ホーム > ブログ > 英語独学勉強法【アメリカ国務省FSI】外国語習得法の極意公開!
公開日:
2025.01.25

英語独学勉強法【アメリカ国務省FSI】外国語習得法の極意公開!

アメリカの国務省(U.S. Department of State)は日本の外務省に相当する機関です。FSI(Foreign Service Institute)とは、国務省に属しており、外交官などの国務省職員に対する教育を担当している組織です。なかでも、外国語教育は最も重要な任務の一つであり、70年以上の職員への教育を通して、外国語学習に関する膨大な知識と経験を有しています。

FSIは、その外国語学習に関する膨大な知識の一部をウェブ上で公開しています。それらの知識は、英語の習得に苦労している日本人にとっても非常に参考になります。このコラムでは、それらFSIの外国語学習に関する知識のなかで、特に日本人に参考になるものを抜粋し、The English Club の考え方とともに解説していきます。

英語独学の勉強法で悩んでいる皆さまには必読のコラムです!

なお、「The English Club コメント」以外は、FSIのウェブページを要約したものです。

1. 【モティベーション】の維持 by FSI

力

外国語の学習を決意したとき、成功の鍵となるのがモティベーションの維持です。

外国語の学習はジムに通うことに似ています。申し込みのときのあなたの目標は、夏に向けて体重を落としたり、筋肉をつけることでしょう。目標もはっきりしていて、それを達成する決意もしたはずです。しかし、それが揺らぐときが必ずきます。疲れていてジムに行きたくない。もうちょっと甘いものを食べたい。などです。

外国語の習得も同じです。忙しかったり、疲れていたり、効果が感じられないときなどやめたくなります。これらに打ち勝つためには、学習を始める前に、学習する理由を考えることです。外国語を習得しようと思った理由や、外国語が話せるようになることがあなたにとってどれほどワクワクすることなのかについて紙に書いておきましょう。そして、モティベーションが低くなったとき、その紙を読み返してください。

また、達成感は続ける力になります。そして、その達成感は、体系的で系統だった方法で学習することによって得られやすくなります。一方で、行き当たりばったりで無計画な学習では、途中でやめてしまう可能性が高くなります。しっかりとした計画があれば、自分のすべきことをいつも把握でき、達成感も感じやすくなるため、学習が継続しやすくなります。

The English Club コメント:
最強のやる気を引き出してくれるのは「イントリンジック・モティベーション」(内発的動機付け)といいます。そして、FSIの外国語を学習する理由を書き出す方法は、まさに「イントリンジック・モティベーション」を引き出す方法です。詳しくは「英語を続けるコツ|最強のやる気を引き出す内発的動機付けとは」を参照してください。また、英語学習に失敗したくないのであれば学習計画が重要だということには、The English Club も強く同意します。『英語学習プラン作成サービス』を提供している理由です。

なお、本記事のFSIのオリジナルサイトはこちらです。

2. 【単語】の覚え方 by FSI

辞書

2.1. 単語の覚え方|覚える単語を選ぶ

学習が進むにつれて、多くの新しい単語が出てきます。気を付けるべきことは、あなたはそれらすべての単語を覚える必要はないということです。あなたにとって重要な単語を選んで覚えましょう。重要な単語とは、あなたが最も使う可能性が高い単語です。あなたに必要ない単語を覚えるような無駄は避けるべきです。

例えば、ロールプレイでスキーをレンタルする場面を練習する場合があったとします。あなたはスキーをやったことがありません。母語でも使わない単語を覚える必要がありますか?― いいえ、ないです。または動物の名前です。あなたは普通に生活していて、どのくらいの頻度でシマウマやキリンについて話しますか?それよりも、あなたの仕事や趣味、本当に話したいことに関する単語に集中しましょう。

初心者が犯しやすい間違いは、出会った単語を全て覚えようとすることです。それは、効率的ではありません、そして可能なことでもありません。新しい単語に出会ったときは、その単語があなたの生活で必要かどうかを考えてください。必要なければ無視しましょう。

