、聞いて、発音する学習が必要です。人間の脳は目の記憶よりも耳の記憶の方が心に残ると言われているので、英単語を効率的に覚えることにもつながります。
なお、英単語の覚え方の詳細は「英単語の覚え方|科学的勉強法で暗記を効率化!自動化トレ8選」を参考にしてください。
基礎力強化②|英文法を理解し覚える
英文法の学習は、自動化モデルの考え方にもとづいて、「理解」したことを「記憶」し、「記憶」したことを自由に使えるように「自動化」していきます。
英語の単語の並べ方は日本語とは全く異なります。まずは日本語との違いを理解する必要があります。理解できたら、今度はそれを「記憶」します。理解した文法項目を使って自分で何度も文章を作る練習をすることで記憶に定着させます。その際、音声を聞いて自分で発音することで脳への定着を促すと同時に、発音も同時に学習します。
同時に、「インプット仮説」の考え方を取り入れて、その文法項目が含まれた多くの英語に触れるようにすれば、より記憶に定着しやすくなります。また、それによりネイティブにとって不自然な表現を作るリスクを避けられます。
なお、英文法の勉強法の詳細は「英文法勉強法|基礎から効率的に覚える科学的トレーニング8選!」を参考にしてください。
基礎力強化③|英語の発音を理解し覚える
発音は、他の2つの要素である単語と文法と強化方法が若干異なります。発音は「運動系」なので、体の一部の動かし方を理解し、繰り返し練習することで自動化していきます。
英語には日本語にはない発音がたくさんあります。つまり、英語には日本語にはない口の動かし方をしなければならない発音がたくさんあります。「口の動かし方」とは、唇、喉、舌、顎、肺、横隔膜の一連の動かし方のことです。
どんなスポーツでも、体の動かし方は重要です。その体の動かし方を矯正するには、そこを意識して何度も繰り返し練習するしかありません。英語の発音も、「口」の動かし方を意識して何度も練習することで無意識的にできるように自動化していきます。脳科学研究から、「運動系」の能力は大人になってからでも向上できると言われています。
なお、英語の発音の勉強法の詳細は「英語の発音|初心者向け科学的見地からの6つのコツと練習方法!」を参考にしてください。
ハイブリッド理論の学習プロセス❷|英語回路作り

「単語・文法・発音」の知識を習得しただけでは英語を自由に使えるようにはなりません。知識を習得したら、今度はそれを、「自動化モデル」の考え方に沿って「自動化」します。複雑な文法など、自動化が難しいものは、「インプット仮説」の考え方に沿って、ネイティブの感覚を獲得することで補足します。
「自動化モデル」の「自動化」の目的は「英語回路」!
「自動化モデル」の「自動化」の目的は「英語回路」を作ることです。
「英語回路」は2つあります。「インプットの英語回路」と「アウトプットの英語回路」です。インプットの英語回路とは、英語を英語のまま(日本語を介入させずに)「理解」できるようにするための回路です。一方でアウトプットの英語回路とは、英語を英語のまま(日本語を介入させずに)「表現」できるようにするための回路です。
まずは「インプットの英語回路」の土台を作っていくことになりますが、聞いたり読んだりした英語を英語のまま、日本語に訳さず、英語の語順で前から自動的に理解できるようにすることが「自動化」であり、「インプットの英語回路」を作るということです。
「インプット仮説」の「インプット」の目的も「英語回路」!
「インプット仮説」の「インプット」の目的も「英語回路」を作ることです。「インプット仮説」が主張する、インプットにより自然に英語を習得していくというのは、(日本語に加えて)もう一つ英語をいう言語を新しく獲得していくということです。そのためには、(日本語回路)とは独立した「英語回路」を作る必要があります。
The English Club では、より効率的にインプットの効果を得られるように、22種類のインプット・トレーニングを提唱しています。そのトレーニング方法の中には、音読やシャドーイングなどが含まれますが、トレーニングを行うときに何を意識するかで効果が変わってきたり、やり方によっては全く効果が得られなかったりするので細心の注意が必要です。
なお、英語脳の作り方の詳細は「英語脳の作り方|8つの自動化トレーニングで英語回路を構築する」を参考にしてください。
ハイブリッド理論の学習プロセス❸|実践力強化

英語を流暢に話せるようになるには、言語の3要素についての「理解できる」知識を「使える」知識に変えていく必要があります。そのために、「インプット仮説」の考え方を発展させた「リハーサル」を行うことで自動化させていきます。また、より自然な表現を流暢に使えるようにするために、「インプット仮説」の考え方に沿って、自然な表現を習得することで補足します。
「インプット仮説」を発展させた「リハーサル」で実践力強化!
「インプット仮説」は、インプットのみによって言語は習得でき、話す練習は必要ないという立場でした。しかし、この主張に反発する研究者は多く、口から言葉を発する練習は必要なくても、頭の中で話す練習をする「リハーサル」は必須だとする考え方が広く受け入れられています。この「リハーサル」は、インプット仮説を発展させて考え方です。
「アウトプットの英語回路」は、この「リハーサル」によって作っていくことになります。この一人で話す練習をする「リハーサル」は、実際に相手と話す練習をするより効果的および実践的であると、脳科学者の茂木氏はその著書で指摘しています。
「インプット仮説」の自然な表現の習得で実践力強化!
話すたびに、いちいち最初から英語の文章を作ることは現実的ではありません。使い慣れた表現を、単語を変えて使い回しできるようになれば、より効率的に話せるようになります。また、よく使用される表現を使えるようになることは、「自動化モデル」の弱点である、単語も文法も正しいけれどネイティブにとって不自然な英語を作ってしまうことも避けることができます。
定型表現や、よく使用される言い回しを覚えて使えるようにしていくには、「インプット仮説」の考え方にもとづいて、多くの英語を「インプット」することと、「自動化モデル」の考え方にもとづいて、繰り返し練習することにより「自動化」していく必要があります。
なお、英語を話せるようになるための方法については「英語を話せるようになるには?ペラペラになる方法を科学で解明」を参考にしてください。
4. The English Club|科学的学習法と提供サービス

The English Club では、英語学習者の皆さま向けに、現状の英語力から目標の英語力までの学習の道筋を提示する『英語学習プラン作成サービス』と、その英語学習プランをより効率的に実行していただくために学習者に伴走する『オンライン学習サポートサービス』の2種類のサービスを提供しています。
その2つのサービスは、ここで紹介した「ボトムアップ学習」と「トップダウン学習」という2つの学習方法を、「基礎力強化→英語回路作り→実践力強化」の学習プロセスで実行していくというものです。つまり、The English Club のサービスは、「最新の英語学習理論」から生まれた「最強の英語勉強法」を採用しているのです。
これから英語の勉強を始めようと思っている方から、TOEICで高得点を取得しても、なかなか話せなくて悩んでいる方、そして、オンライン英会話を長年続けているけど、なかなか話せるようにならない方など、全ての英語学習者にとっての最適解がここにあります。
是非、The English Club のサービスの違いを体験してみてください!

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- 単語・文法・発音の効率的な基礎力強化方法
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そろそろ本気で英語を習得したいとお考えの方におすすめです。また、「英会話スクールに通っているけど思うように上達しない…」「TOEICで高得点を取ったけど話せない…」などでお悩みの皆さまも是非ご一読ください。