The English Club コメント:
英単語を使用頻度順に並べた場合、最初の2,000語で約80%をカバーできるという多くの研究結果があります。一方で、2,001語目から8,000語目までの6,000語では、たった9%しかカバーできません。単語は使用頻度が高いものから順番に覚えていくことが最も効率的です。加えて、専門分野の単語など、一般的には使用頻度は低くてもあなたにとっては重要な単語も忘れずに。なお、単語数については、「英語の単語数は2000語で80%|数より質で効率的に語彙力強化!」を参考してください。

2.2. 単語の覚え方|単語の教材を選ぶ

覚える単語を選択するには、正しい単語教材を選択する必要があります。子どもが学校から与えられる単語リストはカテゴリー別に分けられています。例えば、「仕事」のカテゴリーでは、「眼科医」や「通訳」などです。しかし、そのような単語を本当に覚える必要があるのでしょうか?このような単なる単語リストは全く役には立ちません。

単語を覚えるアプリも数多くありますが、それらも単語リストと同じです。もし、そのアプリが、あなたにとって必要のない単語が多く入っている単なるリストであれば、たとえ例文が載っていたとしても、無駄なだけです。その代わり、あなたが本当に必要とする単語が載っているものを探しましょう。もしあなたが自動車産業で働いているのなら、それに関する記事です。もしスポーツに興味があるのなら、新聞のスポーツ欄です。

あなたの外国語のレベルに関係なく、覚えるべき重要な単語はあなたが実際に使う単語です。単語リストに載っているからと言って盲目的に覚えるという無駄は避けましょう。

The English Club コメント:
リストの単語を単体で覚えていくことはお勧めしません。しかし、初心者の方が、最初から雑誌や新聞の記事で単語を覚えることは現実的ではないでしょう。なぜなら、自分で意味を調べる必要がありますし、たとえ自分に関係している記事でも、覚える必要のない単語も出てくるからです。現実的には、使用頻度が高い最重要語2,000語を例文とともに覚えていくことです。そのためには、単語帳を選ぶ際は、単語の掲載基準や例文の質などについて慎重に確認しましょう。単語教材については、「【英単語帳】社会人におすすめは?人気の厳選23冊を徹底検証」を参考にしてください。

2.3. 単語の覚え方|繰り返し

私たちは忘れます。そして、外国語の学習でも私たちは単語を忘れます。忘れるというのは自然なことです。そしてそれを受け入れる必要があります。

では何ができるでしょうか?「忘却曲線」が助けてくれます。この理論によると、最初に学習したときはすぐに忘れます。しかし、次に学習したときは、最初より長く記憶に留まります。そして再度学習したあとはもっと長く留まります。そして十分な回数を重ねると長期記憶になるのです。一回学習しただけでは覚えられません。覚えるまでには10回、もしくはそれ以上その単語を学習する必要があるのです。

また、繰り返しの間隔も重要なことがわかっています。ある研究によると、すぐに繰り返してもあまり効果はありません。一方で、間隔を空けすぎると、すでに忘れてしまっており、最初から学習することになります。

The English Club コメント:
脳科学(神経科学)の専門家である東京大学の池谷准教授によると、忘却曲線を発表したドイツの心理学者エビングハウスの研究から、もっとも能率的な復習スケジュールは、まず1週間以内に一回目、次にその復習から二週間後に二回目、そして最後に、二回目の復習から一ヶ月後に三回目と、一回の学習と三回の復習を、少しずつ間隔を広くしながら二ヶ月かけて行うことだということです。

2.4. 単語の覚え方|練習

一方で、外国語を習得するというのは、話すことを習得することです。それは、練習を通してのみ達成できることです。実践の場で試して使ってみることでのみ、その単語を本当に自分のものにできるのです。そして、これが重要な最後のステップです。

ある単語を最初に使うとき、あなたは、それが正しい単語なのか?使い方が間違っていないか?発音は正しいか?などのリスクを負うことになります。そのようなことを経験しつつ、単語を自分のものにしていきます。失敗することも重要です。失敗することで上達し習得していきます。例えば、以前その単語を間違って使ってしまったこと、その単語の正しい使い方と一緒に覚えていませんか?

The English Club コメント:
FSIが推奨する単語の覚え方は、The English Club の考え方と一致する部分が多くあります。The English Club が推奨する単語の覚え方は、「英単語の覚え方|科学的勉強法で暗記を効率化!自動化トレ8選」に詳しく書いています。

なお、本記事のFSIのオリジナルサイトはこちらです。

3. 【リスニング力】の向上方法 by FSI

リスニング

3.1. リスニング力の向上方法|聞き取れない2つの理由

外国語を聞き取れない理由は主に2つあります。1つ目の理由は、単語は理解しているのですが、実際の音とつながっていないからです。スピードが速すぎたのかもしれません。もしくは、ネイティブが使うリアルな音に慣れていなかったのかもしれません。その結果、雑音に聞こえたのです。

2つ目の理由は、単純に、単語もしくは文の構造(文法)を知らなかったからです。この場合は、リスニング力の問題ではありません。単語を知らなければ理解できるはずがありません。単に、あなたの学習レベルが低いだけです。この場合は、まずは基礎レベルを上げることです。

The English Club コメント:
英語を習得するには、「文字」と「音」と「意味」の3つをつなげる必要があります。また、聞き取れない理由は、文字にしても理解できない場合は単語と文法の知識不足、文字では理解できる場合で聞き取れない場合は音に慣れていないことに加えて、英語を英語のまま英語の語順で理解できていないことが主な原因です。詳しくは「英語リスニング|聞き取れない理由は5つ!勉強法とおすすめ教材」を参考にしてください。

3.2. リスニング力の向上方法|聞き取れない理由の判定方法

聞き取れない理由を判定する方法は以下の通りです。

まず、音源を聴き、どれくらい理解できるかを確認します。必要があれば2、3回聴いてください。そして、もしあまり理解できない場合は、スクリプトを見て理解できるかどうかを確認してください。もし、単語はほとんど完璧に理解できるのであれば、問題はリスニング力です。

一方で、スクリプトを見ても、知らない単語や文の構造がたくさんある場合は、学習レベルを上げる必要があります。もし、スクリプトを読んでも理解できないのであれば、その音源は、あなたにとって難しすぎるということです。

The English Club コメント:
英語は発音が重要な言語です。それにもかかわらず、日本の使えない英語教育は発音を無視し続けています。日本人は「文字と音」と「音と意味」とをつなげられていないのでリスニングが苦手なのです。日本の使えない英語教育の悪口は「【日本の英語教育】これが絶望的問題点と絶対的改革案だ!」でたくさん書いています。

3.3. リスニング力の向上方法|アクティブ・リスニング

正しいリスニングの練習方法というものがあります。それは、書いてあることとは異なるネイティブの発音方法に注意を向け、言っていることを理解できるようにするエクササイズです。それは、ただ、受動的(パッシブ)に聞くのではなく、能動的(アクティブ)に聞くこと(アクティブリスニング)です。

アクティブリスニングにより、外国語の現実の発音方法に慣れることができ、通常のスピードでの理解を促進することができます。やり方は以下の通りです。

  1. 英文(スクリプト)とその音源を準備してください。あなたに合ったレベルのものを選びましょう。音源を聞く前にスクリプトは読まないでください。
  2. まず要点を理解することに集中して聞きましょう。1回目で何について話しているか理解できたかもしれません。その場合は、もう1、2回聞いてみましょう。わからない単語など、疑問点はノートに書いておきましょう。
  3. 大体理解できたと思います。今度はスクリプトを見ながら、どの程度理解できていたかを確認してください。わからない単語や文の構造のなかで、全体を理解するために重要なものは調べてください。
  4. 次に、今度は一文づつ、スクリプトを見ながら音源を聞いてください。最初に聞いたときに聞き取れなかったところに注意し、聞き取れなかった理由を理解しましょう。全て確認したら、今度は一文づつリピートしてみましょう。
  5. 全て理解できたはずです。そうしたら、再度最初から聞いてみましょう。そして、1週間後、もしくは1ヶ月後にもう1度聞いてみましょう。

The English Club コメント:
FSIがここで紹介しているトレーニング方法は「アイシャドーイング」と「リピーティング」です。The English Club では、この2つのトレーニングを含めて、「文字」「音」「意味」をつなげるための22のトレーニング方法をおすすめしています。詳細は「英語トレーニング|4技能を独学で習得する科学的自主トレ22選!」を参考にしてください。

3.4. リスニング力の向上方法|練習のポイント

リスニングの練習で重要なことは、単語の発音の変化に気づき、内容を理解できる方法を見つけることです。ポイントは以下の通りです。

  • リスニングの練習に時間を取ろう! リスニングは練習が必要な重要なスキルです。そのための時間を確保しましょう。
  • 自分のレベルに合った教材を使おう! 難しすぎず、やさし過ぎず、あなたにとって最適なレベルの教材を見つけましょう。
  • 興味のある内容の教材を使おう! 興味のあるもの、あなたに関係する内容のものは、単語も覚えやすくなり、自分でも使うことができるようになります。
  • 同じトピックの教材を使おう! 同じ単語が繰り返し出てくるので、あまり単語を意識する必要がなくなり、リスニングに集中できます。
  • 要旨を理解しよう! わからない単語が出てきても、それらにあまりとらわれずに、自分でそれらの単語の意味を想像するようにしましょう。
  • 忍耐強く続けよう! アクティブリスニングは効果的な方法ですが、1回やっただけでは効果はでません。何回も繰り返しましょう。

The English Club コメント:
ここで紹介したFSIによるリスニング力の向上方法は第二言語習得研究の知見をベースとしています。The English Club と考え方が類似している理由です。The English Club のリスニングに関する記事については、「英会話上達のコツ|リスニング初心者が取るべき7つの基本戦略!」から読んでいただくと入りやすいと思います。

なお、本記事のFSIのオリジナルサイトはこちらです。

4. 【スピーキング力】の向上方法 by FSI

雄弁な人

ここでは、スピーキングを「流暢さ」と「発音」に分けて説明します。「流暢さ」とは、一般的な会話のスピードでセンテンスを作れるようにすることです。そして、「発音」とは、相手に理解してもらうために、単語やセンテンスを正確に発声することです。この2つをブラッシュアップするためのヒントをご紹介します。

4.1. スピーキング力の向上方法|流暢さ

自分自身に話しかける – ペットや植物でもOK!

外国語の勉強を始めたときは、十分な単語を覚えていないため話すことは難しいと感じるでしょう。そのような初心者に適したスピーキングの練習方法があります。

自分自身、もしくはペットや植物に話しかける練習です。犬が返答してくれなくても大丈夫です。重要なことは、単語を適切に並べながら外国語を発音してみることです。間違ってもかまいません。この練習を習慣化することにより、スピーキング力が急速に向上していきます。スクールに通っていたとしても、一人のときにことの練習をすることをお勧めします。

The English Club コメント:
第二言語習得研究では、スピーキングの練習は声に出す必要はないというのが常識です。実際に相手と話す場を持つよりも、頭の中だけで話す練習をする方が効率的だと言われています。これは、幼児が「サイレントピリオド」(沈黙期)でやっている話す練習と同じことです。詳しくは「英語を話せるようになるには?ペラペラになる方法を科学で解明」を参考にしてください。

常にセンテンスで話す

外国語を練習する際、センテンスを作ることが重要です。いつも単語だけで答えていると上達しません。

例えば、友達にコーヒーを飲むかどうか聞くときには、「あなたはコーヒーを飲みますか?」とセンテンスで話すようにしましょう。不自然なフレーズかもしれませんが、外国語を習得するには練習が必要です。怠けてはいけません!

The English Club コメント:
英語の語順は日本語とは全く逆なので、それに慣れるためにも、文法通りに単語を並べる練習をすることは重要です。英語の語順については、「英語は語順!8つの自動化トレーニングで語順を制し英語を制す」を参考にしてください。

書くこと

スピーキング力を向上させるためのもう一つの方法は書くことです。自分の考えを書き出すには、言いたいことを表現するための単語を考えなければなりません。それは、あなたの脳に貯蔵されている「理解できる」単語を、「使える」単語にするプロセスになります。そして、話すときに、それらの単語が口から出やすくなるのです。

The English Club コメント:
ある程度の英語力になったら、読む・聞く・書く・話すという4つの練習を同時並行的に行うことで最も効率的に英語力が向上します。英語を話せるようになりたいのであれば、話す練習だけではなく、読む・聞く・書く練習もやるべきだということです。

外国語で考える練習をする

「流暢さ」を向上させるもう一つの方法は、外国語で考えるようにすることです。外国語をうまく話せない理由の一つは、言いたいことを母語で考えて、それを訳しているからです。

外国語を話すとき、言いたいことの全てを母語で考えて訳す時間はありません。外国語で直接考える方法を習得する必要があるということです。時間があるとき、このことを練習してください。

The English Club コメント:
英語を流暢に話せるようになるには、「訳す」練習は避けるべきだということです。日本語を英語に訳しながら話すことが目標ではありませんし、そもそもそのようなことは不可能です。英語のセンテンスを別のセンテンスに変える練習をお勧めします。なお、「瞬間英作文」は最も避けるべき練習方法です。スピーキングの練習方法については、The English Club の『英会話の科学的上達法』をご参照ください。

4.2. スピーキング力の向上方法|発音

聞いてリピートする

発音を練習するのに一番良い方法は、ネイティブスピーカーの音声を聞いてリピートすることです。発音、イントネーション、リズム、メロディ、そして言語の音楽に注意してください。

発音を練習する際に注意すべきことは、言語を、実際に話されるままの音声で聞くこと、そしてその音をそのままリピートすることです。単語単体の発音だけではなく、センテンスの中でつながったときの音にも注意してください。

犯しやすい間違いは、自分の母語のリズムで外国語を話すことです。そして、大きな声でリピートすることが重要です。ボソボソと発音しても練習にはなりません。

The English Club コメント:
英語のネイティブスピーカーに理解しやすい英語を話すには、プロソディが重要だという研究結果があります。プロソディとは、文全体の強弱や抑揚のことです。発音の詳細は「英語の発音|初心者向け科学的見地からの6つのコツと練習方法!」を参考にしてください。

音読

発音練習にお勧めのもう一つの練習方法は音読です。音読は、リスニングとリピーティングに似ています。音読するときは、ネイティブスピーカーの発音、イントネーション、リズムをまねることに意識を集中させましょう。

The English Club コメント:
The English Club も音読の重要性を強調しています。音読は発音矯正だけではなく、英語回路の構築にも効果があります。音読の効果ややり方の詳細については、「英語の音読|科学的なやり方とコツ・おすすめ教材で効果を実感」を参考にしてください。

自分の声を録音する

自分の声を録音して聞くことは、効果が実証されている発音練習です。自分が発音していると思っている音と、実際に相手に聞こえている音が全く異なることはよくあることです。自分の声を録音して聞くことは、実際に相手に聞こえている自分の発音をクリアに聞くことができるので、自分の発音を正確に修正することができます。

The English Club コメント:
日本人にとって英語の発音は高いハードルです。なぜなら、英語は日本語にはない発音が多いということと、日本語にはあまり起こらない音と音がつながる音声変化が多く起こるからです。その他にも、リズムやイントネーション、アクセントなど、注意すべきことはたくさんあります。英語の発音については、「英語の発音|初心者向け科学的見地からの6つのコツと練習方法!」を参考にしてください。

なお、本記事のFSIのオリジナルサイトはこちらです。

5. 【最悪】の外国語学習法 by FSI

悪い点

初心者は多くの間違いを犯しますが、経験によってそれらを避けることができるようになります。しかしながら、思考錯誤する時間を省くために、避けるべき外国語学習法のいくつかをお伝えします。

5.1. 単語リストで覚えるな!

外国語学習に失敗する人、もしくは外国語学習をしたことがない人の多くは、外国語の学習は長い単語リストを覚えることだと思っています。しかし、この方法では外国語は習得できません。

私たちは、単語に様々な場面で出会い、そして練習することにより覚えていきます。単なる単語のリストは何の助けにもなりません。これは、全ての単語をノートに書き取ることが時間の無駄である理由でもあります。なぜなら、あなたの作った単語リストは使いものいはならないからです。たとえ、見返したとしても。

The English Club コメント:
単語単体で、その訳語を覚えていることは非効率であるという点では、FSIの意見には賛成です。しかしながら、現実的に考えて、様々な場面(文章が書いてある教材などを含む)で出会った単語を覚えていくだけでは非効率です。一つの理由として、出会った単語のうち、どの単語を覚えるべきなのかわからないということです。覚えるべき単語を効率的に覚えていくためには、信頼でき、かつ、よい例文と音声が付属している単語帳で覚えていくことが最善です。

5.2. 訳すな!

外国語学習で「訳す」は禁句です。訳すというのは特殊な行為です。外国語の学習者は、それが目的ではありません。頭の中で英語(日本人の場合は日本語)で考え、それを外国語に訳すことをやってはいけません。外国語で直接考える必要があります。

話すときに訳している時間はありません。訳しながら話そうとすると、変な間があいたり、会話がギクシャクしたり、変な言い方になったりします。そうならないために、単語を覚えるときはフレーズやチャンクで覚えるようにしましょう。その方が理解しやすくなり、流暢さも向上します。

The English Club コメント:
多くの日本人にとって、頭の中で日本語から英語に訳しながら話してはいけないということを理解するのは難しいようです。しかし、FSIが指摘するように、外国語学習では当たり前のことです。どのようにしたら英語を英語のまま、日本語を介入させずに話せるようになるのかを知りたい方は、The English Club の『英会話の科学的上達法』をご参照ください。

5.3. 「なぜ?」と聞くな!

異なる言語では、異なる方法で表現します。「なぜ?」と思わずに、ただ単に外国語での考え方を受け入れることです。FSIのベトナム語のベーシックコースの導入で次のような言葉があります。「違うことを当たり前だと思い、似ていることに驚きましょう。」

「なぜ?」と聞く代わりに、「どのように?」と聞きましょう。外国語の学習では、「なぜ、そのように表現するのか?」を知る必要はありません。「それをどのように表現するのか?」を知ればよいだけです。

5.4. 一つの教材に頼るな!

外国語の学習を成功させる鍵の一つは、なるべく多くの状況で外国語に触れることです。様々な使われ方をしている単語や表現に出会うことは、それらをよりよく理解することの手助けになり、かつ記憶に定着しやすくなります。したがって、様々な教材を使用することをお勧めします。

色々な教材を使用することをお勧めするもう一つの理由は、ある教材はある部分は強いけれど、ある部分は弱いということがあるからです。複数の教材を同時に使うことにより、それらを補い合いながら効率的に学習できます。

The English Club コメント:
FSIが指摘するように、英語を効率的に習得するには、色々なことを同時並行的に学習していかなければなりません。しかし、どの教材とどの教材を組み合わせて、どのように学習するのかを学習者自ら考えることはほぼ不可能だと思ってください。そのときは The English Club の「英語学習プラン作成サービス」をご利用ください。あなたにとって最適な教材に組み合わせと学習方法をご提案します。

5.5. 間違うことを恐れるな!

人は間違いたくはありません。しかし、この感情が外国語の学習を妨げます。全ての人が間違います。間違うことは当たり前であり、間違うことは学習の重要な一部分です。間違えたとき、あなたは修正します。そして次回から間違いません。しかし、間違いをしなければ、あなたは学習できません。間違うことを恐れず、それを受け入れる必要があります。

The English Club コメント:
間違うことは重要です。しかし、それは、その間違いに気づけることが前提です。間違いに気づかずに、そのままにしてしまうと「化石化」が起こります。初心者は間違いに気づくことができません。講師に間違いを修正されても、間違っている理由が理解できない初心者は「化石化」から逃れることができません。「化石化」については、「英語が話せるようになりたい?話せない理由の検証が上達の鍵!」を参考にしてください。

5.6. 講師に頼り過ぎるな!

外国語の学習者は自立しなければなりません。あなたの講師は伴走者だと思い、あまり頼ることはやめましょう。講師は一つの教材だと思って、他の教材も探してください。そして、自分自身で練習する機会を探してください。

FSIのトルコ語のベーシックコースの導入部分で、私の好きな言葉があります。「誰もあなたにトルコ語を教えてくれません。自分で学習する必要があります。」これは私が強く信じていることです。そして、外国語学習の格言だと思っています。外国語学習の責任はあなたがとらなければなりません。

The English Club コメント:
The English Club のサイトには次のことばを掲げています。「英語は日々の独学が基本。」英語を習得するには、相当の覚悟が必要です。なぜなら、莫大な労力と時間を必要とするからです。したがって、受け身な学習では絶対に英語は習得できません。自ら能動的に学習する意欲が絶対に必要です。「でも、何から始めたらいいのかわからない…」という方は、「英語は独学!科学的知見に基づく超効率的おすすめ学習法と教材」から読んでみてください。

なお、本記事のFSIのオリジナルサイトはこちらです。

成功
無料eBook
『英語独学完全マニュアル』
presented by The English Club
英語コミュニケーション力を
独学で効率的に習得する科学的学習法の全て(全79ページ)

英語は独学が基本です。しかし、「自分の学習方法が正しいかどうか…」不安に思っていませんか?本書は、英語の学習方法についてお悩みの皆さまに、第二言語習得研究と脳科学(神経科学)研究の知見に基づいた真に効率的な英語学習法をご紹介する解説書です。

無料eBookの主な内容

  • 単語・文法・発音の効率的な基礎力強化方法
  • インプット(読む・聞く)能力向上のための英語脳作りトレーニング法
  • アウトプット(話す・書く)能力向上のためのリハーサル・トレーニング法
  • 学習計画の立て方と効率性を上げるための学習習慣

そろそろ本気で英語を習得したいとお考えの方におすすめです。また、「英会話スクールに通っているけど思うように上達しない…」「TOEICで高得点を取ったけど話せない…」などでお悩みの皆さまも是非ご一読ください。

無料Email Newsletter
presented by The English Club
英語学習をサポートするニュースレターを配信中!
是非ご購読ください!
月曜日
「英語の名言」
火曜日
「英語の語源」
水曜日
「英語の発音」
木曜日
「ビジネス英語」
金曜日
「英語のプレゼン」
土曜日
「英語学習FAQ」

関連記事

英語が話せるようになりたい?話せない理由の検証が上達の鍵!
2024.05.22
代表’s コラム
スピーキング、脳科学研究、勉強法、第二言語習得研究
目次1. 日本人が英語を話せない理由 ❶:TOEIC2. 日本人が英語を話せない理由 ❷:英会話スク…
英語を話せるようになるには?ペラペラになる方法を科学で解明
2024.05.29
代表’s コラム
スピーキング、脳科学研究、勉強法、第二言語習得研究
目次1. 英語を話せるようになるための【第二言語習得研究】2. 英語を話せるようになるため…
【オンライン英会話をおすすめしない理由】科学的に徹底検証!
2024.06.09
代表’s コラム
スピーキング、脳科学研究、勉強法、第二言語習得研究
目次1. 【英語を話せるようになるには?】2. オンライン英会話はおすすしない理由❶|「イン…
カランメソッドの効果|英語を話せるようにならない科学的根拠
2024.07.20
代表’s コラム
スピーキング、脳科学研究、勉強法、第二言語習得研究
目次1. カランメソッドとは?2. 英語を話せるようになるには【インプット仮説】と【自動化…
日本人が英語を独学で話せるようになるには?攻略すべき7つの壁
2024.12.28
代表’s コラム
独学、脳科学研究、第二言語習得研究
目次1. 【初・中級者】英語独学の3つの壁|何から?学習法は?教材は?2. 初・中級者の壁❶…
執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
英語は学習方法で決まる。
徹底して科学的根拠にこだわったThe English Clubの英語学習法は、
今までにない効率的な英語習得を目指します。

CONTACT

本気で英語を学びたい方は下記の電話番号、
お問い合わせフォームよりご連絡ください。

TOP